1人じゃできないもん!
「んーぜんっぜん分からん!」
俺、ガヴェイン、ユルゲン、領主、あと意外に脳筋側のエレオラは既に考えることを放棄してた。
違いがあるのは、なんとなく感じるんだけど、どこって言われるとはっきりしないんだよなぁ。
「パーパー!」
既に数えるのを辞めるくらいパッチワークゾンビを倒してる時、いきなりリンカが飛び出してゾンビの破片に飛びついた。
「ん?どうした?お!動いてるな、攻撃すれば良いのか?」
リンカがコクコク頷くから、破片をぶん殴ったら魔素に還った。
と、同時にこいつの残りの部分も魔素に還る。
「お!もしかしてなんか弱点みたいのある?」
「ぱーぱ」
めっちゃドヤ顔してるっぽい動きをするリンカ。
鳥状態だからイマイチ伝わりづらい。
リンカが何か見つけたらしい。
「アリシアー、なんかリンカが見つけたっぽい」
「リンカちゃん偉いねぇ、何見つけたのかぁ?
うん、うん、なるほど、へぇ」
「なんか分かった?」
「うん、パッチワークゾンビにはどうやらコア的なものがあって、結合の発動はそこから起こるみたい。
目に光属性付与したら、見えるみたいよ」
へぇ、やってみよ。
目にだけ光属性を付与してみた。
おー!なんか見える!
しばらく戦闘に参加しないで観察してみた。
分かったのは
コアは動く。
危機を察知してるのかなってくらい、攻撃される寸前にガッ!って動く。
コア無し+コア無し、結合しない。
コア有り+コア無し、結合する。
コア有り+コア有り、結合してコアが1つに融合する。
ぶん殴ってバラバラになった時に、コアのある部分を殴って潰すと1体分丸ごと魔素に還る。
結合すると、結合できなかった部分が魔素に還る。
コアの有る部分は潰されるか、結合しない限りその場に残る。
2つが融合したコアは更に結合出来る。
そしてちょっと大きくなって強くなる。
「もしかして、ボスはコアの融合を繰り返した奴じゃない?」
「あり得るにゃ」
その後も色々実験した。
10体くらいコアを融合させると、コアを一撃で潰せなくな。
細切れにして、1つ結合すると残りが結合できなくなる。
「なんとなく攻略方法見えてきたね」
最終的な打ち合わせをして、ボスに向かう。
予想通り巨大なパッチワークゾンビだった。
「コアは1つだね」
「じゃあ、打ち合わせ通り行こうか」
エレオラが真っ赤な大剣を肩に担いでボスに駆け出す。
それに合わせて全員が分散していく。
「オォォォ」
ボスゾンビの雄叫びに合わせて周囲の魔素が凝縮しパッチワークゾンビが現れる。
「想定の範囲内だ」
領主がそう良いながら、周囲の雑魚を切り裂く。
領主とメイシアが雑魚担当。
俺、アリシア、宰相がコアの有る場所を指示しながら雑魚にトドメ。
エレオラ、ユルゲンがボスの腕や足を本体から切り離す。
ガヴェインがそれを更に切り刻み、1番小さいのをボスに投げつける。
結合を止めるのは難しいので、あえて小さいのを結合させて削っていく作戦だ。
これのメリットは単純に相手のHPを削るのも有るけど、結合したときの形がイビツすぎて相手がすぐ動けないってのがある。
有る程度経つと形と整えて元の形に近くなるけど、それまでのタイムラグを利用して別の場所を切り離す。
結合した時点で、ユルゲンの技が切れてしまうので、ガヴェインの結合させるタイミングが意外に難しいけど、今のところこの作戦は上手くいっている。
「だいぶ小さくなってきたな!」
ガヴェインが子供が見たら泣くんじゃないかっていう笑い顔でそう言ってきた。
「オォォォ」
ボスがもう一度雄叫びを上げた。
「雑魚をどんなに呼ぶ出したって無駄なんだよ!」
そう叫びながら、先ほどの雑魚担当が処理に向かう。
「危ない!」
エレオラの叫びで俺が咄嗟に横に飛んだ。
俺のいたところに太い、前世の放水ホースを彷彿させるものが雑魚ゾンビに向かっていき絡みつく。
その瞬間その雑魚ゾンビから針が生えたのかと思うような細い何かが一斉に伸びていき、周囲のゾンビに突き刺さる。
なんだ?何があった?
「くそ!こいつ急に早くなった!」
ユルゲンの声でボスを見る。
そこには人形ではない、丸くて黒い何かが居た。
そこから伸びたホースのようなものが周辺のゾンビに伸びており、更にそのゾンビから周りのゾンビに黒い針のようなものが生えて刺さってる。
そして周りの雑魚を吸収してしまった。
「私たちは大きな間違いをしてたのかもしれない」
アリシアの呟きが、俺の耳に妙にはっきり届いた。
番組?だったかな




