だが断る!
ランキング戦から1週間経った。
相変わらず、朝昼晩の飯時の乱闘は続いている。
それでも寝る前にいちいち乱闘しなくて良くなった分ましだ。
そんな事よりも1日2回の指名戦だ。
グレード上がりすぎじゃね?
先週までゴブリンとかだったのに…。
「さぁ、.今日の相手はダイヤモンドタートルだぁ!」
何やら風魔法で声を拡張したアナウンサーっぽいやつが、俺の戦闘を煽ってる。
俺の目の前にいたのは、前世のマイクロバスくらいのサイズのクソデカい亀だ。
ご丁寧にアナウンサーが表面の透明な甲羅は魔法を跳ね返し、物理攻撃をものともしない最強の守りなんだって叫んでるよ。
こんなの1人で倒す相手と違うだろ!
「さぁ!この火縄が灯された!これが燃え尽きるまでに倒さねば負けになります!
ランキング降格を賭けての大勝負!とくとご覧あれぇぇぇ」
制限時間とか聞いてねぇよ。
攻撃出来る部分は少ない、とりあえず頭ぶん殴ってみよう。
あ、やっぱり甲羅の中に引っ込めるんだ。
マジ亀のまんまなのね。
んじゃまぁ、足引っ込める前に棍を下に入れて、テコの原理でよっこらしょっと。
「なんとぉ!亀をひっくり返したぁ!これは卑怯だ!正々堂々正面から戦わないのかぁ!」
うるさいよ、制限時間までつけやがって、お前らが盛り上がらないとかいちいち気にしてられるか。
とりあえず、砕属性付与して甲羅割だ!
裏側まで跳ね返し出来ないでしょ。
あっさり割れたんで、雷属性付与して割れた隙間へ棍を突き刺す。
外側が硬い分、中は脆いってのは、こういう時でも通用するもんだね。
あっさり魔素に還っていく。
魔素吸収出来たって事は相当強い魔物だったなこれ。
しかし、どっからこんな強い魔物調達してきたんだ?
午後の魔物はメタルオーガとかいう真っ黒なオーガだった。
もう硬い硬い、雷属性が弱点じゃなかったら制限時間内に倒せなかったかもしれない。
そして、晩飯。
あいも変わらず乱闘してくる。
俺も変わらず向かってきた奴は全員骨を折ってやる。
最近は慣れてきて、上手いこと砕属性使ったりして効率よく相手の骨を折る方法が分かってきた。
個人的にはいかに素早く折れるかのタイムアタック的なノリで乱闘してる。
あと、嫌いな奴の食べ物のトレイを確実にひっくり返すか中身を奪うのも俺的なノルマにしてる。
「おう!相変わらず元気だなぁ」
そう声かけてきたのはランキング21位のギーザって奴だ。
「なんだ?お前もこの騒ぎに参加するのか?」
いつでも動けるように身体を弛緩させる。
後ろから仲間の攻撃もあり得る、ティーにこっそり見晴らせる。
「はっはっは、骨折られたら痛てぇからな、そんなもんには参加しねぇよ。
それより俺と組まねぇか?」
50位から上のランキング戦は、それまでと少しやり方が変わってくる。
まず45位から50位までが戦い、下位2名を決める。
この2人が入れ替え戦のメンバーになる。
残った3名に40位までが加わり、8名の中から上位1名を決める。
ここからは指名戦になる。
21位から39位まで好きな相手と戦える。
指名をする、受ける、どちらでも良いから1度でも戦えばそれ以上は戦う必要がない。
どちらかで最低1度は戦わなければいけない。
指名した方は勝てば入れ替え、負ければ現状維持。
で、俺に40位で勝ち残って、ギーザを指名して俺がわざと負ける。
それでギーザは何もしなくてもランキング維持出来る。
そういう事らしい。
「見返りは俺が口きいて、この馬鹿げた乱闘を終わらせてやる」
だとさ。
なんでも、いつもこの八百長やってた相棒が前回のランキング戦で下に落ちたらしい、そいつが俺に勝てそうもないから俺に話を持って来たそうな。
ふーん。
「悪いけど、俺はもう少し上のランキング行きたいから、その提案には乗れないわ」
だが断る!このリュース最も好きな事の1つは、自分が強いと思ってる奴にキッパリと断る事だ!
このネタ通じないだろうから、心の中だけで言っておこう。
「そうか…後悔するぞ」
なんて、テンプレな、ザ悪役なセリフ言ってるよ。
ここはカッコよく返さないとな。
「そんときゃ、懺悔するさ」
どうだ!これカッコよくないかな?
アレ




