オタクに転んだ男
昭和末期に生まれた男がオタクになって枯れていくまでをツラツラとなぞってみた私小説です。
個人的観点での一人語りですのでお見苦しい点や差別的表現等多々あるでしょうがなるべく事実に沿った事を書くつもりなのでご容赦願います。
これからを生きる若いオタク達へのガイドブックやオタクのあり方などの参考になってくれれば幸いです。
2024年1月、世の中戦争だの不況だの震災だのでてんてこ舞いになってた
自宅のデスクトップの前にどかっと座り映画鑑賞、近頃の私はサブスクで古い作品を漁るのが日課になっている私はオタクとしての情熱が枯れていた
私がオタクになってどのくらいが経ったろう・・・いや既にオタクではないからもうどれだけオタクだったのかもわからない
瞼の母じゃないけど目を閉じれば楽しかった、のめり込んだあの日々が思い浮かんでくる。
そう、私がオタクになったのは中学1年の頃だった・・・
あの当時は平均的な中学生で精々ゲームとちょっとしたアニメを楽しむ程度でオタクではなかった。
戦中生まれの昔気質の職人のオヤジ、”デスコ”ブームど真ん中のおふくろの間に生まれた平均的な田舎の少年だったのでオタクになる要素なんて・・・実は一つだけある。
平成初期あたりまでは我が家でもまだ日本の風習をキチンと執り行う環境がまだあった、正月の親戚の集まり等で年上の従兄弟のあんちゃんに遊んでもらったがそのあんちゃんがオタクなのだ。
子供の頃は気が付かなかったがいわゆる”Beeメイツ”で凄く濃いオタクでやっぱり流石従兄弟でオタクの話はしたことないけど記憶の限りではかなり濃い人だったと思う。
一応”素質”的なものはあったのだろう、いやあったハズ・・・そんなものなんの得もないが。
ともかく、オタクとは縁遠く寧ろオタクなんぞ気持ち悪い美少女アニメを見てる異常者くらいにしか思ってなかった。
今の人が聞いたら石を投げられるかもしれないが当時はこんなもんなのだ、これが偽らざる世間のオタク観というものだろう・・・
ある時クラスメイトの中田くんの家にお邪魔してゲームをしているとふとあるPS2のゲームが目に入る
「中田オメェこんなもんやってんのかい?」
バカにした態度で中田くんにそのゲームについて伺うと
「あーそれ?すげー面白いからいっぺんやってみなよ?」
「でもこれときメモみてぇなやつだろ?」
「違うんだなぁ~、まあ貸すからやってみなよ」
半信半疑でとりあえず借りてみた、この頃は金もなくて古い中古のゲームを買ったり貸し借りが殆だったので例えクソゲーであってもやったことないゲームならとりあえずいいやと思って暇つぶしで借りてしまったのが運の尽き
ここから私の約20年のオタク道が始まったのだ・・・