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9 大きな木を元気に

日は昇り、鳥の声がピピピッと聞こえる中、寝ぼけ眼のままベッドの上で体を起こし布団を横にずらして周りをきょろきょろすると目線の下に何かいる。ミミエルだ。彼女はすっと起き上がり魔法陣じゃなくて魔力で文字が目の前に書かれてゆく。こんなことも出来るんだ器用だなと思いつつミミエルが。


「はい、問題。なんて読むんでしょーーーか?」

「これは……お、は、よう。だな」

「正解です。おはようございます。豪さん。物覚えいいですね」

「一生懸命やってたが、ミミちゃんの教え方もよかったと思うしな」

「ふふ、支度ができたらご飯食べてギルドに向かいましょうよ」

「飯はまた宿の1階でいいか。軽く食べて行こうかねぇその後はギルドで依頼受けてどっか行くか」

「どんな依頼をするか知りませんが防具とか欲しいですよね」


魔物が出るかもしれないとこなら防具もコピってあるしと思うミミエル。


「とりあえず軽そうで丈夫なのとか? 安いのでも買えなそう」

「いえいえ武器と同じくらい防具もたくさんコピってあります」

「いいんだ」

「死んでしまったら困りますからね。ちょっと良さそうのにしましょう」


ミミエルに見繕ってもらって皮鎧など着けてみる。油が染みてるのか所々黒目でそうごわごわとはせず動きやすそうだ。

窓があるので開けてみる。昨日よりも人通りはなかなかあり。ある者は早歩きで、ある少女達は服は統一されていて快活に喋りながら歩いている。学校や仕事場に行くのだろうか。お、あれは人じゃないな獣人とでもいうかのような筋肉質な体に毛がびっしり生えて顔は狼っぽい。格好が冒険者ぽくてかっこいい感じだな。種族って他にもいるのだろうか。



顔を洗うなど済ませ1階へ行き朝食をとる。

パン2個と拳半分の果実1個と少量のサラダってところだ。


「またの宿泊おまちしております」


宿を出てギルドに向かう2人。夜の道と違い明るさが日の光が降り注ぎ違った風景に見える。

色んな人が歩く中をミミエルとテレパシーであれこれ会話しながら隣だって歩く。ふと、かわいい子らが歩いてるのが見につき。


≪あの子もかわいいがミミちゃんみたいなすごく可愛い子と歩け……あ≫

≪豪さん! 頭の中もれてますってー! まだ寝ぼけてますよー!≫


ドーンと左手で吹っ飛ばされて結構転びそうになる。


「うがっっ! うぉっとっとと」

「豪さんいきますよー」


周りからは何事かなと横目で見られたり、飛ばされたのを見たのか笑みが零れているような気がする。恥ずかしながら道に戻る。防具で大幅軽減だろこれと思う。


「あれがギルドだな行こうか」


顔をキリっとして答える。もー、と聞こえるがお金もそうないし気を入れていかないとな。

まずは受付に行き昨日とは違う受付の人に今日の用件を伝えてギルドカードを見せる。


「はい、街のあの御神木の件ですね。担当の者を呼びますので少々お待ちを」


「僕が今回の御神木の担当をしているミョルマです。こちらは準備OKなので出来てたら行きましょうか。まずはギルドを出たら南に向かい街の中央まで近づく間に大きな木が見えると思います。そこへ一緒に行きましょう」

「「はい」」


巻物片手の職員と一緒に歩き豪は会話をする。


「私はこの街の者ではないのですが、その木には何か宿っていたり、魔物避けとかの力があったりするんでしょうか?」

「え、特にそういうのはないと思いますが代々この街の初期からあって皆を見守ってくれてるというお話がありまして大事にされてますよ」

「街の初期ってどれくらい前なんですか?」

「今からだと大体600年くらい前と聞いています」

「なるほど是非そんな歴史ある木を見てみたいですね」

「えぇ」


と、この街に住んでいるのでどこか誇らしげに嬉しそうな声をする職員。

歩いてると屋根の上から木が見える……かなりでかいな。


「あれは……木は高さ何mくらいなんですか~?」

「50mくらいですね~」


近くまで来た。まさに大迫力。息をするのも忘れそうだ。幹の太さもかなりあるな。5人でも手を繋いで囲えないかもしれない。ミミエルも感慨深そうだ。


「大きな木~長生きの貫禄~」


上を見たり幹を眺めている。

思ったより街の中央には何もないというか。建物はなく近くに露店市とでも言うのか簡易的なお店が立ち並んでいる。食べ物もやってるようで微かに匂ってくる。職員さんが巻物を広げ


「ではこの魔法陣です。よろしくお願いします。大体の時間で終わりを告げますね」

「豪さんまずは見てるね」


大事な木だ丁寧に魔法陣を描く。前よりも早く描かれるそれはまるで一端の魔法使いのようだ。

【植物栄養状態活性化】

緑のほわほわした玉や流線が幹や葉に収束していく。


「うんうん、あとは魔力を保ってね。私もやるか」


後ろに2歩くらい下がり大きめの魔法陣で描く。多めの魔力も消費するがその効果はなかなかで豪の緑の量より5倍ほど多く木を癒してゆく。

その描く速度、大きさにも驚いたが放たれる多くの輝きにまるでミミエルが木の守り神のような光景にも見え、職員は魔法陣を落としそうになる。周りの歩く人達も次々に足を止め癒されていく木を見上げる。街の人々はそれぞれの思いが口から零れる。


「すげーな……」

「前にもやってるの見たことあるが全然違うな」

「綺麗……」



「あ、もういいと思います。ありがとうございます……」


魔力を止め緑の光は徐々に木に消えてゆく。

ちょっとしたショーを見たような気分の街の人は次第にそれぞれの目的の方向に歩き始めたりまだまだ木を眺めたりだ。ミミエルが

「どれだけ元気になったか見てきますね」

【飛行】


と足元に即座に魔法を発動させ飛び上がり急上昇していく。

浮く魔法とは違い、飛行は安定の難しさが上位に位置する魔法で、動き回るのが早いほど魔力が大変になる。色々くるくる周ったりして戻ってくる。


「なかなか元気になったと思います」


≪最初羽で飛んでるかと思っちゃったぞ≫

≪さすがに目立っちゃいます≫

≪目立った方だろう≫


豪は驚きつつもその飛行魔法もなんだかすごく気持ちよさそうだし後の勉強科目に入れておく。そして落ち着いてきた職員は最初のような落ち着いた口調になっている。


「ありがとうございます。今日の分は報告しておきますね。明日もまたよろしくお願いします。では」


足早に先にギルドに向かったようだ。


「ミミちゃんあっちは露店市があるみたいだぞ」

「色々ありそうですね~気になりますがどうします?」

「いつもやってたらまた来ようか。聞きに行こう」


布を敷いて商品を広げて色々なものを置いていたり、簡易的な骨組みの屋根がある感じのやつで料理をやってる人もいる。2人とも思わずきょろきょろしてしまう。


「珍しい物ないかなー」

「まだまだこの世界の物分からないからなぁ」


近くの露店の人と会話をし聞いてみたら、街の人や外から来てる人がよくやってるから毎日あるとのことで、少ないか多いかの違いだろとのことだった。


「んー今日は見てると時間取られすぎてもいかんからギルド行こうか?」

「分かりました残念ながら~賛成かな。欲しいのあっても買えないってこと多そうですしね~」


誤字・脱字・文字の意味が違うなどあるかもしれません。

感想やレビューなど来るか分かりませんが楽しみにしていますが基本返信はしなそうです。

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