俺のドリアードがそんなに強いわけがない
「この辺から俺は全然知らないんだけど、どんなモンスターいるの?」
なんだかんだでジジイの知識量は半端ない、頼れるところは頼っていこうと思ってる。
「バグベアの領域じゃの、番で徘徊してることが多い、運が悪いと子連れじゃの」
「やっぱり、子供守る為に凶暴になるの?」
「どちらかというとエサの確保じゃな、奴らは子供でもそれなりに強いからの?」
「強さ的にはどれくらい?」
「1匹でオーク5匹は狩れるくらいじゃの」
「群れてたら結構やばいね」
「群れることはまず無いから安心せい」
「バグベアってよく知らないんだけど、どんな魔物なの?」
「ホブゴブリンの進化先じゃの、見た目も似とるが凶暴さが増しておる。
こやつに進化した瞬間に周りにホブゴブリンはただのエサになるの」
「少し思ったけど、もしかして魔物って強くなるほど群れなくなる?」
「そういう傾向が強いの」
しかし、ここの森はずいぶんしっかりテリトリー分けされてるなぁ。
「聞いていい?ここの森のモンスターの分布に爺さん介入してる?」
「ほほう、鋭いの」
「なんかテリトリーが綺麗すぎると思ってさ」
ジジイが上機嫌で笑っている。
棲み分けさせるのは結構な手間なはずなのに、あえてやってるって事は何か意図があるんだろうな。
まぁ、ここを出ていく俺には関係ないか。
さて、ここからの方針どうしようかな?
ティーを育てるのも考えて行った方が良いだろうから、魔素は2匹狩ったら1匹分は吸わせよう、HPは薬草を効能強化して回復できる分だけ、寝て回復するMPは寝る前に残った分を渡せばいいか。
よし!バグベア狩りの開始だ!
数日後。
思った以上に簡単だった。
ティーが見つける、植物擬態使って後ろから近づく、奇襲で1匹倒す、相手が驚いているうちに残りも倒す。
ほぼこれの繰り返し。
「そういえば、魔物ってどうやって生まれてくるの?
普通の動物とおなじ?
魔素から生まれるって聞いた気がするんだけど?」
「どちらからも生まれるぞい、魔素からも生まれるし、動物のように交尾しても生まれる。
一見すると分からないせいで性別が無いとされている魔物もおるが、ちゃんと雄雌の区別はあるからの」
「あぁだから狩り尽くしてもいつの間にか増えているし、時には増えすぎて溢れるのか」
「そういう事じゃ、ゴブリンやコボルト辺りは際限なく増えるからのお互いに食い合っている位がちょうど良いんじゃ」
なるほどねぇ…俺、コボルトの集落潰したけどあれって大丈夫なんだろうか?
ゴブリン増えすぎたりしない?
「おぬしが作った毒池で駆除されるから、大丈夫じゃ」
心読まれた!
「なら良いけど」
その後も順調に狩り続けて、1週間ほどで魔素が吸えなくなった。
棍棒もバグベアの物に変える事ができて、大分強化出来た。
………ティーが全然強くならないんだけど。
毎日、魔素を吸わせて、HPもMPも吸わせて、俺自身がそれでも強化の上限くるくらいバグベア狩ったのに…。
どういう事?
「ティーが強くならないんだけど」
ジジイに文句を言ってみた。
「何を言うとる、物凄く強くなっておるぞ」
「え?どこが?」
「おぬしが森に入ってきた頃の強さを10としよう」
「うん」
「ティーの最初の強さは0.01じゃ、今は1にとどこうとしておる。
なんと100倍も強くなっておるのじゃぞ!」
…想像の1000倍弱かった。
単純に種族特性で森の中で何か見つけるのが得意なだけで、本気で戦力外だった。
いや、まぁ、索敵要員として優秀なのは助かっているんだけど。
これは、戦力となるには途方もない労力が必要っぽい。
今更やめたら今までの分が無駄になるから、育成は続けるけど。
ゴールは遠いなぁ。
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