76話 妖精回帰
〜前回からの登場人物〜
コード・ウルフード 24歳の男性 身長174㎝
獣人族 コスモス騎士団 第1部隊隊長
特徴
・アッシュグレーの短髪
・戦闘服に灰色のフードスタイル
・イケメンだが表情が常に真顔
・鋭い目つき
・無感情な声
戦闘スタイル 雷系魔法
半獣化 オオカミ
ヌー・ヌー 17歳の青年 身長173㎝
獣人族 コスモス騎士団 第2部隊副隊長
特徴
・黒髪ロングのオールバック
・耳にピアスを付けている
・戦闘服を改造している
・低い強面な声
・喧嘩っ早い性格
・たまに変な漢字で語る
戦闘スタイル 格闘家と質量変化魔法
半獣化 ヌー
オート・リュッシュ 15歳の少年 160㎝
獣人族 コスモス騎士団 第2部隊隊員
特徴
・ピンク色の短髪イケメン
・第2部隊副隊長代理的な立場
・煽るのが好き
・面白い事が好き
・早口で明るく高い声
・たまに変な喋り方をする
戦闘スタイル 回復系魔法
半獣化 ???
H・デスカルト ?歳の老年 身長196㎝
エルフ族 サウス帝 H部隊隊長
特徴
・腰まで届く灰色髪
・痩せた身体
・低い声
・黒い布を身に纏っている
・背丈ほどの棒に、二本の鎌が付いたような武器
戦闘スタイル 鎌型武器を扱う
K・シュリュッセル ?歳の少女 身長133㎝
エルフ族 サウス帝 K部隊隊長
特徴
・金髪鍵型ポニーテール
・明るく高い声
・変わったワンピースを着てる
・ナイフサイズの鍵が武器
戦闘スタイル ???
L・ルミエル ?歳の青年 身長177㎝
エルフ族 サウス帝 L部隊隊長
特徴
・クリーム色の短髪
・イケメン
・争いが嫌い
戦闘スタイル ???
「やられちゃう〜!って鍵で閉めたから、
鍵じゃないと開けられないんだよ〜!」
シュリュッセルは、ニコニコしながら鍵を左右に振り
見せびらかした。
ウルフードの魔法は、また失敗した。
ルミエルが、ヌーとリュッシュをウルフードから
遠ざける様に光る手足で、吹き飛ばした。
ルミエルはすぐにウルフードの正面に周り
両手を光らせて、浴びせた。
『またこの光か…。やばい…。』
背後にいるデスカルトが、武器を振り回し
切りかかった。
遠くでヌーが叫んだ。
「ウルフード兄貴ーー!!!」
ドカーーーーン!!!と大きな音とともに
土煙りが上がった。
「あらあら、コスモス騎士団の坊や達は弱々しいね。」
左右のサイドの一部が赤とオレンジに染めた、朱色の
ロングヘアーの女性が、手が隠れるほど長い袖の服を
着ていて、袖で口元を隠しながら喋った。
ヌーが不思議そうに呟いた。
「援軍?信号弾撃って無いのにか。」
「ウルフード隊長の魔法で、気づいてくれたネン!」
リュッシュがヌーを軽く叩いた。
「おばさんどちらさま〜?」
シュリュッセルが尋ねた。
女性は低い声で呟き半獣化した。
「誰がおばさんって?」
丸い獣耳に、しっぽと牙が生えて、ハイエナの様な
姿に半獣化した。
「おばさんは、獣のおばさんしかいないよ〜!」
シュリュッセルは、ニコニコしながら指差した。
「私はハイナ…子供は寝る時間よ。」
「永遠にね…。光爆撃玉!」
ハイナは、作っていた赤とオレンジに交互に光る
2つの玉を飛ばした。
シュリュッセルは1つの玉は避けて、もう1つの
玉は鍵で殴りかかった。
「え〜い!」
ドカーーン!!髪がボサボサになり、手に持っていた
鍵は粉々になった。
「あっーーーー!!鍵が…。」
『この感じ、いけるか…?』
ウルフードは、左手をシュリュッセルに向けて
右手をルミエルに向けた。
「フードルコード・ボルテージカノン!!」
勢い良く両手から、灰色の雷の光線が放たれ
ウルフードは反動で少し後ろに押された。
「え!?」
シュリュッセルは、ウルフードの方を振り返る間も
なく、光線に当たりそのまま後ろに倒れた。
ルミエルの身体も光線が貫通した。
シュリュッセルの身体から稲妻が、何度も走っていた。
「シュリュッセル…。争いは嫌いだ…。」
いつの間にか、デスカルトの横に移動している
無傷のルミエルが呟いた。
「われも嫌いだ……。
われの魔力よ…地獄の妖精よ…われの元へ帰せ!」
デスカルトの背中から、四枚の透明な赤紫色の
蝶の様な羽が生えて、どんどん大きくなりデスカルト
の身体を包みこんだ。
「妖精回帰!アンフェアリー・デスカルト!」
四枚の透明な羽が燃え落ちた。
デスカルトの肌は真っ白になり、赤黒い二枚の翼を
広げて、真っ黒な破けた服に包まれていた。
ルミエルは、黄色く輝く蝶の様な羽を生やすと
空中で待機する、エルフ族の部隊の元へと行った。
『妖精回帰したか…。巻き込まれるな…。』
「不気味ね…。」
ハイナが両手に、魔力を集めながら呟いた。
「地獄へと、誘おう…。」
デスカルトは走りながら、背丈ほどの黒い棒に二本の
鎌を線対称に、付けた様な武器を振り回した。
デスカルトがシュリュッセルの横を通り過ぎる時
鎌が太ももを掠った。
シュリュッセルの太ももの傷から、赤黒い炎が燃え
上がると、一瞬で全身に広がり、灰になった。
『なにあいつの鎌!?魂を喰らってる…みたい…。』
ハイナの両手の間には、大きな赤とオレンジに
チカチカ光る、大きな大きな玉が出来ていた。
それを両手で包み込み豆粒サイズの玉に、圧縮させた。
「超圧縮・閃光爆撃玉!」
走ってくるデスカルトに向かって、小さな光る玉は
凄まじい速さで飛んで行った。
ドカーーーーン!!!凄まじい音と共に、大きな煙が
出来た。
『なかなかの威力だ…。
われの妖精の加護が押し負けたか…。だが…。』
ハイナの正面の煙が開かれて、翼がボロボロになった
デスカルトが、武器を振り回しながら突っ切ってきた。
「地獄へ……送ってやろう。」




