俺の名前を言ってみろ
さて、ターゲットは決まった。
俺は満面の笑みで2人を指差した。
あ、顔が引き攣っている。
お前ら勝てないからって今まで散々狡い嫌がらせしてきたもんな。
残りの2人も察したらしく、様子見してる。
そうだよね、このまま眺めていれば自分たちは生き残れるもんね。
さぁ、ランキング戦という名前のお仕置きタイムの始まりだ!
「ま、待て、話し合おう!」
「あのさ、ランキング戦でこうなる事くらい予想出来なかったの?」
「むぐっ」
「俺の名前をお前らの心に刻み込んであげるよ。
トラウマとしてな!」
ひゃっはー汚物は降格だぁ!
あれ、俺がなんか悪役っぽくなってしまった。
ま、いいか、正義の味方になるつもりないし。
いつも以上に粉々に砕きました。
ボンクラです、戦闘で勝ったのに皆んなの視線が冷たいです。
ボンクラです。
ジジイのおかげで散々魔物と戦った上に、毎日クレーマとの決闘。
この日常は俺を強くした。
40位まですんなり上がった。
初戦の砕きっぷりで皆んな引いてたとか、お前の勝ちで良いからこっちくんなとか、クレーマに俺が近づこうとすると全力で逃げたとか、そういう事は些細な理由でしかない。
俺は強くなった!そうに違いない!
寂しくなんかないもん!
どんな理由であれ、体力温存出来て良かった。
もちろん指名相手はギーザですよ。
「さてっと、始めますか」
ギーザに向かって満面の笑みを向ける。
「待て、負けを認める、降参だ」
おいーーーーーーー!
「へ、戦わないの?」
「当たり前だ、わざわざ骨折られて痛い目にあう必要ないしな」
「闘技者としてのプライドとかそういうのは?」
「あいにくクソの役にも立たないものは持たない主義でな。
少しでも勝てるように用意した物はお前には意味なかったみたいだしな。
俺は勝率の無い戦いには参加しない主義だ」
「なんかカッコいい感じで言ってるけど、多分めっちゃ皆んなにバカにされるよ」
「したい奴にはさせておけばいいさ、ま、そいつの実力がバカにできるかどうかは試させて貰うけどな」
「なんか、思ってたよりサッパリした人なんだね」
「合理主義と言ってくれ、おい審判!降参だ俺の負けでいい」
そう言うとギーザは、飄々とした態度で控え室に戻って行った。
観客からはブーイングの嵐だったけど、なんとも思って無いらしい。
ある意味カッコいいな。
という事であっさり21位になった。
上への挑戦権貰えるって事なので11位の人に挑戦する事にした。
「おい、ブルームと戦うのか?」
なんか審判の人に11位の人と戦うって言ったらこんな事言われた。
「はい、え?ダメなんですか?」
「いや、ダメじゃ無いけど…いや、本人の希望だしな、久々にあいつが人と戦う所見れるのか」
「え?どういう事ですか?」
「11位の人間の特権でな、下の順位のやつが挑戦してこなかった場合、10位との入れ替え戦を放棄出来るってルールがあってな、皆んな挑戦しないしあいつは上に挑戦しないから、いつも戦わずに終わるのよ」
「へぇ、じゃあ、日頃戦わないんですね、身体鈍らないのかな?」
「本人に聞いてみな」
意地の悪い笑顔と共にそんな事を言われた。
という事で、11位との入れ替え戦。
あ、この人、いっつも乱闘になると怪我人を処置室に連れて行ってくらる人だ。
スキンヘッドに上半身は毛皮のジャケット、革パンツの巨大な人。
武器は冗談みたいな大きさのバトルアックス。
あれ振り回すとか洒落になんねぇ手加減するとか無理だろアレ、そりゃ皆んな対戦しないわ。
当たったら即終了でしょ。
「あ、質問あるんですけど、良いですか?」
「なんだ?」
「ブルームさんってハーフジャイアントなんですか?」
「ほお、よく分かったな」
「あ、知り合いにハーフジャイアントの人いまして、やっぱりヒヒイロカネって興味あります」
「あぁ」
あれ、雰囲気が変わった。
なんていうか、闘志がブワって出て来た感じ?
「俺が勝っても仲良くしてくれるなら、知ってる事教えますよ」
「…そうか、俺が勝っても仲良くしてくれな」
鬼のような形相でニィって笑った。
歯が怖いよー。
ハーフジャイアントの人にヒヒイロカネってNGワードだった?
なんか急に筋肉盛り上がった気がする。
「あれ?なんか闘志に火ついちゃいました?」
「そうだな、終わった後に冗談でしたって話なら俺はどんな手を使ってもお前を殺すくらいにはやる気になってるな」
こっわー
「あ、情報は確かなんで、殺すのは無しの方向で」
「そうか、では気持ちよくお前に勝ってその話を聞かせて貰おうとするかな」
「それは無理かもー、俺勝っちゃうし」
満面の笑みで言い返した。
お、戦いのドラが鳴った。
始めなきゃ。
兄から弟より弟から兄の方で




