プロローグ7
旅の許しを得たメル達は母ユーリ達と別れる。
そして、新たなる旅立ちを始める朝……仲間であり姉であるシュレムは心配そうな顔を浮かべていた。
翌日、メル達は起きて食事を取っていた。
スープを口へと運ぶシュレムは何処か心配そうな瞳をメルへと向けている。
「もう……大丈夫だよ」
それに気が付いたメルは彼女にそう伝え――。
「目的地まで行けばママ達にもまた会えるんだから……」
「それは……そうだけど、そうじゃなくてだな?」
だが、メルの言葉に困った様に言葉を詰まらせるシュレム。
その様子が変だと気が付いたのだろうライノは訝しむような表情を浮かべ――。
「何か心配事でもあるの?」
「え!? いや、その……」
明らかに何かあると言ってい様であるその表情のままシュレムはスープを見つめる。
そんな彼女に対し首を傾げる一同だったが、メルはようやくシュレムの心配事に気が付いたのだろう……。
「この先の事?」
「あ、ああ……何か方法って無いのか?」
メルが聞くとすぐにそう返すシュレム。
「方法って何の事だ?」
「いや、だから……お前が言ったんだろリアス……この先にはタリム以外寄れるとこが無いって」
彼女のその言葉でようやくシュレムの心配事に気が付いたのだろう、リアスは申し訳なさそうな顔を浮かべた。
「すまん、でもやっぱりどう考えても野宿ぐらいしか思いつかない、狩りをするにも唯一動物が住んでいる所が幻影の森だけだからな……」
「「「幻影の森?」」」
聞きなれない言葉にメル、シュレムそしてエスイルは声を揃えた。




