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39 vs魔王シャイファン

「クッソぉ!マオがまた攫われたじゃねぇか!」


叫ぶ俺にカズヤとナミダが反応する。


「悪いなイリ、少し遅かった」


「おぉ間に合わなかった自分が悲しいぃ」


俺達が反省ムードになっていると横から光の剣が何本も飛んで来た。


不意を突かれカズヤ達はもろに喰らった。


「痛ってぇ、老いぼれ魔王のくせしてやってくれるなぁ」


身体に刺さった光の剣を抜きカズヤが激怒した。


シャイファンがワンドを上に掲げながらニヤリと笑う。


「お前達あの人間をどうするつもりだったんだ?まさか外の連中と一戦交えるつもりだったのか?」


外の連中って誰だ。


モク爺だとでも言うのか。


俺が分からない事をシャイファンは何か知ってるみたいだ。


「知り合いだったんだ。両方ともな」


俺の返答を聞きシャイファンはニヤけた顔を止め真顔になった。


「闇の魔王も外の連中と取引をしたのか?」


ということはシャイファンと外の連中というのは何らかの取引をした仲だということになる。


ここは情報を引き出す為にわざと嘘をつこう。


「察しが良いな」


「…なら先に私が取引を成立させてしまったようだ」


「ああ取られたよ」


「では私と同盟を組まないか?ヴァンパイア共では人攫い程度しか役に立たなくて困っていたんだ、私のパッシブスキルが効かないお前達ならこうして楽に会話も出来るしな」


シャイファンが意味ありげにこちらを見る。


これは悪い話じゃない。


シャイファンが味方になるかはさておき最古の魔王らしいから相当な情報を持ってるはずだ。


外の連中周辺の情報だけじゃなく魔王としての経験も知っておきたいと思う。


しかしだ。


「ふざけるなよ、お前の手下が攫わなかったらこんなことになっていなかったんだぞ!同盟どころか殺してやるよ!」


「それは残念だ」


「やれカズヤ!ナミダ!」


同時に動いた。


シャイファンは既にワンドへ溜め込んでいた赤い光を解き放ちべったりするような赤い波動を降らせてきた。


カズヤも両手で圧縮した1つの闇の球体を高速で射出する。


ナミダはシャイファン目掛けて黒い津波を引き起こした。


赤い波動と闇の球体が衝突し空中で爆発した。


広範囲が爆発に巻き込まれシャイファンは後ろに吹っ飛びカズヤ自身も呑まれたがトルジス達配下が壁となり被害を防いだ。


「ぐぅっ、この私が傷をっ」


腕と顔に傷を負ったシャイファンは起き上がり剣を振り上げようとした。


しかしナミダの黒い津波が勢い良く迫り胸から下を波が通過し抉り消した。


「お゛あ゛あっ」


シャイファンは呻き声を上げて胸から上だけの姿で宙に浮き、俺達から黒い粒子を吸い取り始めた。


「僕のマナを吸わないでくれるかな、高くつくんだよね」


カズヤが闇の球同士をくっ付けながら警告した。


闇の球を繋げて作られた集合体をシャイファンに射出する。


シャイファンはワンドを振り赤い十字の光をカズヤへ撃って来た。


両者の魔法が激突し爆発した。


小さな爆発が何個も重なり大規模な爆発へと発展する。


シャイファンは爆発に呑みこまれ塵となって消し飛んだのだった。


周囲には爆発で生じた闇の煙が大量に発生し漂っている。


「ダンジョンコアを破壊しといてくれ」


「トルジス後は宜しく」


カズヤの命令を受けてトルジス達配下がダンジョンコアを捜索する。


幾つも設置されている棺桶の一つにダンジョンコアを発見しトルジスが杖をハンマー代わりにして叩き割った。


「イリ、マハルダとクルクが聖王国にもうすぐ到着するってさ」


カズヤがホロタを操作しながら報告してくれた。


カズヤとナミダは手負いだが4体眷属が居たら聖女付きのマモルでも倒せるだろう。


間空けて世界中から精鋭集められたら聖女の能力的に厄介だし今の内に潰しておこうか。


マオが何処に連れ去られたのか見当もつかないしな。


「疲れているかもしれないが聖王国に戻ってマハルダ達と合流し聖女とマモルを殺せ」


「えーまた移動すんのかよ」


「おぉ悲しいぃことに聖王国は滅びるべきなのです」


「マモルを潰せるチャンスなんだ、やってくれ」


「確かにねー、わかったやるよ」


カズヤを説得して俺達は聖王国へ戻るため北東を目指して移動を開始したのだった。


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