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魔王様はダラダラしたい!  作者: おもちさん
第二部
182/313

2ー52  次世代

まおダラ the 2nd

第52話 次世代



急な召集にも関わらず、ダイニングには全員が集まった。

クライスおじさんは地図を開きつつ、事態の説明をしてくれた。



「反乱、とは言いましたが、単純な兵力はこちらが劣っています。ですが多数の王がこちら側に立ってますので、互角と見ることができます」

「そんなにたくさんの人が敵側に?」

「ええ。プリニシアやグランニアは半数を超える貴族が反旗を翻しました。両国とも既に内戦状態に陥っております」

「多数の王がこちら側、なんて言ってましたね。全員ではないんですか?」

「はい。グランは一国ごと蜂起ほうきしました。むしろグラン王が首謀者ですな。自ら旗印となっておりますゆえ」



その人は前にあったことがある。

セロのお兄さんで、あまり王様に向いてなさそうな人。

そういえば、グランが主犯ってことは……。



「もしかして、セロさんとかコロナのみんなも?」

「いえ、セロ殿はこちら側です。コロナも真っ先にレジスタリアに味方してくださいました」

「よかった。となると、残りはゴルディナだけど」

「不明です。まだ立場を明らかにしていません」

「あそこは要注意ですぜ。隙を見せた瞬間に噛みついてくるかもしれねぇ」

「他に味方は?」

「ロラン、それからヤポーネですな。特にヤポーネからは近々援軍がやって参ります」

「そう、それは助かるわね」



そうなると、レジスタリアとグランの衝突になりそうだ。

コロナはゴルディナに対する睨みを効かせるため、迂闊に動かせない。

ロランは外征できるほどの兵力が無い。

となると……。



「私たちとヤポーネで、グランと戦うことになるの?」

「恐らくは。プリニシアもグランニアも自国の事で手一杯でしょう。こちらの戦場に送る余裕はありますまい」

「戦力差はわかる?」

「自国800、援軍が50。対するグラン側は1200ほどかと」

「十分じゃないですか。私たちだけでも勝てそうですよ」



私たちだけ。

援軍なしでも、と言いたかったのか。

それともお父さん抜きで、と言いたかったのだろうか。

アシュリー姉さんに問いかけようとして、やめた。

意味の無い質問になりそうだから。

八つ当たりのような気持ちを追いやって、クライスさんに告げた



「状況はわかったわ、どうすればいい?」

「待ってシルヴィ。これは戦争なのよ? あなたは城の中に居るべきよ」

「私は参加したい。ダメかな、クライスおじさん?」

「正直な所、シルヴィア様にも参戦していただきたい。我らには現在、旗がありませんので」

「旗? 国旗のこと?」

「王の事ですよ。指導者と言い換えても良い。もちろん誰でも良い訳はなく、多くの者が納得する方でなくてはなりません」

「それが、私なのね?」

「ええ。この状況下において、あなた以上に適任者は居りません」



お父さん。

私が戦争に出ると知ったら、怒るかな?

……いや、それでも良い。

あの世から甦って叱られても、全然構わない。

私にはもう道が見えているから。



「リタ姉さん。私も参加するからね」

「そう……。気持ちが固まってるなら止めないわ。その代わり、無理だけはしないでね?」

「ありがとう。慎重に動くつもりだよ」

「リタさん、オレたちが着いてますから。みすみす危険な目には遇わせませんぜ?」

「ご快諾、感謝いたします。それでは布陣についてですが……」



クライスおじさんが赤い字で地図に数字を書き込んでいく。

みんな真剣な眼差しで、その筆先を目で追った。

もう後戻りはできない。

もちろん、逃げる気は更々無い。


拳をギュッと握りしめ、地図の情報を頭に叩き込んだ。






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