とある冒険者の憂鬱
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「&※〆£€$\<〒※!!!」
メイシアは宇宙人にでもなったような訳の分からない奇声をあげた。
「意味がわからない、本当に意味がわからない」
エレオラも動揺したのか同じ言葉を繰り返すだけになっている。
2人の声はこれでもかって言うくらい大声になっていた。
「おいおい今度はこっちか?何があった?」
ガヴェインが慌てて彼女らの方にやってくる。
「こいつが罰金払えっていうにゃ!しかも1000万ゴルドっていうにゃ!」
門番をしている衛兵の横にいる男を指差しながら
「私らクラスだって、寝ないで働いて1年で稼げるかどうか分からないくらいの金額だよ!そんな罰金どこから出てきたのさ」
エレオラも声量がいつもよりでかい。
「うわぁ」
ガヴェインだけは、メイシアが指差している男を見て思いっきりテンションを下げていた。
目の前にいるのは徴収官だった。
主に、支払われていない罰金の回収を生業とするものである。
この男が罰金を支払えと言うならば、間違いでもなんでもなく罰金が発生している。
「メイシアさん、エレオラさん、あなたたちはグレゴリ北辺境伯のバラカル攻めに参加しましたね?」
「ちょっと待って、あれはギルドからの正式な依頼で文句言われる筋合いないわよ!」
エレオラが相手の言葉に被せるように抗議する。
「ええ、その通りです。
その後、略奪未遂騒ぎがありましたね?」
「それこそ待つにゃ!私たちは降伏条件を無視したバカ貴族の掠奪を阻止した側にゃ!」
「ええ、その通りです。
辺境伯のご子息の小隊を止める時にいざこざがありましたね?」
「何言ってるの!あれは止めようとした私たちに抜剣したのよ!しかも私たちは素手だったのよ!」
「ええ、その通りです。
ですが、いくら鎧を着ているからって、馬に乗って入る者を投げ落としたり、蹴り落としたりした上に、鎧の隙間から抜き手を入れて肋骨折ったり、関節決めて腕の骨折るのはいささかやりすぎじゃ無いでしょうか?」
「え…いやぁ、でもぉ…武器持ってたし、反撃されるかもしれないし…」
「被害に遭われたのは、辺境伯ご子息1名、子爵家ご子息2名、男爵家ご子息2名、騎士爵ご子息3名の8名、うち6名から損害賠償請求が出ており、略式裁判で可決され罰金刑と決まりました」
「あぁ、もう分かったわよ!払えば良いんでしょ払えば!
私とメイシアで500万づつね、ギルドから借金すればなんとか払えると思うわ」
「何を言っているのですか?
お一人につき1000万ゴルドづつですよ」
2人は全く同じ表情のまま固まった。
現代日本の感覚で言うと、1000万ゴルドは1億円くらいの価値観である。
エレオラもメイシアも冒険者としては全体に30%以下しかいないCランクで相当優秀な部類だが、それでも1000万ゴルドなんて金がそんな簡単にポンと出せるほどは稼いでいない。
収入も良いが、危険な仕事も多いため色々と準備などで支出も多い。
しかも、仕事柄いつ死ぬか分からない部分もあるので、どうしても貯めておくと言う発想にならない。
「「奴隷落ちかぁぁ」」
思わず2人がハモる
「ちょちょちょ、ちょっと待ってくれ!徴収官の…」
「ファーウッドです」
「ファーウッドさん!
ちょっと領主に掛け合うから、徴収を少し待ってくれないか?」
「無理ですね、このまま奴隷手続きさせていただきますので、もしお金が用意できるのであらば奴隷の買い付けという形をお取りください」
そう言って、恭しく頭を下げると、2人の冒険者を連れて行ってしまった。
「あーなんでこんな面倒なことになってんだ!」
八つ当たりをする場所も無いまま、ガヴェインは慌てて領主の城へと向かうのであった
尊敬する有名ラノベ




