俺が穴落ちリュースだ
アリシアの部屋をバン!って感じに勢いよく開ける。
「あ、リュー君おかえりー!」
あれ?なんか反応薄く無い?
「メイシアも反応薄かったけど、アリシアももう少し驚いてもよく無い?」
「え!あ、うん、闘技場には何回か通ってたから…」
「あ、俺の戦ってるとこみてくれてたんだ」
「う、うん、あと、それとね」
そう言うと、肩口をはだけて見せてきた。
おおおう!見ちゃいけないと思いながらも目が逸せないぜい!
…って、あれ?なんか、見た事ある文様が………ジジイの眷属の印じゃないか!
「あっちゃー、ジジイの眷属になっちゃったの?」
「うん、色々あって結局あの時のパーティのメンバー全員なったよ。
それでね、ティッキ出てきて」
「ハイハーイ!ティッキだよ!ティーって呼んでね!」
ウチのティーとほぼ同じものが出てきた。
「この子通じて、全部聞いてるの」
あー憑かれちゃったかぁ。
「ん、全部?」
「うん」
カァッて音が聞こえるくらい一気にアリシアの顔が真っ赤になった。
あー、闘技場で俺が暴れた件とか全部聞いてるな。
「リュー君ありがとうね」
「お、おう」
あ、やばい顔が赤くなってるのが自覚出来る。
「ん、んっん!準備できてるのか?」
は!怖いおっさん居るの忘れてた!
「アリシアどうなの?」
「うん、事前に聞いてたから必要なものは全部アイテムボックスにいれてあるよ?」
「よし!じゃあ脱出だ!」
「どんなプランで脱出する予定なんだ?」
「ん?」
「いや、ん?じゃなくて、お前はここから出るのに正面から突破するわけじゃないだろ?」
「え?」
「おいおいおい、まさか正面突破する気だったんじゃないだろうな?」
「俺を誰だと思ってやがる!無理を通して通りを吹っ飛ばす!」
「バッカじゃねぇの?お前何も考えないで突っ込んで来たろ?」
「うっ…そ、そ、そ、そんな事無いもん!」
「目逸らすな、変なノリで遊びな!時間ねぇんだからよ!
ああ!もう!俺についてこい!」
「おう!任せた!」
なんだかんだで、このおっさん世話焼きで良い人だよな。
顔はどう見ても犯罪者だけど。
「とりあえず、裏門から出るぞ、お前はとにかく気配消せ!嬢ちゃんだけならなんとでも言い訳できる」
「分かった」
そのまま、ガヴェインについて行く。
さすがここの近衛騎士をやってるだけある。
人の居ない経路を選んで進んでいくので、誰にも会わない。
「ん、お前らちょっと陰に隠れてろ」
そう言うと1人でスタスタ曲がり角を進んでいく。
「おう!ご苦労!」
「あ、お疲れ様です。
どうしたんですかこんな所に」
「あーちょっと気になったあってな、ちょうど良かった俺の代わりにちょっと次の演習に使う矢の在庫確認してくれないか?」
「えー今からですかー?」
「ああ、すまん、報告は明日の朝で構わないんで、頼むよ」
「もー今度飯奢ってくださいね」
「おー、任せておけ!なんか美味いもの食わせてやるから、頼んだぞ」
「しょうがないなぁ」
兵士は別の方向に去っていったようだ。
「もう良いぞ、進むぞ」
「へー人徳あるんだね」
「まぁな!これも日頃の行いって奴だな」
「見た目とのギャップが大きいのも影響してるんだろうね」
「お前、ちょいちょい失礼だよね」
「まぁね、これが俺の日頃の行いだしね」
あそう言ってニカッて笑ったら、笑い返してくれた。
この人見た目以外はホント完璧だな。
「警備とか全然してないんだね」
くだらない話をしているうちにあっさりと居館から脱出できたので、そのまま冒険者ギルドに向かう。
「そりゃあ、今警備の対象になる人居ないからな、当然気も緩むさ。
さ!急ぐぞ!お前たち着いて来い!」
と言う事で全員駆け足になる。
「待って!置いてかないで!」
しばらく走ったら、おっさんが乙女みたいな事言い出した。
「だらしねぇなぁ」
俺もそうだけど、アリシアも相当魔素取り込んでいるらしい。
想像以上に俺の走りについて来ていた。
ふらふらになったおっさんを引き摺るように冒険者ギルドに連れて行き、ギルドマスターに戻って来た事を伝えてもらう。
「早速だが、お前たちで領主の救出に行ってもらえないか?」
ギルドマスターが応接室に来たかと思えば、挨拶もそこそこにいきなり本題に入った。
「えージジイの話なら俺たちが行っても早くは戻って来れないって聞いたんだけど」
「それなんだが、そもそもの救出の人員を集めるのが困難になっている」
「どういう事?」
「救出に行ける程度の実力のある冒険者が軒並み中長期の依頼を受けていた」
「誰もいないの?」
「そうだ、偶然にもその全てが北の辺境伯の息のかかった貴族という不思議な現象も起きている」
「うわぁ」
「しかし、無理矢理でも違反でも無いため取り締まるわけにもいかない」
「あちゃー」
「更に北の辺境伯が、探索部隊と称する少数精鋭の部隊を派遣するという未確認情報もある」
「わちゃー」
「なので、大至急誰か救出に行かなくては行けない状況だ」
「ほえー」
「…お前、真面目に聞く気あるか?」
「え、どうせ行くしか無いんだから状況とかどうでも良いかなって思って」
「メンバーとしては、エレオラ、メイシア、お前の3人を考えている」
「あれ?ぶt…猪獣人の3人は?」
「今は別の要件で出払っている
「そうなんだ」
「おい!俺も行くぞ」
ガヴェインが横から口を出す。
「ありがたい、よろしく頼む」
まぁ、ギルドマスターも、最初からそのつもりだから一緒に話聞かせたんだろうね。
「あ、私も言って良いですか?」
アリシアがおずおずと手を挙げる。
「…危険だぞ?」
「はい、覚悟してます」
「お前は連れて行くで良いのか?」
俺に向かってギルドマスターはそう聞いてくる。
「ん?最初から連れて行くつもりだけど」
現状、何処にいるよりも俺と一緒にダンジョンの中にいる方が安心できる。
「なら、構わないぞ」
「ありがとうございます!
リュー君もありがとうね!」
おっと、テンションが上がってしまった。
その勢いで依頼開始だ!
穴に落ちてくるぞ!
アニメのセリフ




