濡れ手に粟を実践しよう
マイペースで投稿していきます。
さて、ここを拠点に自身のレベルアップをはかろうと決めたまでは良いが、今の所ノープランである。
水飲み場の毒も時間経過と共に薄くなるし、この水をどうやって飲ませるかも考えなければならない。
うーん…とりあえず色々疑問な事解消しておくか。
余計な疑問があるとそっちが気になって集中できない気がするし。
けして目の前の難題から目を背けているわけでは無い。
「質問なんだけど、魔物の残した武器は魔物は食べないの?」
「武器というか、道具類になった魔素は食わんのう」
「なんで?」
「おぬしはそこの岩食うか?」
「食べないよ」
「なぜじゃ?」
「いや、岩だし食べられないでしょ」
「それと同じじゃ、食わんものは食わん、いちいち理由なんぞ考えとる訳無かろう」
「てかさ、そもそもなんで残るの?」
「濃く定着した魔素は分解しづらくなるからじゃな」
「え!じゃあそのうち魔素になるの!?」
「何を驚いておる、おぬしの使っているものだっていずれ朽ちるじゃろうが、それと変わらん」
「それもそっかぁ」
なんか納得した。
「あれ?濃く定着ってめちゃくちゃ定着したら身体全部残るの?」
「残るが、もしそんな奴が現れたらおぬしが100人居てもかなわんぞ」
いい笑顔でムカつく事言いやがって。
「武器が武器吸収するのは?」
「道具同士じゃと取り込めるのう」
「途中で取り込めなくなったのは?」
「おぬしがコボルトの魔素を取り込めなくなるのと理屈は同じじゃ、それ以上取り込んでも強くならなくなると取り込めなくなる」
「話変わるけど、品種改良で変化した植物から種とったら品種改良したまんまなの?」
「無理じゃの、樹木魔法で変化したものは1代かぎりじゃの」
「植物育成で種取っても、元のまま?」
「そうじゃの」
「種を品種改良して、植物育成で成長させたら品種改良した状態で成長する?」
「それは可能じゃの」
「効能強化した植物っていつまで強化されているの?」
「枯れるまでじゃの」
ふーん。
まぁ、会話しているうちになんとなく案は固まってきたけど、どうだろうなぁ、なんかもっと他に良い方法ないかなぁ。
まぁ、考えて行動しないよりも、とりあえず行動しながら考えた方がいいか。
そう思いながら俺はリリーベルの群生地に向かった。
俺は今リリーベルに魔法をかけている。
植物育成で成長を促進して種を採取している。
最初はこのまま持っていこうと思っていたのだけど、嵩張るしめんどくさい。
種でもって言って向こうで発芽させた方が手間がいらないと考えた。
て事で、種を20個ほど握りしめて拠点に戻る。
「ふう、とりあえずこれを植えるかぁ」
コボルトの残したナイフをシャベル代わりに種を植える事にする。
植える場所は水飲み場の水面より少し下の水に浸かっている場所だ。
そこにナイフで穴を開けて種をねじ込んでいく。
そして今、この作業をしているときに重大な事に気づいた。
気軽に持っているが、これでジジイの言ってた植物毒耐性が嘘だったら腕が駄目になるか最悪死んでいると言う事実だ。
やっべー、完全にジジイ信じてたけど、信じる根拠なんもないじゃん!
なんだろう、紋章が付いてから無条件で味方って感情になるけど、どう見てもあのジジイに人間的な優しさはない。
おそらくアイツの基準は楽しいか楽しくないか、面白いか面白くないか、そう言った享楽的な発想だ。
「なぁ?爺さんって俺の味方って事で良いんだよな?」
味方かどうかという疑惑に対する精神的プレッシャーに耐えきれず、本人に質問してみた。
「もう眷属だしの、そう思っても構わんぞ」
「イメージ的に眷属って使い捨ての駒って感じなんだけど」
「あぁ、そう言う心配か、安心せい今のワシには紋章で繋がる眷属はおぬしだけじゃ」
「どういう事?」
「魔素の話をしたじゃろ、あれはワシにも同じ事は言えるのじゃ」
「ん?」
あ、そういう事か!
「爺さんって、そこら辺の魔物倒しても魔素は取り込めないって事?」
「その通りじゃ、今のワシでは伝説だの神だの王だの、そういう言葉が付いてくるような魔物でなければ魔素は取り込めん」
「俺が集めた魔素で更に成長しようって事な」
「そういう事じゃの、まぁおぬしから受け取る魔素は微々たるものじゃからの成長以外の事に使う事になるだろうがの、魔素は成長以外にも使い道があるのでな」
「どんな?」
「今のおぬしに言っても仕方がなかろう、おぬしは気にせんで成長する事だけ考えておけ、弱すぎて簡単にポックリいきそうなんじゃから」
「ふーん、分かった」
確かに生き残れなければ意味ないもんな。
俺は植えた種に品種改良の魔法をかける。
水中でも育つように水に強くした。
あれ?種の方が使う魔力少ない気がする。
軽い発見かも。
次に成長促進で花が咲くまで育てる。
そして、効能強化で毒性を極限まで強くする。
毒池の完成だ。
枯れたら次は無いから俺がここから居なくなればいずれ元に戻る。
なんてエコな毒池だろう。
その池にコボルトのドロップ品の一部を入れておく。
ナイフも特に使い道ないし、可能な限り合成して数を減らした状態で池の中につけておく。
あとは、この池まで誘導するために、集落の入り口からここまでポツポツとドロップ品を等間隔に置いていく。
植物擬態で隠れたら完成。
早速次の日にはオークが10匹ほどやってきた。
コボルトの欠片を競うように取り合いしながら池までやってきて、池の中のドロップ品を見て我先に掴み取り貪り食う。
そしてそのまま死ぬ。
あっという間だった。
そしてこの時点で気づいた。
わざわざここまで誘導しなくて良いんじゃない?
翌朝からは一旦全部池に漬け込んで、前の日に漬け込んだ分を集落の入り口付近に置いてそのそばで擬態する。
今回も現れたのはオークだった、20匹近い集団で撒いていたコボルトの欠片だけでは数が足りなかったので、生き残った数匹はいきなり殴りつけて倒す。
前回と違い石斧を装備していたが、魔素の取り込みで大分強くなったらしく難なく倒す事が出来た。
そして、大量の石斧と幾つかのオークの鼻が転がっていた。
「戦利品あるとなんか嬉しいもんだな」
早速、棍棒に石斧を取り込…めない。
あれ?
石斧に石斧も取り込めない。
「何をしておるのじゃ?」
「いや、石斧が取り込めなくて」
「当たり前じゃろ、それは彼奴らが手製で作った武器じゃ、言うなればそこら辺に転がってる石と木じゃ」
「えー、喜んで損した」
「魔素の塊ならばこんなに残るわけなかろう」
また、面白そうに笑いやがって、このジジイ俺が失敗すると本当に楽しそうだな。
とりあえずここに残しておくわけにもいかないから、石斧は回収して集落の外れに隠しておき、鼻は池につける。
コボルトが無くなったら、今度はオークの鼻を使って別の魔物を呼び込もう。
ことわざパロディ




