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セリアンスロピィ・ファンタジー  作者: 癒雨助
魔界異変編
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56話 叫心悲想

「あれ…?ここはどこ?僕は誰?」

地面で気絶していた、ドジラフィーが起き上がると

周りを見渡して呟いていた。


ドジラフィーの脳内で小さなドジラフィが

喋っていた。

『ここは森、僕たちはドジラフィーです。』


ドジラフィーは、もう一度周りを見渡していた。


「あっ!トルチェさん!トルチェさん!!」

やっとすぐ隣の木にもたれながら、眠らされていた

トルチェに気づいて、肩を揺すって起こした。


トルチェはゆっくり目を開き、目を覚ますと

何かを思い出したかのように、走り出した。


「あっ!ちょっとトルチェさーん…いてっ!」


トルチェが走って行った先には、雑に血塗れの包帯で

巻かれている、アレイユが眠っていた。


「…。」

トルチェは、怖ばった表情で固まった。


少しして、リュッシュ達が走ってきて、合流した。

「うわぁー!アレイユさん派手にやられましたね。」


様子を見た、ウルフードが声を上げた。

「トルチェ副隊長とハルジオン騎士団は、

アレイユを連れて、コスモス王国へ帰還せよ。」


「分かりました。」

トルチェはアレイユを背負うと、ゆっくり歩き出した。


その後を、ドジラフィーとハルジオン騎士団員が

続いて行った。


「あとは、フォリス副隊長チームを探す。」

ウルフード達は、走り出した。


あとを追うように慌てて、ヌーとリュッシュも

走り出した。







「なっ。おい!大丈夫かよ!?」

ヌーが険しい表情で叫んだ。


「この人はもう、助からない…。

恐らく吸血鬼に、血を吸われたのだろう。」

無感情な声でウルフードが呟いた。


真っ青な顔で首から大量の血を流して、

体には5本の矢が、刺さっている

女性ハルジオンの隊員が倒れていた。


「フォリス副隊長とキャンディスさんは、どこに!?」


ウルフード達は急いで周囲を捜索した。




30分ほど探し周ると、女性隊員の所で合流した。


「どこにもいない。」

「こっちもだ!」

「ウチも見つけられませんでした。」


「この矢が手掛かりなのか?」

ウルフードは、ハルジオン隊員が倒れていた

周囲の地面に、大量に刺さっていた矢を5本ほど

抜き取ると、懐にしまった。


「一旦、コスモス王国に帰る。」

ウルフードは、歩き出した。


ヌーはハルジオン隊員を、背負うと歩き出した。


その後にリュッシュも、矢を1本拾って

手に持ちながら歩いた。







「どこだ…ここ?…いたっ!」

トルチェの背中で揺られながら、掠れた声の

アレイユが目を覚ました。


「アレイユさんもう少し我慢して下さい。

もうすぐコスモス王国に、つきます。」


アレイユは声を振り絞り、声を上げた。

「リュンヌは!?リュンヌは居たか!!??」


トルチェは、困惑の表情で呟いた。

「すみません。アレイユさんの傷を見て、慌てていて

リュンヌさんの事を…忘れていました。

リュンヌさんは居ませんでした。

アレイユさんは、何か知ってるんですか?」


「……。」


少ししてアレイユが涙を、流しながら

掠れた声で叫んだ。


「リュンヌがぁ〜、魔族に……。

連れざられだんだぁぁあ〜〜ぁあ!!!」


アレイユが叫び終わると、そのまま意識を失った。


「……。怪我を直したら、私達で取り返しましょう。」

少し瞳が潤っていたトルチェが、呟いた。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


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