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30 乗っ取られた闇のダンジョン

「暗過ぎだろ」


そう言葉が漏れてしまう程に俺のダンジョンが暗くなっていた。


地理的には王都周辺の平原に来ているはずだがそこら中に黒い霧が発生して上空が闇に覆われている。


今は昼間のはずだがまるで真夜中みたいな状態だった。


「なぜこんなに暗くなってるんだ?」


「カズヤの仕業です」


「そういう防衛方針なのか?」


「申し訳ございませんが、そこまでは分かりません」


ドニシャは俺と一緒にずっと侵略してたんだもんな。


「カズヤとホロタで連絡取れるか?」


「カズヤはホロタを所有しておりません」


まあ俺がカズヤに持つよう指示してもないしな。


俺達は暗い平原を進んでいく。


闇の俺には問題無く周囲を視認出来るし、恐らく眷属達も平気で移動しているから大丈夫なはずだ。


王都跡地に差し掛かったところで奥から何かがやって来た。


緑色をした半透明の騎馬がこちらに突撃して来ている。


眼の部分からは薄っすら光を放ちマントを靡かせて剣を振りかぶった。


「無礼者め!」


ドニシャが叫び騎馬に向かって黒い波動を直進させる。


騎士が剣を振り降ろすと裂かれた黒い波動は雲散した。


ドニシャが黒い杖の槍を召喚して構えたがクルクが前に出た。


「落ち着けゴーストにスキルは効果が薄い」


あれがゴーストか、初めて見たな。


ドニシャの攻撃を無力化したってことは結構強くね?


俺が一瞬不安になっているうちにクルクは向かって来る騎士に黒い渦を吐き出す。


「オォォオ」


ゴーストの騎士が黒い渦にのまれ低い叫び声と共に消滅した。


倒すことに成功したが、奥の霧からポツリポツリとゴーストが何体も現れ始めた。


馬に乗った騎士やら重装兵、弓兵のゴーストなんかも見られこちらに向かって来る。


結構ゴーストに侵入されてるな。


仕掛けてきた魔王は誰だ。


押し寄せるゴースト達に3人の眷属が対応する。


マハルダが黒雲の稲妻を放ちドニシャが黒い波動を放ってクルクが黒い渦を吐く。


倒して王都跡地を進むも次から次へとゴーストが襲来する。


妙だな、カズヤという眷属の援軍が来ない。


これほどゴーストが溢れているのにダークウォーカーやダークエルフすら1体も防衛に現れない。


疑問に思っていると、これまでで一番大きなゴーストが現れた。


両脇に2本の角が取り付けられたヘルムを被りザラザラした鉱石の粒を混ぜた分厚い鎧とマントを着て盾と片刃の剣を持って居る。4m程の巨体だ。


そして全身に黒いオーラを纏っていた。


重装のゴーストは一瞬俺の方へ顔を向けるとまるで躊躇するようにたたらを踏んで前進を止めたが、すぐ眷属達に顔を向け前進を再開した。


眷属達の攻撃を重装のゴーストが盾で防ぎ剣を振ると黒い斬撃が3人を襲う。


「フゴォォォ」


クルクが前に出て斬撃を身体で打ち消すとマハルダとドニシャは重装ゴーストの横に回った。


ドニシャが闇の球体を幾つも浮かべ球体から闇を直進させる。


重装ゴーストが盾で防ごうとしたが同時にマハルダが創り出した巨大な闇の太陽から黒い炎が大量に放射されたので防ぎきれずどちらの攻撃も数多く着弾した。


「オォォ」


呻き声を上げる重装のゴーストにクルクが膨大な闇を纏わせた拳を突き出すと拳の形をした闇が射出されゴーストを消し去った。


眷属達の技が確実に前より強くなっている。


育てれば強くなるならこれからは育成の観点も考慮しないといけないな。


どうやって強くなったのか知りたいものだ。


それとあの強いゴーストがなぜ闇のオーラを纏っていたかも知りたい。


ダンジョンコアの球が闇のモンスターは俺が生み出した配下以外居ないって言ってたじゃないか。


俺達はゴースト達を倒しながら進み元地下牢だったダンジョン地下への入口を発見した。


慎重に階段を下りながら首をかしげる。


やはり俺の配下とは遭遇しなかった。


ゴーストばかりだし、そのゴーストも俺達を襲うばかりでダンジョンを攻略しようとしていなかった。


カズヤという奴は一体何をやってるんだ。


憤りすら感じつつ地下1階へと到着すると俺はショックを受けた。


何だここは。


薄暗く黒い霧が漂っている。闇の俺は問題無いが壁の照明石オブジェのおかげで何とか視認出来る具合だ。


至る所に骨塚が見られ古く汚れた棺桶と蜘蛛の巣が幾つも放置されており壁には磔にされた人の死体が並んでいた。


俺が折角綺麗にしたのに、これじゃ地下牢だった頃に戻ったみたいじゃないか。


床には白い文字で書かれたサークルが何か所にもありサークル中央には死体と血があった。


そして王冠を被って豪華なドレスを着た女のゴーストが急に目の前に現れた。


女のゴーストが悲鳴に近い唸り声を上げ全身から闇のオーラを立ち昇らせると闇のヴェールがエリア全体を覆った。


俺は何ともないが眷属達は何か圧力を感じて居る様で踏ん張るように立って居た。


ドニシャが闇の柱を女ゴーストの頭上に放出させ、マハルダが黒い太陽を召喚して黒い炎を浴びせた。


女ゴーストには着弾せず手前の薄い闇のバリアに妨げられた。


クルクが溜め込んだ闇の拳を射出し女ゴーストのバリアに激突した。


パリンッとガラスが砕けたような音が鳴り響きバリアが解除されたが女ゴーストが横に回転しつつ口から液体の様に流動する闇を噴き出した。


闇の液体が3眷属に付着すると闇が膨張し爆発した。


ドニシャとマハルダは吹き飛んだがクルクは軽傷で済んでいた。


クルクが吐き出した黒い渦が女ゴーストを呑み込む。


女ゴーストは呻き声を上げて何とか脱出すると消え去った。


「大丈夫か?」


起き上がるドニシャとマハルダに声を掛けた。


「我が神よ、ご心配には及びませんぞ」


「深いダメージはありません」


確かにそこまで重傷ではなさそうだが結構吹き飛んでたからな。


マハルダなんかは口元に墨汁みたいな黒い血が垂れてるし。


俺達は階段を下りて地下2階へと到達した。


このエリアも見事に魔改造されていた。


黒い霧が漂い床一面に血が張っていてエリア全体が血溜まりになっていた。


壁から突き出る槍に串刺しになった死体があちこちにあり、蒼く灯ったロウソクを頭上に乗せた頭蓋骨が大量にプカプカと空中を浮遊している。


そして俺達に向かって男のゴーストが接近してきた。


ゴーストは王冠を被りファー付きのマントと刺繍の入った質の高そうな服を着ていて宝石を嵌めた錫杖を持って居た。


どこかの王様かな。


王様風のゴーストが錫杖の宝石を嵌めた先端部分にどんどん闇のエネルギーを集約させていき闇の電気を帯びた闇の球体を形成した。


まるで棒付きキャンディーだ。


王様風のゴーストは錫杖をバットみたいに両手で握りしめ眷属達にブンブン振りだした。


マハルダとドニシャは避けたがクルクは正面から受け後ろに弾き飛ばされた。


ドニシャが杖の槍をを振ると王様風ゴーストの頭上に闇の球体が無数に出現し球から闇の柱を高速で降らせた。


王様風のゴーストがゲリラ豪雨のごとく闇で滅多打ちにされ呻き声を上げる。


王様風ゴーストは耐えたもののまだ続く土砂降りの闇がダメージを蓄積させもがき苦しみながらなんとか横に転がるようにして闇の柱が降り注がない場所へと避難するとスッと姿を消した。


ドニシャが息を切らして杖にもたれ掛かる。


クルクは起き上がると身体を軽く動かし拳を揉んで音を鳴らした。


「いけるか?」


下に行く前に一応確認しておいた。


「大丈夫です」


「ご心配には及びませんぞ」


「今度会ったら殺してやるっ」


3眷属はまだやれそうだ。


俺達はクルクを先頭に地下3階のコアルームへと下りていったのだった。



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