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目先の欲にかられて、スーパーハードで転生した。後悔は(ちょっとしか)してない。  作者: 山親爺大将


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鎧袖一触とはこの事か!

マイペースに投稿します

まずは、植物探査。

思ったより目的の植物は近くにあった。

この植物は群生するので行けば必要量は確保できる。

群生の中でも比較的大きい奴の周辺20本ほどに効能強化をかける。

念には念を入れて、魔力が尽きる寸前まで効能強化をかけ続けておいた。

俺が探していた植物はリリーベルという、前世の記憶的には鈴蘭にそっくりな小さい綺麗な花である。

これも妖魔の森にしか生息しない特殊な植物で、父親は狩りの時の切り札的なものとして、この花を潰して水に溶かした液体を持って歩いていた。

俺がもっと小さい頃にこの花を素手で触ってしまったことがあった。

血相を変えた父親に川に連れて行かれて何度も何度も手を洗い、ふやけるまで塩水の入った桶に手を浸からされた。

この花の特徴は猛毒である。

素手で触った手で目を擦れば目が潰れ、その手で何か食べれば確実に死に至るという程で、矢尻にこれの液をつけて倒した獲物は決して食べない、どうしても倒せない相手の時の最後の切り札でしか使わない物だった。

それを極限まで効能強化で毒性を増した。

矢尻につけていたのは、これの希釈液な訳で毒性も強化したわけでは無い。

ここまでくると、手で触るなどという勇気は俺には無い。

周辺の枝や石を使い、かろうじて残っている衣服の切れ端で括りリリーベルを持ってくる。

夜になるのを待って、植物擬態を自身にかけて前回憑依した木のそばまでくる。

コボルトは昼行性で夜目もきかない、しかも松明なども使わないということが偵察でわかっていた。

夜は主に耳と鼻で周りを監視しているようだが、それもそこまで優秀とも言え無さそうだ。

監視している人数も少ないし、真面目に監視しているわけでも無い、俺が侵入した入り口に至っては前回にゴブリン襲撃以降みんな行きたがらないのか、誰もおらずに放置である。

組織としてはかなり杜撰だ。

そのおかげで簡単に侵入出来たのだから、ありがたいと言えばありがたい。

俺はため池のようになってる水場に取ってきたリリーベルを全部沈める。

明け方くらいには、たっぷりエキスが混ざって居ると思う。

そのまま擬態して木のそばの草になりきる。

どう見ても草が大きいと思うのだが、こんなところに気がつくほど鋭い魔物じゃないようなのでここでスタンバイする。

日が登ると、数匹のコボルトがやってくる。

この水場はコボルトの水飲み場だった。

しかも混雑しないように何やら決まりごとが有るらしい。

毎回5〜10匹づつ交代で飲みにくる。

そして、毒性強化のリリーベル入りの水飲み場はコボルトの処刑場と化した。

-水を飲む、死ぬ、魔素になる-を延々と繰り返す。

魔素になるために水飲み場には死体が残らない。

たまに出る耳やナイフは隙を見て回収してしまう。

回収しきれなくても、それほど気にして居る様子もない。

近くに居るので魔素の取り込みも行える。

コボルトが異変に気付いた時には、もうほとんど生き残っていなかった。

残ったコボルトを襲撃して集落の壊滅するのに夕暮れまでかからなかった。

「えげつない事するのぉ」

「うおおおぅ、いきなり現れるなよ!びっくりするだろ!」

突然木の側に現れたガジュマルが話しかけてくる。

「わしは植物のある所ならどこにでも移動できるし、いつでも観察出来るからのう」

フォッフォッフォと楽しそうにしている。

「上手くいってよかったじゃないか」

「作戦がハマりすぎてちょっと怖いわ、とりあえずここから少し離れようと思う」

「ほう!理由は?」

「コボルトたちは常に外側を警戒してたからおそらく何か敵対勢力がいると予想出来るのと、間違って俺があの水に触れたら終わりだしな」

「なるほど、ちゃんと考えているようじゃの」

「実際いるんだろう?こっち側に厄介な妖魔が」

「この辺ならオークとホブゴブリンかの、少数ならオウルベアなんかもおるけどな」

オークは分かる。

豚の頭で人間の大人くらいのサイズ、見た目は肥満体なのに割と身軽で力も強い、石製のハンマーを自作するくらいには知性がある魔物。

ホブゴブリンもかろうじて分かる。

ゴブリンの上位種って言われてて、ゴブリンと一緒にいる事もあるという。

サイズはオークと同じくらい、強さも同じくらい、武器も似たようなもの。

イメージ的にはオークより力がない分素早いってイメージ。

問題はオウルベアって何?

「オウルベアってやばい奴なの?」

「そうじゃの、オークより力強くて、ホブゴブリンより素早く、サイズもふた回りほどでかいな」

「めちゃくちゃやべーじゃんか!」

「その分数は少ないから、危険度で言えばどれも似たようなもんじゃ」

「よし逃げよう!ここじゃ目立ちすぎる」

「それなんじゃが、ここに居て自身の強化も悪くは無いと思うぞ」

「いやどう考えても勝てないだろぉ」

「あの毒使えば、いけるじゃろ」

「いや、俺も危ないじゃん、てか俺の方が身近な分危険度高いじゃん」

「言うの忘れておったが、おぬしはわしの眷属になった時点で植物の毒は耐性あるぞい、どんなに猛毒でもな」

「……えっ!それを先にいえよ!」

「言ったら面白くなかろう!おぬしが平気なのにドキドキしながらリリーベル運ぶ姿はなかなか傑作じゃったぞい」

こんの、クソジジイ…。

「でもあれだけコボルト倒したんだし、俺も魔素って奴だいぶ吸収できてるんじゃ無い?ここから更に取り込む必要あるの?」

「あー、それなんじゃが、魔素の多さを高さと考えて、魔素自体を水のようなものと想像してみぃ」

「うん」

言われた通り想像してみる、崖の上にコップに水入れた物を置いたってイメージしてみる。

「おぬしが魔素がない間は低い所におる、そして相手が魔素に還ればその水がおぬしに流れるわけじゃ、低い間は勢いよく大量に流れてくるが、魔素が溜まればおぬしもだんだん高い所に移動してくる」

あぁ何となく想像できてきた。

「同じ高さになればそこからは流れて来なくなるわけじゃ」

「じゃあ、途中から俺はコボルトの魔素取り込めて無いって事?」

「100匹辺りから、ほぼ0じゃな」

うわぁ、なんか知らんけど無茶苦茶損した気分になった。

「てことは、強い相手と戦い続けないと魔素って取り込んでいけないの?」

「魔物は魔素の塊じゃからの、相当格下になるまでは取り込めるぞ、コボルトは元々弱い魔物じゃから魔素も少なかっただけじゃの」

「ちなみに今の俺の強さってどれくらいなの?」

「普通のオークなら数匹相手にしても平気じゃろう、オウルベアでも1対1ならまず負けん…普通のならばな」

「なんか含みのある言い方だな、普通じゃない奴も居るってこと?」

「この森はそう言う森じゃからの、どの魔物も取り憑かれたように外に出ようとして、互いに互いを殺し合うからのぉ、おぬしも見たじゃろ魔素に還らず残った物を貪り食う魔物を」

「あれって魔素取り込んで強くなる為の行為だよね、不思議と同族のは食ってなかったけど」

「あれならば魔素の多さ関係なく取り込めるからの、種を守る本能なのか同族のものを食う事は基本的にはせんがの」

「基本的じゃないのが居るって事?」

「何事にも例外はあるからのぉ、異常個体って奴じゃの、そう言う奴は飛び切り強いぞい」

なんかある程度は予想してたけど、実際に聞かされるとゲンナリする。

進めば進むほど強い魔物が出る事は確定してるわけだし。

こういう事聞いちゃうとここを使ってもう少し強くなっておきたくなる。

「だけど、そんな思い通りに魔物がここに来る?」

「撒き餌があるじゃろう」

ジジイの視線の先にはコボルトが残していった耳や指があった。

ケーキみたいな名前の人が帰ってきた後に言った言葉

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