ここで働かせてください
目が醒めると知らない場所にいた。
「ここはどこだ?」
「パパー!」
いきなりリンカが抱きついてくる。
おーリンカ、人の形になれたんだ。
頭を撫でてやると、凄い勢いで部屋から出ていった。
「よお、目が覚めたか、無茶しやがって」
ガヴェインが水筒を渡してくれる。
「手足奪ってじっくり倒す作戦が出来なかったしね、あの瞬間では最善手だったと思うよ」
貰った水筒で乾いた喉を潤しながらこたえた。
「最悪、死んでもお前だけだしな」
「中からあれだけ削れば倒せるもんね」
「お前が死なないよう必死に攻撃したこっちの身にもなりやがれ」
「俺が生きてるって事は無事に脱出出来たんだね」
「無事ねぇ、まぁ、怪我してないって意味でなら無事だわな」
「なんか含みある言い方だね」
「これを見やがれ、このやろう」
ガヴェインがはだけると、ガジュマルの紋章が入っていた。
「おっさんも寄生されたんだ」
「うるせぇよ、お前治すのに必要って言われたんだよ」
「ぜってー嘘、騙されてやんの」
「笑ってんじゃねぇよ」
ケラケラと笑ってたら、ゲンコツくらった。
「イッテェ………ありがとな、正直今回は死ぬかなってちょっと思った」
「奇遇だな、俺もお前が死んじまうかもって思ったわ」
「もっと簡単に行けるかなぁ思ったんだけどなぁ」
「お前の見込みは大体甘いんだよ、ん、そろそろ交代だな、またな」
そういうと部屋のドアに向かう。
入れ替わるようにアリシアが入ってきた。
後ろにリンカが付いてきてるから、リンカが呼びに行ってくれたんだな。
そしてその表情は、怒ってらっしゃる。
「…死んじゃうかと思った…」
「いやぁ、ダンジョンを潜るように言ったのは俺だし、勝てないと脱出出来ないし」
まともに彼女の顔を見れない。
「無茶な事するなって言っても、どうせ聞いてくれないだろうし」
「あ、いや、無茶するつもりは無いんだけど、仕方がなかったというか…」
「良いです、諦めました。
その代わり、どこに行くのでも絶対私を連れて行ってください!
私じゃ頼りにならないかもだけど、一緒に居させてください!」
「え!あ、えっと、はい」
上手く反応できない。
おかしいな人生経験豊富だったはずなんだけどな。
「にゃ、2人してちちくりあってないで、みんなで会議にゃ」
「ちちくりって…」
アリシアの顔が真っ赤になる
「お前、言い方あるだろう!」
メイシアが思いっきりあっかんべーをしながら出て行った。
建物の外に出ると、そこは村だった。
建物は最近建てたように新しくて立派だけど、人の気配がない。
なんかちょっと不気味な雰囲気な場所だった。
「凄いでしょ、これ全部ファイファー達が建てたのよ」
「てことは、あのダンジョンの所の村か?
レッドキャップいた」
「そうだよ、見違えたでしょ」
「この前の話だと、ここってダンジョンになってるんだっけ?」
「うん、ガジュマル様がいずれ辺境伯に領主の座を取られるって予測してて、その時の避難場所として用意しておいてくれたの」
「ふーん、そこまで分かってるなら阻止しろよって思うけどね」
そんな話をしながら、村?の中央の大きな屋敷に入っていく。
入ってすぐ広間になっており、そこに三元豚を含めた元疾風隊、宰相、領主、ガヴェイン、そして空中に浮いてるジジイがいた。
「ふむ、全員揃ったの、では始めようかの」
ジジイが偉そうに話し出した。
「なぁジジイ、おっさん達を眷属化するのはやりすぎじゃねぇか?」
「お前が不甲斐なからこんな事になっとるんじゃ、クソガキ」
「どういう意味だクソジジイ」
「おぬしを治すのにどれだけ魔素を消費したと思っっておる、おかげで魔素に余裕が無くなったから、こやつら全員使って魔素回収しなければダンジョンの維持どころかワシの維持も危うくなるわい」
「え!俺そんなにやばかったの?」
「攻略したアンデッドのダンジョンのコア利用してここに強制的にこちらに召還して、ワシが世界樹の葉を作り出し、エリクサーにまで精製して、なんとか助かったってところじゃ」
「すいませんでしたぁ!」
全員にジャンピング土下座した。
「いや、俺たちもそれだけ不甲斐無かったって事だから」
領主がそう応える。
「結局、お前に無理させてしまったんだからな、俺たちの方が謝らないとならない」
ユルゲンもそう続く。
「いやいやいや、俺がもう少し考えていれば」
「あーもう良い!誰が悪かろうがどうでも良いからお前らしばらくダンジョン巡りせい!
ダンジョンコアを使ってそのダンジョンの魔素抜き取るわい」
「はい!誠心誠意働かさせていただきます!」
俺は土下座のままそう返事をした。
ゆじーじって感じです。




