苛立ちが渦巻く (II)
~ 第一 ~ 苛立ちが渦巻く (II) ~ 第一 ~
せんべいの姉妹に比べ新鮮な果物の木椀みたいなエレミンは非常に快いとナダンの友人らが思ってやがる。
その褒め言葉で姉が天狗になったんだだろう。
だって、鏡の前でエレミンが身づくろいするのを見た事がある。
腰までに垂らしている赤い髪をかき上げ、服を奇麗に整えている様子を。
誰もナダンの事をそう言わない。
十四歳でナダンは姉より2年下であり、贅肉とひょろ長いが悪い部分ばかっり酷い寄せ集めだった。
いつか均等になる事を望んでいた。
筋肉になり、エレミンより可愛い子らが自分を好きになってくれる事を夢がある。
彼の青みがかった髪は切る必要があった。
前髪は昨日に負った怪我をほとんど隠している。
バカな柄が!ケリングや顔に当たっちゃって!!
首に負担をかけずにじっと見つめるよう、エレミンはナダンの顔を引きずり下ろした。
「その目はどうしたの?またケンカしたでしょ!」
爪がナダンの頬に食い込んだ。
「学校は時間の無駄じゃない!!」と口を尖らし姉は言った。
「何でもないや」
ナダンが姉から引き離した。
目は痛くなかったが、周囲の皮膚は痣のキモイ黄青色だったのだ。
美少女に微笑をチラッと出来る顔ではないのだ。
まぁ、美少女であろうとなかろうと、彼に微笑んで欲しい女の子はナダンが知らないんだけど。
憧れの眼差しで剣をじっと見つめた。
「ダーがやったんだよ」
「はぁぁ?ダーの幽霊がお前を殴ったんだ?お前の愚かな行動を掴めたのか」
「違うっ!」
ナダンは顔を歪めた。何で、いつもいつもエレミンがこういうにならなければならない!?
「あの学校は脳みそを掬い取って、長耳野郎のを空の頭蓋に詰め込んだか?
冒険の事だよ。冒険の事。血や骨や、ミン!
ダーが王様の為に宝探しをしていたのを知ってるだろが!!!
それ、お前に上げたんだろ」
銀のチェーンにエレミンの首に掛けていた宝石を突いた。
そのネックレスなしでは、エレミンが何処へも出掛けない。
地下牢で父が宝石を見つけ、十三の夏にプレゼントしたのだ。
ダーが亡くなった夏だった。
エレミンの顔が紅潮する。話しながらワンピースを引っ張っていた。
「ダーにとって素晴らしいお見事だったよね?
トコーは自分ではない事を真似するのは・・・・・・
全く良い結果に住む事はないのよ、ナダン。
決して、ダーは学ばなかった!何故だと思う?学校に行かなかったからだよ」
「ケリングや学校に通う事で、自分を偽っているんだろ。それとも先生の耳に気づかなかったのか?」
「それは違うの!」
そっけない口調で答えたエレミンが、気をつけないと服に穴が開きそうだった。
「で、罵るな」
「仕えているハルジャルの領主ーー」
「違うって言ったでしょ。もういい加減、ナダン」
両腕を宙に上げて後、ナダンが台所にドスンと向かっていた。
「始めたのはお前だろ。フンや」
食器棚の扉をバタンと閉めた。
「文句を言うのは勝手だが、明日の授業には出席するのよ。
そこまでに引きずり連れてーー」
ドアを叩く音がエレミンの脅しを遮った。
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