分かってる、欲しいんでしょ
「ところで、領主の方はどうなったの?」
「そっちは俺から話そう」
ギルドマスターが俺たちに近づきながら、話に入り込んできた。
「そちらにも既に影響出ているのか?」
領主改め、元領主がギルドマスターと会話し出した。
「あぁ、うまいことやられたよ。
今は1番小さかった南支部1箇所だけで運営が許可されて、他は全て接収、そのまま公営化されて業務自体は今まで通りってやりやがった。
おかげで冒険者から不満がでねぇ。
職員もそのまま向こうに採用された奴もいて、もちろんこっちに情報流すために敢えて向こうに行かせた奴もいるが行った奴も残った奴もどこまで信用出来るか分からねぇ状態だ」
「昔やったような思い切った事は出来なさそうか?」
「大義名分が難しいな。
完全に締め出したわけじゃねぇ、冒険者も蔑ろにしてるわけじゃねぇ、表面的には冒険者好きな方の組織選べるしな。
ここで暴れたら、野盗扱いになるだろうな」
「あの男1人で考えた案じゃないな」
「誰かついてるな。
今回の騒動も用意周到だった。
行方不明から、自分の代行宣言、その後の人事と冒険者ギルドの扱い。
あっという間にこの国を掌握してしまった。
相当ヤバい奴が後ろにいるぞ」
「この先冒険者ギルドはどうするんだ?」
「爺さんの予想通りになったからな、約束通り大人しくしておくさ。
この村への協力は惜しまない。
俺たちは裏からこっそり支援させてもらう」
「ジジイはどうするつもりなんだ?」
2人の会話が終わったようなので、ジジイに話しかけた。
「ふむ、わしでさえ今回の全貌は分からないでいるからのぉ。
あまり先のことは考えておらんな」
「あれ?ここに戦力集めて取り返すとかしないの?」
「わしはわしの自由になる場所が欲しかっただけじゃからの。
ここも眷属たちを増やした時の為の場所のつもりじゃった」
「元領主は眷属にしちゃったんでしょ?」
「そうじゃの」
「じゃあ取り返した方は良くない?」
「おぬしはどうしたい?」
「それなんだけどさ、俺の父親って戦死したって聞いてるんだよね。
でもさ、ここ最近で戦争と呼べるのって、北の辺境伯がアリシアの故郷襲撃した時だけなんだよね。
あれって、戦闘なかったよね?
じゃあ、俺の父親はどこでどうやって戦死したんだ?って話なんだよ。
その答え次第では、辺境伯とやり合うかもって思ってる」
「あーそれなら北の辺境伯が殺したのを戦死と偽ったんじゃぞ」
ジジイがサラッととんでもない発言してきた。
「…はぁ?なんで教えてくれなかったんだよ!」
「聞かれなかったからのぉ」
そうだった、こいつはそういう奴だった。
最近の行動がやけに優しいから忘れてたわ。
「ちょっと、辺境伯殺してくるわ」
「待て待て、お前が今行って出来るわけ無かろう。
わしの勢力増やすついでに、おぬしの復讐も出来るように鍛えてやる。
結果的に奪還もするから、それで我慢せい」
「…分かった」
こういう時は前世の記憶あると邪魔だな。
激情に身を任せようとしても、冷静に考える自分がいる。
どこかで勝算と打算がちらついてしまう。
「まずはダンジョンを攻略してダンジョンコアを集めるのじゃ!」
「そんな簡単にダンジョン見つからないだろう」
「わしを舐めるなよ、既に何箇所も見つけておるわ!
まずはお前はアリシアと一緒に出来立ての植物ダンジョンに行ってこい。
ボスはブルーアマリリスという魅了系のスキルを使う植物系のモンスターじゃ」
「2人!?流石に少なくないか?」
「それで攻略出来る程度のダンジョンじゃ、他のものにも全員行ってもらうからのぉ。
まずは魔素の回収じゃ!」
なんだか、ダンジョン巡りをさせらるらしい。
歌詞




