表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王様はダラダラしたい!  作者: おもちさん
列伝1
118/313

【ミレイアの章】教えて! ミレイア先生4

オレとリタは食堂の入り口で合流した。

これからオレたちは一芝居打つ。

それで例の青年を諦めさせよう、というコンセプトだ。

ミレイアにもある程度話してあるから問題ないとは思うが。

オレとリタは変装して、店に勢い良く入っていった。



「おぅおうおぅ、コルルァ!こんなとこに居やがったのか!」

「ホラホラ、私たちに手間かけさせんじゃねえのよ。」

「もう逃げられねえぞミレイア、観念しな!」

「あ、あなた達は・・・黒龍炎魔騎士団!」


…………。

……えっと。


「お、おう。オレたちこそコクリュー・・・騎士団だコノヤロー!」

「そうよ、超絶ヤバイ騎士団よ。逆らうやつはぶっ殺すのよ。」



ミレイア・・・お前って奴は今でも。

最近は生肝とか髄液とか贄とか言わなくなって、大人になったんだと安心してたよ。

でもそのセンスは、きっと生涯治らないんだろうな。

なんというか、強く生きてくれ・・・!



「ミ、ミレイアさん!ここは僕に任せて逃げて!!」

「えぇ?・・・でもそんな、危ないですよ。」

「今日は偶然にも魔王様が町にいらしてる、早くそこまで逃げるんだ!」



まぁその魔王様がオレなんだけどね。

意外にも早くエサに食いついてくれたな。

さすがは純朴青年、疑う事を知らない。

対応に困ったミレイアがオレをチラチラ見ている。

うなづいてやると、ノロノロと食堂から出て行った。



「てめえ、かっこつけやがって。オレたちがコクリュー・・・爆炎騎士団だって知らねえのか?」

「そうよそうよ、もうほんっと怖いからね。痛くしちゃうからね。」

「ミレイアは渡さない!彼女に指一本触れさせないぞ!」



おーおー、聞かせるねえ。

ここまで作戦通りだとも知らずに。

これは名付けて、「ミレイアと一緒に居たら身が保たねえ」作戦だ!

ミレイアのそばにいると恐ろしいヤツらに付きまとわれる、それどころか命の危険まである・・・なんて事になったらどうだろう?

普通は逃げるよな、特に戦う術のないヤツは。

オレとしてもミレイアを根性ナシにくれてやる気はないからな。

ちょっと怖い思いをした後に、娘の事は忘れてもらおう。



「フン、色男が。まだ暴力の恐怖をしらねえな?おい、やっちまいな!」

「フフフ、死の恐怖を味わうといいのよ!」



容赦なく青年に精神魔法をかけるリタ。

何気なく浴びせたこの魔法だけど、実は結構エグい。

肉体に影響はないけども、気絶するまで何度も「自分が殺される光景」を見せ続けられるというもの。

早いヤツはその光景を1度見ただけで気絶してしまうほど、リアリティのあるもの。

トラウマにならないよう、後でこの青年のケアをしてあげなきゃな。


・・・ん?

なんか随分と耐えるな。

これって何週くらいしてるんだ?

ハァ? 7週!?

それは流石に・・・やばいだろ。

そろそろ解いてやれ。



慌ててリタに解除を促した。

糸の切れた操り人形のように、青年がドサリと崩れ落ちた。

あーー、ちょっと失敗したかなぁ、腕のいい医者を手配・・・。

ん?

足元を見ると、青年がオレの足を掴んでいる。

意識は・・・ないらしい。

呼びかけても返事はない。


ふむ、戦う力はないが、抗う力はある・・・と。

ただの優男だと思っていたが、意外と根性あるのかもな。



オレは少しだけこの青年に興味を抱いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ