16
いよいよ、たまきたちの卒業式の日がやってきた。
たまきたちの友人たちは、すべて希望校に合格。ようやくたまきたちもみんなと一緒に喜びあい、この日を迎えることができた。
いつもは着崩している制服を、模範通りの形で着ると緊張感が高まった。
そして、もう終わりなのだと、じわじわと実感がこみあげてくる。
その日は心悠が家まで迎えに来てくれて、一緒に登校した。
初めは、よく眠れた?とか他愛ない会話をしていたが、今日だけはこれから行く高校の話をする気分でもないし、なんだか、学校が近づくたびに口数が少なくなって、二人ただ、黙々と歩いた。
教室に入ると、みんなも同じようで、そわそわとしながら、途切れ途切れの会話をした。
卒業生のリボンを胸元に付け、両側に在校生の並ぶその中央の道を通って、整然と並んだ席に着いた。
卒業証書を授与され、生徒会長が答辞を読む。
式が進むほどに、すすり泣く音がそこかしこでし始め、たまきの目の奥も、じんと熱くなった。
退場の時、祖父母が見えて、祖母が泣いているのが見えたとき、たまきはこらえきれずに泣いてしまった。
それぞれの教室に戻って担任の最後の話を聞くと、また泣けてきて、たまきも心悠も、みんな、泣いていた。
もうすでにだいぶ泣いて鼻を赤くした卒業生たちが、外に見送りに出ていた涙目の在校生たちと会うと、また更に泣けてきた。
たまきたちも部活の後輩たちに囲まれて、別れの言葉を交わすと、もう涙腺が崩壊したかのように涙が止まらなかった。
少し遅れて、すでに泣きはらした目の紫露がその場に合流した。
「も~、たまき先輩も心悠先輩も、泣き過ぎ!」
紫露は笑いながらそう言ったが、自分も鼻をズビズビ鳴らしながらまだ泣いていた。
「お前が泣き過ぎなんだって!」
心悠が言いながら、紫露の肩を叩く。
「痛いって!」
と言いながら、はぁあ、とため息をついた後、少し神妙な顔をして、綺麗にラッピングされたプレゼントを二人に差し出した。
「なにこれ!?」
「え、これ、霜槻が!?」
驚きながら受け取る二人。
紫露は頷いた後、涙を拭って、鼻をかみながら、
「……俺と、アオ君から」
と言った。
「ちょ、鼻水ついてないだろうな?」
鼻をかむ紫露の姿を見て疑いの目を向ける心悠に、紫露は「つけてません!!細心の注意を払いました!」とふくれっ面をした。
「あぁ、そう……。……って、アオ君て?」
紫露の勢いに押されつつ、聞き覚えのない名前に首をかしげる心悠に、「……梧さんが?」とプレゼントの包みを見つめたまま、たまきが言うと、心悠はなるほどという顔をした後、「え!私にも?」とプレゼントと紫露の顔を交互に見ながら、驚いた。
「だぁって仕方ないじゃん、あの日、会っちゃうと思わなかったんすもん」
「え、あの日って……」
「もしかして、あの日!?じゃあ紫露もあそこにいたの!?」
たまきが呟くと、察した心悠が大声を上げた。
あの日とは、たまきと心悠がデートした日のことだろう。たまきと心悠が梧と遭遇した時、どこかに紫露も居たのだ。
「朝に遭遇した時、マジでどうしようかと思ったんすよ。もー、見事行き先が一緒で、あの後、アオ君と隠れながら買うの、マジ大変だったんすから」
ため息交じりに肩をすくめて言ったあと、ちょっと照れた顔をしてから、ぱっと手のひらを二人に向けて見せると、
「どーぞ!……開けてみて。俺だってちょっと金出したんだからね」と言った。
二人は顔を見合わせ、プレゼントの包みを外すと、可愛い雑貨で有名なブランドの箱が入っていた。たまきたちはまた顔を見合わせつつ、その箱を開ける。
紫露は緊張しつつ、その様子を見守った。
そこには色違いの同じデザインのパスケースが入っていて、たまきたちは「わぁ」と声を上げた。
たまきの方は、淡い落ち着いた色のピンクがメインカラーでベージュのリボンがついていて、心悠の方は水色がメインカラーで白いリボンがついている。それぞれ、二人に合った色合いだった。
「え、これ、私には可愛すぎない?」
「ううん!心悠にすごく似合ってるって!」
「ほんと?たまきもめっちゃ合ってる!すご、センス良っ!」
口々に言ってはしゃぐ二人がとてもうれしそうなのを見て、紫露はほっと微笑んだ。
そして、胸をそらすと、
「だしょ?俺のセンスが光っちゃってますよね~?」
と得意げに言った。
だが、心悠が呆れた顔で紫露を見つめる。
「いや、絶対梧さんのセンスだろ」
「……私もそう思う」
即座にたまきも同意すると、「はぁ?」と紫露が声を上げる。
「俺も意見出したし!」
むきになって言う紫露に、「あ~はいはい。そうだね」と軽くあしらうように心悠が言うと、「あぁいいですよォ。どうせ俺はセンスないですぅ」と、拗ねたように呟いた。
たまきと心悠は顔を見合わせ、微笑むと背中を丸めた紫露を挟んで、両側から肩に腕を回すと、
「うそ、うそ!ありがと、霜槻。すごく嬉しい」
「ありがとな~、私の分は仕方なくついでだとしても、めっちゃ嬉しいわ」
と、お礼を言った。
「……っす」
照れたように紫露が言うのを聞いて、心悠とたまきでその頭をぐりぐりと撫でまわした。
「っちょ、やめろって」
紫露は二人を振りほどくと、ぼさぼさの頭を直しつつ、まだ照れが残る顔で、
「いや、……その……。さっきのは言葉のアヤで……。最初から二人分買うつもりでしたよ、ちゃんと。アオ君にも伝えてありました。だから、たまき先輩と一緒にいるのが心悠先輩っていうのも、心悠先輩が同じ高校に合格してたこともあの時、先に知ってて。アオ君、バレないように言葉に気を付けて緊張しながら会話してたらしいっす」
と少しうつむき気味に言った。
それを聞いてたまきは少し驚いた顔をした後、あの時の梧が緊張していたとは一切思えなかったが、内心ドキドキしていたのかと思うと、ちょっと可愛らしく思った。そう思って思い返すと、どことなくぎこちなかったような気もする。
そして、紫露と梧が、たまきたちにバレないように警戒しながら、たまきと心悠のことを考えてプレゼントを選ぶ姿を想像して、とても、……なんだか愛おしくて、嬉しさが込み上げた。
「……紫露!」
なんだかたまらず、たまきは紫露の下の名前を呼んだ。
「え?」
紫露と心悠が驚いた表情でたまきを見つめる。
「ありがとう、紫露」
そう言うと、紫露は、ふっと、泣き出しそうに顔を歪めながら、それでも心底嬉しそうに微笑んで、「……っはい!あざっす!」と応えた。それを見て、心悠も微笑む。
結局、紫露はうつむいて泣きだし、その頭をたまきと心悠が、また容赦なく撫でまわした。
――――――
まだ仕事中の梧の、プライベート用のスマホの通知音が鳴った。
ちょうど一息つこうとしている時だったので、梧は時雨に休憩を告げて、スマホを確認する。
メッセージアプリに紫露からのメッセージが来ていて、そこには、連絡先が張り付けられた後、”今すぐ追加して!”とメッセージが入っていた。
張り付けられていた連絡先の名前は”タマ”の後に猫の絵文字が入ったもので、それなのにアイコンはリスだった。
不思議がりながら、梧はその連絡先を追加すると、すぐにメッセージの通知が入った。
開くと、”ありがとうございます!”という、リスのキャラクターのスタンプが二個ほど連続で押された後、少し間を置いて、写真が送られてきた。
その写真を見て、梧は、ふっと声を漏らして笑う。
「……なんですか?」
突然笑った梧を訝しんで時雨が近づいてくると、梧は届いた写真を時雨に見せた。
時雨は驚いた後、同じように笑う。
それは、たまきと心悠が、ぼさぼさの頭で泣いている紫露をはさんで、笑顔で写っている写真だった。
二人の手には、先日紫露と買いに行ったパスケースが握られている。
どうやら喜んでくれたようだとほっと胸をなでおろしつつ、梧はもう一度その写真を眺めて微笑んだ。
「良かったですね」
「……ああ」
梧はその写真を保存した後、メッセージに”卒業、おめでとう”と打ち込んだ。
やや間をおいて、”ありがとうございます”という返信があった後、少し経ってから、
”紫露と心悠が勝手にやりました。突然ごめんなさい”
”お仕事中すみません”
”あ、たまきです”というメッセージが立て続けに送られてきた。
たまきが画面の向こうで慌てている姿が思い浮かんで、またふっと笑うと、”大丈夫。休憩中です”と返信しておいた。
「コーヒーでも飲みましょうか」
時雨はその梧の様子を見ながら言うと、「そうだな」という梧の返事を聞いて、コーヒーを取りに部屋を出ていく。
梧のスマホに先ほどの”ありがとうございます”と同じキャラクターのスタンプで”ごめんなさい!”が押され、梧はまた、それを見つめて微笑んだ。
――――――
「写真撮ろ!」という心悠の提案でたまきがスマホを取り出すと、心悠が「私が撮るよ」とたまきのスマホを受け取って自撮りの体勢に構えた。
心悠の指示で、まだ泣いていた紫露を真ん中に、両脇からたまきと心悠が挟み、二人はお揃いのパスケースを見えるようにかざす。その構図で何枚か連写した後、たまきにスマホを返さずに、
「紫露、あんたのスマホ貸して」
と手のひらを差し出した。
「は?なんで?」
泣き止んで洟をすすっている紫露が聞くと「いいから!早く」と急かすと、紫露は渋々スマホを取り出した。
紫露にロックを解除させて、メッセージアプリを開かせると、素早く内容をチェックし始める。
「ちょ、ちょっと、何すんですか」
「いーからいーから」
慌てる紫露を躱して、心悠は連絡先の中から目的の人物を探す。
「え、私の返してよ、心悠」
「ちょっと待って」
二人の手をすり抜けながら、心悠は器用に紫露のメッセージの中から梧の連絡先を見つけ出すとメッセージ画面を開き、連絡先を送る画面から、たまきの連絡先を探す。
紫露は取り返そうと心悠に手を伸ばしながら、その操作を盗み見て意図がつかめたらしく「あ、わかった。わかったから返して」と紫露が言うと、心悠はすぐに「じゃあやって」と返した。
「おっけ」
と、紫露は自分のスマホを受け取ると心悠から引き継いで、たまきの連絡先を見つけて梧のメッセージ画面に張り付けた。
「ちょっと、私のは?返してってば」
「もうちょい待って。……紫露、”すぐ追加して”って送ってよ」
「わっかりました~」
言われた通りに、紫露が梧にメッセージを送ると、紫露は次の作業に移る。
「ねぇ!ちょっと、何するつもり?何してんの!?」
焦るたまきから心悠は逃げつつ、紫露からのメッセージを待った。
紫露はたまきのメッセージ画面に梧の連絡先を張り付けると、たまきのスマホで受信した心悠が、それを素早く追加する。
逃げる心悠を追いかけつつ、ようやくたまきがその意図に気づくと、
「ちょ!まっ!!!何してんの!勝手にダメだって!」
と、顔を真っ赤にして慌てだした。
「だぁいじょぶ、向こうも嫌ならブロックするって」
「まぁ、それはまずないから、大丈夫」
心悠と紫露が口々に言うと、作業を終えた紫露は、たまきを心悠から遠ざける。
「ちょっと、紫露!梧さん仕事中でしょ!ダメだよ!」
心悠は追加した梧へのメッセージ画面にスタンプを押しまくる。向こうが追加すれば、そこから既読になるはずと踏んで、連打しているのだ。
「いや、絶対大丈夫だから」
何を根拠にしているのか、そう紫露は言う。
「あ!来た来た!!」
「だめだめだめ!心悠!?」
心悠はスタンプ二個分に既読がついたのを見つけて声を上げ、手を止めると、今度は今撮ったばかりの写真を一枚、送った。
その瞬間、たまきは紫露の横を素早くすり抜け、心悠の手から自分のスマホをようやく奪い返す。
しかし、もう、写真もすべて既読になった後だった。
「ちょ……なんで、もー、心悠!紫露!怒られたらどうすんの!」
「いや、怒んないと思います」
「私もそう思う。ま、私らからの、卒業祝いだと思ってさ」
「なにそれ、もー」
口をとがらせて怒るたまきに、悪びれない紫露と心悠がにやにやと笑う。
そうこうしているうちに、梧から”卒業、おめでとう”とメッセージが届いた。
「……うそ」
梧からのメッセージにそう呟くと、覗き込んだ心悠と紫露が、「ほらぁ」「怒ってないじゃん」と言った。
「え、どうしよ。どうしたらいい?」
急にオロオロとするたまきに、「ありがとうって返せばいいじゃないっすか」と紫露がアドバイスすると、たまきは「う、うん……」と言いながら、素直に“ありがとうございます”と打ち込んだ。
「待って。今の全部、私がやったと思われてるのかな……」
「あー、まぁそうかもねぇ」
ハッと気づいた顔で、たまきは青ざめると、呑気な声で心悠が答える。たまきは「もー、他人事!」と言いながら、困った顔で、何か必死にメッセージを打ち込み始める。
「お、めっちゃ送ってる」
茶化すモードで覗き込もうとする心悠から自分のスマホを遠ざけ、逃げるたまき。
「二人の仕業だって送ったからね!」
そう叫ぶと、二人はしばらく軽めの追いかけっこをした後、二人は肩を組んで、結局は笑い合った。
その後、他の卒業生たちもそれぞれの家族と合流し始めたので、二人も家族のもとに向かい、一旦、家族とともに帰宅した。
夕方からは、一部の保護者が付き添って、陸上部のメンバーで食事会が開かれた。
途中から紫露を含めた一部の後輩も合流して、先輩のための余興も披露され、大盛り上がり。涙よりも笑顔の多い会となった。
会の終盤、大騒ぎのメンバーを横目に、たまきと心悠、紫露は三人で横並びになって話をしていた。
「紫露は卒業生じゃないのに、泣きすぎだったねー」
見送りの時のことを思い返してたまきが言うと、「マジでそれ」と心悠が同意した。
「えぇ?だって二人が卒業しちゃうんすよ?寂しすぎるっしょ」
「私らのこと好きすぎか!」
紫露の言葉に笑いながら今度は心悠がツッコむと、
「えぇ〜?好きですけどぉ」
と少し照れたように演技して答える。たまきたち二人は引いた顔で少し横にずれたあと、「きもっ!」と声を揃えた。
「は!?キモいとかないでしょ!」
二人がずれた分だけ紫露は間をつめると、たまきたちはわざと眉間に皺を寄せて、もう一歩横にずれた。
「ねぇ……、マジで傷つくんだけど……」
と、紫露が項垂れると、二人は「あはは、ごめんごめん」と紫露の方へと戻って笑う。心悠が紫露の肩を組んで、頭を撫でると「それはやめろぃ」と手を振り払った。
「あ、そうだ。たまき、見送りの時の写真送ってよ」
心悠が、ふと思い出して言うと、「あ、俺にも」と紫露もスマホを取り出しながら言う。
「あ、そだね」
返事をして、たまきは二人に連写した写真の全てを二人に送った。
それぞれのスマホでそれを確認していると、「うーわ、紫露の顔やば!」と心悠が笑いだした。
「え、ほんとに……。さっきよく見てなかった……!」
つられてたまきも笑い出すと、「ヤバい、ツボ……入った……!」と心悠が苦しそうな声で言って、その場に倒れ込んで笑い出すと、そこにたまきも心悠の上に被さるように倒れ、笑って体を震わせた。
「笑いすぎじゃね!?……え!マジじゃん。白目剥いてるのもあるし!……待って待って、アオ君にどれ送った?」
紫露は必死な顔で、笑い転げる心悠の肩を叩いて訊くが、
「いやっ……、どれっ……、紫露の顔確認してないわ……」
と、なかなかおさまらない笑いの合間に、心悠が答えると、紫露は今度は突っ伏しているたまきの背中を叩いて「ちょっと!確認してよ」と言う。
たまきが顔を上げると、「ちょ、ちょっ、待っ……」と、まだ堪えきれず笑いながら、震える手で梧とのメッセージ画面で確認すると、かろうじて白目ではないが、泣いてぐずぐずになっている紫露の姿が写っていた。
「ちょ、これっ……」
「これもひっど!!」
たまきがすでに笑いながら、写真を二人の方へ向けると、心悠はそれを指差して声をあげ、おさまりそうだった笑いが再び込み上げて、たまきと心悠は大きく笑い声を上げる。
「ねぇ!ちょっと笑いすぎだから!!」
紫露が二人を叩きつつ怒っていると、
「ほーらー!そろそろお開きにするよー」
と保護者からの声がかかった。
紫露に小突かれつつ、二人はなんとか笑いを抑え、のっそりと起き上がったのだった。
店の外に出ると、すっかり外は暗くなっていた。
寒さでたまきと心悠は身を寄せ合うと、「あったかそー」と紫露がまた合流する。
「混ぜてあげないよ~」と言って心悠とたまきが二人で抱き合うと「頼んでません~」と言って、紫露は上着のポケットに手を突っ込んで、首をすくめた。
「素直じゃないねぇ」とたまきが言うと、心悠とたまきは紫露の両脇でそれぞれの腕を組んだ。
「あざーっす……」
紫露は照れ気味に言った。
そうして身を寄せ合いながら、それぞれが迎えを呼んで待つ間、
「はー、今日は泣いたし、笑ったなー」
「ほんと。お腹よじれて死んじゃうかと思った」
「不吉なこと言わないでもらえます?」
「でもマジ、そのくらい笑ったわ」
「人のこと笑いものにしやがってぇ」
「紫露が泣くからだよー」
「そう!それがいちばんの原因だし」
と、他愛のない会話を交わす。しかし、会話が途切れて、三人は空を見上げた。
煌々と照る地上の光のせいで、星はほとんど見えない。
「……こんな日が」
ふと、たまきが呟く。
紫露と心悠が空を見上げるたまきの横顔を見つめる。
「ずっと……続けば良いのになぁ」
その言葉に、紫露と心悠は一瞬、固まるが、
「……続くに決まってんじゃん」
「そうっすよ。卒業したって遊びには誘うし、うちにも来てよ」
と、すぐに言った。
たまきは驚いた顔をした後、ふと笑って「そだね」と言い、また空を見上げる。
その横顔を見つめた後、二人も空を見上げる。
さっきより、心悠が紫露の腕をぎゅっと握るのを感じながら、紫露は泣き出しそうになるのを、奥歯を噛み締めて堪えた。
平凡な日常が、急に壊れてしまうことを知っているたまきに、無責任だったかと思うけれど、たまきの日常を守りたいと、紫露も心悠も、強く願った。




