爺いの独り言 1
マイペースで投稿していきます。
暑さに弱いので、最近夏バテ気味です。
更新は出来る範囲で頑張ります。
気づいたらわしはそこに居た。
おそらくトレントの異常個体なんじゃろう、ただ、樹とはとても呼べるサイズではない。
動くことも出来なんだ。
それでも幸運だったのは、この場所が妖魔どもの縄張り争いの中心地ということじゃ。
四六時中何かしらが争っており、その時に溢れる魔素やドロップする奴らの一部を掠め取り、比較的安全に成長を続けることが出来た。
あっという間に成長し、進化した。
と言っても、移動できるくらいしか変わっておらんがな。
ただ、ドロップ品を掠め取るのには重宝したのう。
今まで届かなくて諦めていた物にも届くようになったしの。
すぐに2度目の進化まで成長した。
どうやら、わしは魔法使いよりの魔物らしい、魔法を強化するように進化していくのが良いようじゃ。
魔法という明確な攻撃手段を手に入れたので、こちらから襲撃しより大量の魔素を確保できるようになった。
ある日、この場所に出口はある事に気づいた。
ここの魔物はある程度強くなると、そこから出ていくようじゃ。
わしの養分が抜け出ていくのはいただけない。
わしはその出口に陣取り、出て行こうとする奴らを駆除することにした。
進化を何度か繰り返したら、いきなり小さい爺さんの姿になった。
相当強くなった自覚はあるが、問題も起こってしまった。
何をしても成長出来なくなってしまった。
ふむ、困ったものじゃ、とりあえず色々試してみるしかなかろう。
その結果なんとか打開策らしき物を見つけた。
自らが生み出した配下や眷属から魔素を受け取る事は出来るようじゃ。
最初は眷属を作る事にした。
魔物たちに種を植え付け、脳に侵食させ操るという方法を使ってみたんじゃが…
使えん!
まず、大幅にの能力が落ちる。
だいたい元の能力の半分くらいまで落ち込んでいる。
それだけならまだしも、命令せねば何もしない。
食えと言わねば何も食わないのに、食えと命令すれば腹が裂けるまで食う事を辞めない。
あまりにも扱いづらい。
次に、魔物を苗床にして配下を増やす方法を試してみたが、思っていた以上に不便じゃ。
魔物が死ねばそれ以上の魔素は手に入らん。
死なねば、植物の魔物を寄生させたままになぞせん。
ままならん。
次に魔物に紋章を与え、緩やかな束縛と僅かな魔素の供給を試してみた。
今まででは1番ましじゃが、なにせ所詮魔物、言う事を聞かん。
どうにも扱いづらい。
しかも、わしに魔素を供給する分、成長が遅れるせいか思っていたより早く他の魔物に倒されてしまう。
唯一ましだったのは、出口に置いたわしの分体がトレントとして成長したぐらいじゃ
しかし、こいつは移動ができん。
さらにこいつは、1対1ではめっぽう強いが手数が少ない。
まぁ、これに関しては、森の中の魔物を上手く追いやってコントロールして解決した。
1番苦手な数の多い、ゴブリンやコボルトを最奥へ追いやる、コイツらが食い合って強くなった個体は、その次に数が多くそこそこ強いオークやホブゴブリンを追いやって中層に住まわせる事で対処した。
コイツらが強くなった時用にはバグベア、バグベアが強くなった場合はオーガとトロル。
オーガとトロルは単体で徘徊する習性があるのでトレントの良い養分じゃ。
念の為間引き用に個体数の少ないオウルベアを奥の方で徘徊させた。
こんな事をしているうちにあっという間に数百年経った。
そんなある日、とんでもない事が判明した。
なんと、この森ダンジョン化しておる!
しかも、わしがダンジョンマスターになっておるらしい。
どうりで、わしだけココから出ようとしても出れんわけじゃ
わしの魔法で木に憑依して、さまざまな場所に行くことが出来るようになったので、大陸中を見聞きして判明した結論じゃ。
腹が立つ事に、この森は欠陥ダンジョンのようじゃ。
ダンジョンとして完成する前に不完全な状態で成長が止まった未完成なダンジョン。
そのため、ダンジョンを操作するダンジョンコアが生まれず、本来のダンジョンマスターの権能が使えない。
そのくせダンジョンマスターの制限だけは残ると言う忌々しい仕様になっておる。
主な原因はダンジョン形成中になんらかの原因で魔素が不足すると未完成なまま成長が止まるそうじゃ
急激な魔物の進化や異常個体の魔物による魔素の摂取でなる事が多いらしい。
………魔素が不足した原因は、まぁ、この際置いておいて、ここから出られないと言うのが本当に問題じゃ。
とにかく暇なのじゃ。
外の世界を見聞きは出来ても影響は与えられない。
千年も見ていてたら、飽きる。
どこを見ても、似たような事ばかりする。
しかも、わしは見ることしか出来ない。
つまらん。
つまらん。
つまらん。
ある日、この森に1人の人間が投げ捨てられた。
「思い出したぁ!」
まだ子供と思える人間はそんな叫び声をあげて起き上がった。
「ちょっと待てい!どこだここ!」
おお、混乱しておるようじゃ。
「くっそう、意味わかんねぇ!」
どうやら、誰かに嵌められたな。
面白そうじゃ、ちょっと事情を探ってみるか。
「どうしよう」
半泣きになりながら、森に向かう人間を眺めながら。
わしは久しぶりに暇つぶしが出来そうじゃとほくそ笑んだ
特になし
ありがちなフレーズ




