心頭滅却すれば火もまた涼し!出来ないけど。
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なんとか、間に合った!
倒しきれないうちにキングと戦闘とか嫌すぎる。
ギリギリセーフ!
奥の扉が開け放たれ、2匹のどデカいレッドキャップが出て来た。
一際デカい長方形の板みたいな剣を持ち、トロルの様なブヨブヨの体躯に頭には3本で言われれば冠にも見えない真っ赤な突起。
それが2体。
戦闘後の休憩とか一切ないまま、1番厄介な奴らとの戦闘が始まった。
事前の打ち合わせ通り、俺が1体、残り全員でもう1体を受け持つ。
三元豚のブラックストリームアタックはこういった、ボスキャラ級の奴には効果が薄い。
さっきの完全体でも俺が居なかったらジリ貧だったのに、それよりデカくて強い奴には現状では使わない方が危なくない。
メイシアが遊撃的な立ち位置で牽制しながら周り込み、ターゲットを取る。
三元豚が相手に集中させない様に多角的に攻撃する。
そしてエレオラが一撃離脱を繰り返してダメージを重ねる。
その間俺は残り1体を相手どり分断するという役割だ。
「ンゴガァ!」
激しい方向と、ドゴンという鈍い音で床が陥没する。
相手に攻撃をまともに受けたら、とてもじゃないけど持たないのでとにかく避けて躱して、時間稼ぎをしなければいけない。
向こうもメイシアを攻撃するたびに床が破壊されていく。
「ッチ!」
数回キングの攻撃を躱したところで、思わず舌打ちをした。
床が破壊されることで、みるみるうちに足場が悪くなっていった。
メイシアの周り込みも、三元豚の牽制も、エレオラの一撃離脱も、移動が安定していないと一気に精度が落ちる。
俺も基本的に軽戦士型の戦い方をする。
武器が三節棍時だし、一撃の重さよりも手数重視な動きと攻めになるのは必然である。
キングがニヤァっと挑発的な笑みを浮かべた。
…コイツ、分かってやってるな。
このメンバーならバレてもそんなに文句言わないだろう。
俺は武器に属性を付与して攻撃することにした。
明らかに残りのメンバー側も手こずっているから仕方がない。
ちょっと1人で倒すには荷が重い気がするけど、そんな事言ってられないし。
相手が攻撃してくるところを躱してカウンター気味に相手の手を狙う。
込めている属性は火と光の複合魔法の撃属性。
火と風の炎属性より貫通力が高いのが特徴。
武器が打撃武器なので相性はあまり良くないけど、突きによる点の攻撃だと、こちらの方がダメージは通るはず。
クソッ!手ごたえはあったんだけど、武器は手放さなかった。
すぐさま反撃が飛んでくる。
俺は長期戦になるのを覚悟した。
「ハァハァハァハァ」
マズイ、息が上がって来た。
確実にダメージは与えている。
自然回復する様な面倒な特性も持っていない。
しかし、倒せない。
ただただ単純にタフで硬いだけの存在が本当に厄介だ。
向こう側も同じ様な状況になってる。
移動を阻害される事のハンデが俺以上に大きいメンバーだからむしろ向こうのほうが厳しいかもしれない。
「作戦変更だ!いつでも逃げれる様準備してくれ!
「分かったわ!」
メイシアの語尾からにゃが消えた。
向こうも相当キツイんだな。
「アリシア!」
「はい!」
返事と共にクリエイトウォーターを連発する。
それと同時に俺以外の全員が出口から逃走をはかる。
いきなりの行動に向こうの反応が遅れた。
勝機!
ギリギリまでクリエイトウォーターを発動し続けたアリシアが最後に出口から外に出ると俺はドアを閉め、自身に炎属性の付与を行う。
そして、生活魔法をひとつ発動する。
ティンダー。
ドグワァァン!
とんでもない轟音共に屋敷が破壊された。
部屋の中が信じられないくらいの威力の熱風に晒された。
俺が戦闘中に使っていた魔法が1つある。
土壌改良だ。
これを使って俺は床が壊れて剥き出しになってた地面を別のものに変えていた。
炭化カルシウムだ。
魔法が無くても作ろうと思えば作れる代物だ。
骨や貝殻を焼いて、さらにそれを炭で焼けば作れる。
温度なり純度なり難しい話も出てくるから、実際作るにはそれなりに機材必要だろうけど。
で、俺はこれを使ったカーバイトランプの存在を前世の知識で知っていた。
炭化カルシウムに水をかけて出来たガスに火をつけて照らすランプだ。
非常にシンプルだが、これで出てくるガスはアセチレンだ。
前世では混合物が入っているから臭いがするが、こうやって化学反応だけで作った場合は不純物がないので無色で無臭なガスだ。
アセチレンはガス溶接にも使われるくらい火力が高い。
実際水素よりも爆発力なら上なくらいだ。
それを大量に発生させ着火する。
一応俺は属性付与でダメージ軽減してるけど、相手はそうはいかない。
っていうか、充分過ぎるほど威力が通って、死ぬかと思った。
アイテムボックスに入ってる工房からくすねて来た期限切れのポーションをがぶ飲みしてなんとか意識保っている感じだ。
屋敷が吹っ飛ぶのはちょっと想定外だったけど、かなりヤバイってのは他のメンバーにも言ってあったし、大丈夫…だよね?
大丈夫か?
あ、大丈夫そうだ!
死んではいないっぽい。
だけど、さすがにこれでアイツらも倒せただろう。
それなりに手傷は負わせていたんだし。
目の前では2つに重なったゴブリンキングが魔素に帰っていく。
…2つに重なった?
あれ、アイツらって、そんなに近くで戦闘してたか?
ゴブリンキングが1体魔素に還った。
さすがに強い相手だけに、俺に魔素が吸収される。
他のメンバーはちょっと遠かったらしい。
そして、その下からもう1体のゴブリンキングが現れる。
そう、1体が庇って、もう1体を生き残した。
想定外すぎる!
ゴブリンに助け合いの精神とか聞いてないよ!
クソ!
ヤツが動き出した。
イメージとただの思い込みだけど、キングじゃ無くてクイーンの方だと思う。
なんと無く。
そいつがゆっくりと立ち上がって俺に向かってフラフラしながら少しづつ近づいてくる。
もう少しで向こうも死にそうだが、俺もさっきの爆風でダメージが酷い。
到底立ち上がって対抗する様な状況じゃない。
俺は吹っ飛んで野晒しになった床から土を一掴みして、炭化カルシウムに変更する。
それをエアーボードで三角錐を作ってそこに閉じ込め、ウォータードロップで水滴を落とす。
近づいて来たクイーンに向かって投げて相手にぶつかる直前でティンダーを使う。
ティンダーの射程距離が無さすぎて不発だった
クッソ!
まだ魔力は残っている。
ありったけの魔力で射程距離ギリギリの地面にエアーボードで三角錐を作って蓋をする。
先ほどと違うには全面を覆うのでは無く、地面側はエアーボードがない。
そこにウォータードロップで水滴をを落としまくる。
この際自分のダメージとか考えていられない自分の周囲ギリギリにも作った。
相手がこのトラップに入って来た瞬間、1番遠い所にティンダーを発動した。
「ブババババッ!」
爆竹の100倍くらい鈍い音で爆発音が鳴り響く。
焦ってそこら中に作ったせいで他のも誘爆してしまった。
もちろん俺の周囲も全部爆発した。
やっちまった。
属性付与はまだ有効だったが、威力を全部抑えることは出来なかった。
もう動けない。
クイーンの手が俺の頭を掴む。
俺の頭蓋骨がメキッと軋む音を聞いて、俺は意識を遠くなるのを自覚した。
ことわざパロディ
正確に言うと僧侶の死ぬ前の名言パロディ




