プロローグ2
首飾りの届け先はリラーグだった。
しかし、どうやらその者を護衛し何処かの街へと届けるのが少年の目的だったらしい。
メルはそんな彼について行くことを決め、準備を整えるためにシアの元へと訪れたのだった……
「いかがでしょうか?」
メルはシアそう言われ、仕上がりを確認した。
随分と短くなってしまったのは悲しかったが、メルは鏡越しにシアに微笑み。
「うん、ありがとう」
新たな髪形を見つつこれでは暫くナタリアにもらったリボンが付けられないな……なんて事を思いながらもその出来には満足した。
「ですが、その……本当に行かれるのですか?」
シアは眉を歪め、メルの顔を鏡越しに見つめている。
その訳は髪を切っている途中に話した事だろう……メルはこの街を出る。
今手元にあるこの首飾りを届けた後、その人を護衛する。
勿論、旅立つ理由は少年が心配だからだ……怖いとか不安とかそう言った感情は無くなってはいない。
しかし、メルは何故かそうしなければならない、そう思っていた……
「うん、私は行くよ……でも大丈夫! ちゃんと帰ってくるから、ね?」
「…………」
メルはシアへ笑顔で答える。
その声を聞きシアは一瞬泣きそうな顔を浮かべたかと思うとそっとメルに腕を回し……
「怪我をしたら駄目ですよ?」
「うん」
「生水は危険です、精霊に聞くか魔法を使ってください」
「分ってるよ」
「それと食事は栄養を考えて、好き嫌いは駄目ですよ? 旅をすると言う事は自身の――」
「分ってるって! もう、シアも皆も心配性過ぎだよ!」
シアのまるで母親のような言葉にメルは笑顔で答えていく……
事実シアはメルの両親達が不在の時に世話をしてくれてたし、ナタリアや両親に続く親と言っても良い存在だ。
だからこそ、メルは彼女にはちゃんと旅立つ事は伝えておきたかった。
「じゃぁ、待ってるだろうから私行くね?」
メルは椅子から降りると血の繋がりが無い母へとそう告げ扉へと向かう。
「……はい、無理はなさらないでくださいね」
「うん! 分かってる!」
メルはシアにそう告げると扉を開け、先ほどの部屋へと戻るべく――
「シルフ! 戻るよ!!」
『分かったよメル!』
相棒である精霊を呼び出し、共にあの部屋へと向かう。
振り返ると其処には心配そうなシアがおり、この街から離れる不安を感じたメルは……それを振り払うように頭を振ると目的の部屋へ走った。




