77話 ヌーとリュッシュ
〜前回からの登場人物〜
コード・ウルフード 24歳の男性 身長174㎝
獣人族 コスモス騎士団 第1部隊隊長
特徴
・アッシュグレーの短髪
・戦闘服に灰色のフードスタイル
・イケメンだが表情が常に真顔
・鋭い目つき
・無感情な声
戦闘スタイル 雷系魔法
半獣化 オオカミ
ヌー・ヌー 17歳の青年 身長173㎝
獣人族 コスモス騎士団 第2部隊副隊長
特徴
・黒髪ロングのオールバック
・耳にピアスを付けている
・戦闘服を改造している
・低い強面な声
・喧嘩っ早い性格
・たまに変な漢字で語る
戦闘スタイル 格闘家と質量変化魔法
半獣化 ヌー
オート・リュッシュ 15歳の少年 160㎝
獣人族 コスモス騎士団 第2部隊隊員
特徴
・ピンク色の短髪イケメン
・第2部隊副隊長代理的な立場
・煽るのが好き
・面白い事が好き
・早口で明るく高い声
・たまに変な喋り方をする
戦闘スタイル 回復系魔法
半獣化 ???
ハイナ 27歳の女性 身長163㎝
獣人族 アジサイ騎士団 第1部隊隊長
特徴
・朱色のロングヘアー
・左右の一部をオレンジと赤に染めている
・戦闘服の袖が長い
・少し低い声
戦闘スタイル 爆発系魔法
半獣化 ハイエナ
H・デスカルト ?歳の老年 身長196㎝
エルフ族 サウス帝 H部隊隊長
特徴
・腰まで届く灰色髪
・痩せた身体
・低い声
・黒い布を身に纏っている
・背丈ほどの棒に、二本の鎌が付いたような武器
戦闘スタイル 鎌型武器を扱う
K・シュリュッセル ?歳の少女 身長133㎝
エルフ族 サウス帝 K部隊隊長
特徴
・金髪鍵型ポニーテール
・明るく高い声
・変わったワンピースを着てる
・ナイフサイズの鍵が武器
戦闘スタイル 鍵魔法
L・ルミエル ?歳の青年 身長177㎝
エルフ族 サウス帝 L部隊隊長
特徴
・クリーム色の短髪
・イケメン
・争いが嫌い
戦闘スタイル 光系魔法
「まずい!フードルコード・……。」
『魔力切れか……。』
ウルフードはその場に倒れた。
デスカルトの武器が、ハイナに当たる瞬間
小さな爆発が起こった。
爆風と同時に、ハイナはヌーとリュッシュの元へと
吹き飛んだ。
「おいおい、おばさん大丈夫かよ……。」
ヌーが呟いた。
「自分の魔法を喰らって、逃げるとは……。
だが、少し遅い。右腕を見てみろ…。」
ハイナの右腕には、擦り傷程度の切り傷があった。
「そんな!?……。吹き飛べぇーーーーぇええ!!」
ハイナは左手に凄まじい魔力を集めて、光る玉を作り
自分の右腕に向かって放った。
ドカーーーン!!
『判断力と行動力は、なかなかだが……。
視野が狭いな…。』
爆発でヌーとリュッシュが吹き飛ばされた。
ボロボロになっただけの、ハイナの右腕の傷から
赤黒い炎が上がった。
『私はいつも中途半端ね……。私の王を救ってくれた
コスモス王国に借りを返せたかしら……。
マーズ様…カール…ごめんなさいね。』
瞬時に炎は全身を焼き払い、その場に残ったのは
灰の山だけだった。
「ハイナさん…。」
デスカルトがボロボロの翼を広げると、周囲の灰を
吸収して、ボロボロの翼が元通りに再生した。
「ほっほっほー…愉快だな…。
お前達も地獄へと、誘おう…。」
翼を広げて、ヌーとリュッシュに迫って行った。
「リュッシュ下がってろ!!」
「でもヌーさん拳じゃ、危険です!!」
ヌーは拳を見つめながら呟いた。
「俺の拳の魔法を、他の物質に込められれば……。」
「ヌーさん!グローブに魔法込めれるなら
その辺の石にも、込めれるデショ!!」
リュッシュはヌーに石ころを投げた。
ヌーが石ころを受け取ると、魔力を込めた。
「おっらぁああ!!」
勢い良く叫びながら投げると、小さな石ころは
巨大な岩へと変化した。
それを見たヌーは、驚いた顔をしていた。
『まさかヌーさんいままで、自分の魔法に
気づいてなかったなんて事が…、ある訳ないか。』
「甘いわ…。」
デスカルトは巨大な岩に、武器を投げつけた。
武器が岩に刺さると、岩が赤黒く燃えて灰の山ができ
真ん中にデスカルトの武器が刺さった。
「新技!岩投打連!!」
灰の山に大きな岩が、20個以上も空から降ってきた。
岩がぶつかり合う凄まじい音と共に、土煙りも
舞い上がった。
ヌーが角の付いたグローブを、投げ捨て走り出した。
「俺の拳を喰らいやがれ!」
「血迷ったな……。武器が…岩の中に…。」
ヌーはデスカルトの心臓部目掛けて、雄叫びを
あげながら、左手を振るった。
「ぅぉおおおお!!破拳一角!」
がしっ!
ヌーの渾身の一撃を避けると、首元を左手で掴み
翼を広げて岩の山に勢い良く突っ込んでいった。
少しして、岩の山が赤黒く燃えて灰の山になった。
「ヌーさん!?ヌーさぁああーーーん!!」
リュッシュからは、ヌーの姿が見えなかった。
強い風が吹き、灰が吹き飛ばされると
デスカルトに首元を押さえつけられて
気絶している、ヌーの姿が見えた。
「ほっほっほー…これで二人目…。」
デスカルトは不気味に笑い、鎌を振るった。
ヌーは突然目を見開き、拳を突き上げた。
『破拳一角!』
デスカルトの左胸に拳が当たり、突き飛ばした。
その拳の甲には切り傷があり、血が流れていた。
ヌーは拳を握り続けたまま、下ろさずに見つめていた。
『チッ…掠っちまったか…。』
突き飛ばされたデスカルトは、左胸に拳サイズの穴が
貫通していた。
『まぁ奴を倒せたし、俺にしちゃあ上等だろ。』
ヌーの腕には、手の甲からの血が垂れて来ていた。
「ヌぅぅさぁぁぁん…。」
涙声のリュッシュが、正面から走って来た。
リュッシュがヌーの目の前に来ると、しゃがみこみ
ヌーの膝に体重を乗せ、涙を流した。
ポタッポタッと、ヌーの膝に涙が溢れた。
ビシャッと、ヌーの膝に大量の血が掛かった。




