もう、ギーザ君はしょうがないなぁ
うーん、懺悔するは格好良く無かったかなぁ。
もっと、なんか決めゼリフ的な事言えばよかったなぁ。
目の前でドサッと倒れる相手を見ながら、そんな事を考えていた。
ギーザの提案断ってから、日課が増えた。
モンスター戦の後、対人戦が相手の使命で組まれるようになった。
だいたい、30位〜40位くらいのランキングの奴ららしいけど、こいつら飯時の乱闘にも参加してる奴らなんだよなぁ。
あれだけの集団で来て素手で勝てないのに、1対1で武器持ってとか絶対勝てないに決まってるじゃん。
何が目的なんだろう?
あー、俺の対人戦の動きを見てる?
ちょっと辺りを探ってみたら、ギーザ居たわ。
まだ、棍状態でしか見せてない。
三節棍はしっかり隠してるし。
対人戦では一切魔法使ってない。
こんなんで手のうち明かすわけないじゃん。
なんて言うか、あのギーザって人、やってる事は策士っぽいけど相手が見えてないて言うかズレてるっていうか。
俺頭いい!って思ってるちょっと残念な人ってのが見てた感じの感想だなぁ。
報酬に関しても、もう少し俺の興味ひくものにすればいいのに、相手見ないで自分の頭の中で完結しちゃってるんだろうな。
そんなこんなで1週間経った。
うーん、なんでこんな俺にちょうどいいモンスター調達出来るんだ?
めちゃくちゃ強い相手ばかりなんだけど、絶妙に俺との相性が良い。
毎回苦戦するけど、結果的に勝ってる。
おかげで、結構な量の魔素が吸収出来てる。
で、対人戦なんだけど、相手は俺の飯に1番最初に汚物を入れた男だ。
あれ、割と根に持ってるんだよなぁ。
なんかニヤニヤしてるし。
そして戦闘が始まった瞬間口から何か液体を吹き出した。
汚な!やる事も汚いがそれ以上にこいつの口の中から出てきたのがめっちゃ嫌だ。
本来目潰しなんだろうけど、俺は咄嗟にかわした。
そこに懐から出したなんか丸い物を俺に投げつけてきた。
嫌な予感がした。
全力でバックステップしながら、棍を当てて軌道を変える。
案の定、ものすごい爆発音と衝撃が来た。
あっぶねぇ、殺傷能力高すぎだろ、良いのかこんなもの使って。
あ、観客がめっちゃブーイングしてる。
やっぱりダメな奴なんだ。
あれ?追撃来ないな。
あ、向こうも唖然として動き止まってるわ。
「ま、待ってくれ、俺もこんな威力有るって聞かされてなかったんだ!」
俺が近づくと言い訳しだした。
「どうせギーザでしょ?これ使えって言ったの」
「そ、そうだ、こんな物一歩間違ったら俺まで死んでたかもしれない」
「そうだね、でも今はそういうの関係無い空気なんだけど」
観客は相当不満だったらしい、コ・ロ・セ、コ・ロ・セって叫んでる。
運営側も首のところで親指を横に動かして、首切りのジェスチャーしてる。
「ま、待て、待ってくれ!俺はお前に付く!だから!殺さないでくれ…」
顔が真っ青でガクガク震えている。
まいったなぁ、こういうのって勢いないとやれないよなぁ。
うーん。
思わずため息が出た。
俺はエアースピーカーを使って観客に向かって話しかけた。
「みんなぁ!いまここでコイツを殺してもつまらなくねぇか!
俺は約束する!毎日コイツを指名して、毎日コイツをここでボッコボコにする!
こういう卑怯な奴は殺すよりもっと辛い目にあってもらおうじゃねぇか!」
俺は小声でコイツに
「死ぬよりはマシだろ?」
って伝えた。
「すまん恩にきる。
俺の名前はクレーマだ」
なんか、いちいち文句言って来そうな名前だなぁ
その日の午後からちょっと今までと変わった。
なぜか魔物戦に一緒にクレーマが参戦するようになった。
そしてその分対戦相手の魔物が強くなった。
足手まといが増えて、敵が強くなるって何の罰ゲームだよ。
そしていつもの対人戦、終わったら俺の指名でクレーマをボッコボコ。
いっそコイツ殺しといた方が良かったんじゃないだろうか?
国民的なタヌキのセリフ




