表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/86

32 同盟

俺は自分のダンジョン領域を出て北東へと進んだ。


カズヤがダンジョン領域全てに闇をばら撒いたせいで道中に鳥を見かけることは無かった。


骸骨の遅い速度で山の麓の森に入る。


早く高い機動力を確保したいので周囲を注意深く見て鳥を探していた。


居ないな。


もっと別場所も捜索したいが憑依した骸骨の身体ではすぐに場所を移動出来ず中々鳥は見つからなかった。


日が変わり森から山に突入して暫く進んでいると小柄で醜悪な顔の人型モンスターを発見した。


肌は灰色で上に尖った耳を持ち汚れた革と布を着て右手には剣を持って居た。


ここで戦闘になったら俺は簡単に破壊され憑依が解ける可能性がある。


逃げよ。


俺は小柄な人型モンスターを迂回して進もうとした。


「うわっ!闇のモンスター!」


向きを変えた先に別の小柄な人型モンスターが居て俺と鉢合わせ驚きの声を上げた。


見つかったな。


どうしよう。逃げるしかないよな。


考えていると、相手が揉み手をしながら近寄って来た。


「こ、これはこれは闇の魔王の僕さん、我々のダンジョンに何の御用ですかな?」


あ、何か戦闘にならなさそう。


ここは結構俺のダンジョンから近いし俺達が周辺の魔王達を殺し回ってることを知っていても可笑しくない。


俺は今弱そうな骸骨でしかないが薄く闇のオーラを纏っているので闇の魔王関連の者だと見破られたのもわかる。


であればこの者の目的が少し読めて来た。


「いや僕じゃなくて俺が闇の魔王なんだわ」


俺は戦えないがここは強気で行く。


「え゛っ」


小柄な人型モンスターは飛び上がりゴソゴソと自分の装備を漁るとモノクルを取り出して右目に(かざ)して俺を見た。


「わ゛ーっ!本当だっ、これは失礼致しました闇の魔王様っ!!」


今度は深く頭を下げて両手を合掌しだした。


「お前達のダンジョンに用があるわけじゃないけど、お前達の種族と魔王について喋ってくれるかな?」


小柄な人型モンスターは少しホッとしたような表情になり質問に答えた。


「我々はしがないゴブリン種でございます、王の名はグルーゴと申しまして丁度2年前から魔王になられたばかりなのです。何分まだ不慣れなものでして多少は大目に見ていただけないでしょうか」


ゴブリンだったのか。


言われてみれば納得だが地球の知識からすると緑じゃないからピンと来なかったな。


それに2年目なら新米魔王じゃん。


モロ俺の討伐対象だ。


よく俺の眷属達に見つからなかったな。


「どうしよっかな~」


ちょっと勿体ぶる。


何事も無くここを通過して鳥を見つけられるようにするため少し圧力を掛けて恐れを強調しておいた。


「どうかご容赦を!我らゴブリンと同盟を結んで頂ければ闇の魔王様の手足となって働く所存にございますっ!」


ほー同盟か。


そういや効率的なダンジョンのやり方を集めるとかで前に考えたこともあったな。


今はもうルーキーランキング1位になって不要になっちゃったけど。


でも他所の情報とか気になるし1回試しにやってみるか。


「そんなの君の一存で決めて良いの?」


「え、ええ、自分がそのゴブリンの魔王グルーゴですから」


グルーゴが強張った営業スマイルを俺に向ける。


「そうなんだ、じゃあ同盟組んでも良いよ」


「ほ、本当ですかっ!ありがとうございますっ!かの有名な闇の魔王様と同盟を組めるとは!」


相当恐れられてんな俺達。


まあクエスト達成情報では10体以上魔王を殺してるみたいだしな。


「落ち着け、早く手続きを済まそう」


「すいません、案内致します」


グルーゴは俺を連れて山の洞窟へと先導した。


洞窟へと入り奥へと進んで行く。


道中に多種多様なゴブリンに遭遇した。


外で遭遇した灰色のゴブリンが一番多い。


灰色のゴブリンは杖を持った魔術師だったり金属の鎧を着た重装備だったり様々なタイプが居た。


赤いゴブリン種も居て数は少なく灰色のゴブリンと背丈も変わらないが異常にすばしっこく動いていた。


更に数が少ない薄い水色の肌をした一回り大きなゴブリンも居た。


水色のゴブリンは立派な装備をしていて両手剣や斧などの大きな武器を持っていた。


地下3階まで進むと最奥に毛皮のマントを着た灰色の肌をしたゴブリンが居た。


金属のヘルムと鎧を着て剣と盾を持って居る。そして水色のゴブリンよりもさらに一回り大きな身体をしていた。


デカいゴブリンも上の階ですれ違ったゴブリン達同様に俺とグルーゴを見ると避けて道を譲り大人しくしていた。


地下4階へと下りるとコアルームになっていた。


グルーゴはダンジョンコアを操作すると俺に促す。


「申請が完了致しました、後は闇の魔王様側で受理をお願いします」


あ、そんな感じなんだ。


「わかった、ちょっと待ってろ」


俺は意識を本体の闇に切り替え視界が闇の漂うコアルームになった。


憑依しているので本体に今は手が無い。ダンジョンコアの球に話しかける。


「同盟の申請が来ているか?」


「はい、グルーゴの洞窟ダンジョンから同盟の申請を受信しております」


「受理してくれ」


「闇の廃墟ダンジョンを主としてグルーゴの洞窟ダンジョンと同盟を結びました。同盟の項目から各種設定を行えます」


初の同盟結成だな。相手が良く分からんゴブリンで面白みに欠けるがまあ別に戦力を期待してないし良いだろう。


「どんな設定が出来るんだ?」


「ダンジョンマップの同期申請、侵攻不可申請、侵入制限、配下情報共有申請、アイテム及び配下の交換と売買、同盟DPの使用と振込、メッセージのオンオフです」


結構出来る事多いな。


「じゃあダンジョンマップと配下情報の申請をしてメッセージをオンにしてくれ」


「手続きが完了しました。グルーゴの洞窟ダンジョンから3件の申請を受信。内2件が合致しました」


グルーゴのダンジョンマップと配下情報が見れるようになった。


ホログラムで表示されるマップではグルーゴの配下達の動きもハッキリと見れる。


同盟の項目に戻って貰うとグルーゴの配下情報が確認出来るようになっていた。


ゴブリン、ゴブリンソルジャー、ゴブリンメイジなどが灰色のゴブリンのことだろう。


レッドゴブリン、ホブゴブリンがあり最後に眷属と表記されてるゴブリンジェネラルがあった。


恐らく水色の肌のがホブゴブリンで地下3階を守護していたデカいのがゴブリンジェネラルだな。


見終わると俺は意識を戻し視界が洞窟のコアルームに切り替わった。


「俺の方は完了したぞ」


「こちらでも確認致しました、ありがとうございます闇の魔王様!」


「晴れて同盟結んだことだし聞きたいんだけどさ、どうやってここまで生き残ってきたわけ?」


「よくぞ聞いて頂けました!ゴブリン族は狡猾こそがモットー!敵を欺いて罠に嵌め賢く行動していたのです!」


「へぇ、アイテムとかだけで何とかしたってことか?」


「魔王になりたての頃に召喚ガチャで引いたゴブリンナイトのゴルルが眷属化でゴブリンジェネラルに進化しまして活躍しましたが、全ては我が計略によって困難を乗り越えて参りました」


いやガチャ運やんけ。


ただゴブリンジェネラルに頼ってただけだろ。


そういや俺以外の魔王は召喚ガチャ出来るんだよな。


ズりーよ。


俺だってガチャやりたかった。


「そうか。ではその賢い頭でこの辺は熟知してるだろうし、ちょっと同盟のよしみで鳥探しを手伝ってくれないか」


「鳥ですか?」


「何でも良い飛べる鳥だ」


配下のゴブリン達にも手伝って貰って1羽の鳥を捕まえて来てもらった。


また水色の小鳥だ。


俺は憑依をして骸骨から小鳥へと移った。


「じゃあ何かあったらメッセージをくれ。暇だったら助けを寄越してやろう」


「ご配慮感謝致しますっ」


「じゃあな」


俺はグルーゴと別れを告げて洞窟ダンジョンを出ると北東の聖王国を目指し飛行したのだった。

ブックマーク・評価・リアクションありがとうございます、励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ