72話 凍り姫と時魔法使い
チタは慌てた表情で、声を上げた。
「ア、アルス隊長、バランを連れて来ました!」
チタの後ろからそっと、フォリネも部屋に入った。
「バラン君、フォリスの身体を傷つけずに
凍らせれるかい?」
チタが驚き声を上げた。
「ちょっ、凍らせるってどういう事ですか!?」
「このままではフォリスの身体が保たないでしょ。
身体を冷凍保存するってことだよ。」
バランは両手をフォリスに向けた。
「分かりました。タンペラトュール・ドミナシオン」
フォリスには、薄い透明な氷が、布団の様に纏った。
「おぉ〜!」
チタとフォリネが同時に声を上げた。
アルスは喋り出した。
「よし、後はフォリスに魔法を掛けた時魔法使いの
キュリノスという、エルフ族の青年を倒せば
魔法が解けて、助かるかもしれない。」
『みんな、妹の為にありがとう……。』
『キュリノス!スピーディーにぶっ倒してやる!』
『あの時のエルフ族の、青年の名らしいな。』
「さて、俺は国王様にこの事を報告して来るから
戦争に備えてゆっくり休むといいよ。」
アルスは喋り終わると、部屋を出た。
王城最上階の豪華で煌びやかな国王室で、
アルスの声が響いていた。
「なぜダメですか!?ジュピテールさん!」
アルスの正面には、大きめの豪華な椅子に
ゆったりと座っているジュピテールがいた。
ジュピテールは小さな声で喋り出した。
「アルスの気持ちは、私にもわかる…。
私だって第3部隊副隊長のフォリスや、私の息子の
リュンヌだって助けたい…。
だが!この戦争には獣人族の未来が掛かっている
負けられないんだ、戦力の分担は出来ない!!」
ジュピテールは、少しきつめに喋り終えると、
すぐにアルスが声を上げた。
「自分の子供の未来を守れないで、獣人族の未来を
守ろうというんですか!?
今のジュピテールさんは、私の尊敬している
ジュピテールさんじゃない…。」
ジュピテールは、立ち上がり深呼吸すると
優しい声で喋りはじめた。
「アルスは、自分の子供の事を言えるのか?
私も預かったからには、リュンヌと一緒に
平等に愛情を込めて育てて来た……。
だが、アレイユの心は少し欠けていた様に思えた。
そのカケラ埋めたのは、リュンヌとの友情だった。
そのリュンヌがいなくなり、クロコダイルブリッジで
半獣化の暴走があったらしいな。
アルス今からでも、遅くないと思うぞ…。」
ジュピテールはゆっくり椅子に腰かけた。
「分かりました。ジュピテールさん戦争に勝ってから
フォリスとリュンヌを助けましょう。」
アルスは、国王室を出ていった。
『アルス、私の兄のマーズが迷惑を掛けた…。
その報いにアレイユを預かったが、アレイユは
優しく強く仲間想いの子に育った。
かつてのアルスを見ている見たいでな…。』
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