くーる、きっと、くーる。
最近、評価もらえたり、ブックマーク増えたりで、ちょっとテンションとモチベ上がってます。
説明が一通り終わった後、ガヴェインに施設の案内をしてもらえる事になった。
「オークエンペラーの件どうなった?」
あれ、視線そらしたぞ?
「まぁ…それなりにな」
「なんか随分歯切れ悪いなぁ」
「うちのお館様に後継者がいない事は話したよな」
「うん」
「じゃあ、あの方が亡くなったらどうなると思う?」
「え?親戚の人とかがなるんっじゃないの?よく知らんけど公爵っていうそんな階級あったよね?」
「あぁ…ここには公爵って階級ないんだわ、初代様の意向でな、領主が決まったら他の継承権持ちの兄弟姉妹は全員継承権を放棄して平民になるか、どこかの貴族の養子になる。
で、領主に何かあった時の継承権は北、東、南、西の順に辺境伯が持ってるんだわ」
「なんでまた、そんな不思議な風習なの?」
「よく分からないんだが、初代様が自らの建国の時に集まった仲間の恩に報いるとかなんとか。
まぁ、養子として辺境伯に貰われて行くことも多いから、実質的には血は混じってるんだけどな」
「なーんか、嫌な予感するんだけど…北辺境伯が継承権持ってるから厳しく出来ないとか、“そういう大人の事情です!”みたいな事起きてるの?」
「あー、派閥的にも強いんだよなぁ北は…正直今のお館様は人間性は100点だけど、そういう貴族的なお付き合いみたいのはせいぜい50点って感じだしな。
ちょっと革新的な事やろうとして、貴族の特権削ろうとしたりして人気無かったりするんだわ」
「え、何?向こうにはお咎め無しなの?」
「いや、一応あるにはあるんだけど…」
こんな話をしながら歩いていると、向こう側から若い3人組の男が歩いてきた。
なんか昔見た不良高校のドラマに出てくる敵対高校の番長みたいな態度の奴が真ん中にいて、それの腰巾着的なやつが2人って感じ。
しかも、明らかに睨んできてるんだけど。
こっわ、視線合わせないようにして、気づかないふりしよ。
なんで、歩くスピード落とすかなぁ、さっさとすれ違いたいのに。
ガヴェインもガヴェインで空気読んでもう少し早く歩いても良いだろうに。
めっちゃ睨んでる、めっちゃ睨んでる。
「今の奴らが、例のご子息様だぞ」
やっとやり過ごしたと思ったら、そんな事言われた。
「なんか凄い睨まれたんだけど」
「マシューの件で完全にお前の事認識されてるしな、ついでに嫌がらせ失敗した原因な事もバレてるし」
「嫌がらせって、あれ放っておいたらみんな死んでたじゃん!」
「俺らの命の事を考えるような人なら、そもそもあんな危険な事しないだろ。
いや、むしろ、その場のノリでやっただけで、その後どうなるかとか考えてなかったって方がありえるな。
単純に自分の計画した事が上手くいかなかったって事実にイラついてるんだろうな」
「うわぁ、結果を想像できないのに行動力あるタイプって1番厄介なんだけど」
「それで何かあっても親が全部尻拭いしてくれるしな」
「なんでそんなのが、ここに居るの?」
「あ、いや、まぁ、それが一応今回の罰でな、性根を叩き直すために近衛騎士団に編入してしばらく鍛え直すっていうな」
「直せるの?」
「それがなぁ、北から横槍入ってなぁ、第二近衛騎士団ってのが新設されてそこに入る事になってなぁ」
「…ダメじゃん!」
「面目ない」
まぁ、おっさんが悪い訳じゃないしなぁ。
そんな話をしながら、なんか薬品臭い施設に連れてこられた。
「ここはポーション作成の施設だな」
「ポーションって、傷なおしたりするポーション?」
「あぁ、そうだ、戦争があったりすると市場から無くなったりするからな、生産を公営化してウチで管理する事で価格の安定化と備蓄の管理をするってわけだ」
「そういう事するから、俺らんとこみたいな田舎に1本も回って来ないんじゃないの?」
なんか自慢げに言われたけど、田舎の庶民としては、お偉いさんが出し渋るから、ウチらに回ってこないって気しかしない。
「あ、いや、しかしな、戦略的にもポーションの備蓄は必要でな!」
しどろもどろで言い訳するところ見ると、そこそこ自覚あるな。
「言わんとする事は分からないでもないけどさぁ」
ジト目で見返してみた。
「次!次の施設行こう!」
逃げたな。
「さ、こっちは魔道鍛治師の工房だ。
魔鍛治って略される事多いけどものは一緒だ」
「普通の鍛治師となんか違うの?」
「魔素を取り込んだ俺たちみたいな人間用の装備を作る工房だな。
お前もそうだが、魔素を取り込んだ人間が普通の人間用の武器使っても一回で壊れるぞ。
そうならないように魔道を使って強化する事のできる鍛治師だ!
あと、魔物がドロップした物を装備に加工できるのも魔道鍛治師だけだな」
「え?俺普通に槍とか棍棒使ってたけど?」
「お前が使ってたのは魔物のドロップ品だろ?
そうじゃなきゃ、すぐに壊れてたよ」
「そうなんだ、知らなかった」
「魔道鍛治師を管理して、装備の流通をこっちで抑えるってのも、今のお館様の新しい方針でな。
冒険者ギルドかうちから直接でしか、こういった特別な装備は出回らないようにしているんだ」
「なんか抜け道多そうだけどね」
ちょっと考えただけでも、幾つか思いついたよ。
「いや、まぁ、まだ始まったばかりだしな」
ここの領主のやりたい事はなんとなく理解したし、悪くない発想だけど、周りがどう考えるのかなぁ。
そんな話をしながら工房に入る。
「おう!例の坊主連れてきたぞ」
ガヴェインのおっさんが、毛むくじゃらのおっさんに話しかける。
いかにもファンタジーにいる鍛治師って感じだ。
「おう、例の武器の付属品が来たか」
「誰が付属品だ!」
思わず突っ込み入れてしまった。
「なんだ、聞いてないのか?
お前が所持していた武器は300万ゴルド、お前自身は1000ゴルドだったんだぞ、どっちが付属品かわかるな」
ぐぬぬぬ、言い返せねぇ。
「ほら、お前は槍じゃなくて棍使いたいんだろ?
加工しておいたぞ」
槍の穂先が無くなって、ただの棒になった。
「おっさん!これ加工じゃなくて、穂先外しただけじゃねぇか!」
「誰がおっさんだ!それにな、そんな芸のない事する訳ないだろ!生活魔法は使えるって聞いてぞ、ちょっと魔力をそいつにこめてみろ」
よく分からないけど、言われたままに魔力込めてみた。
ジャラって音と共に棒が三分割されて、それが鎖で繋がっている。
あ、三節棍だこれ。
「使いこなせば相当面白い武器になるはずだ。
もう一回魔力込めれば棒状に戻るぞ」
もう一度魔力を込めると元の棍に戻った。
やばい、顔が綻ぶ、やべぇ、めっちゃ楽しそう!
「おっさん!ありがとう!」
「俺はまだ26だ!おっさん、じゃねぇよ!」
「えええええ!」
「お前正直すぎるぞ!俺はバイモンだ!もうおっさんって呼ぶんじゃねぇぞ」
「わかった!俺はリュース!よろしくね!バイモンのおっさん!」
おっと、口が滑った
ホラーの歌のやつ、本当はこうは言ってないらしい




