33話 フォリネvsチタ
開始と共にチタが二本の短剣を抜き走り出した。
『流石に速いな…だが。』
「水玉包囲網。」
フォリネは右手を口に持っていき息を吹きかけると、雨粒ぐらいの小さな水の玉がフォリネを中心に、半径3mほどの範囲に散らばった。
チタは余り気にせず、背後に移動してから切りかかった。
水玉の範囲に入るとチタの動きがかなり遅くなった。
『しまった、こういう能力か。』
「水浮打船。」
フォリネは背後を振り向かずに、水の玉を固めチタにぶつけた。
『水の硬さじゃねーだろ、鉄球だろ。』
チタは吹っ飛ばされながら短剣を2本投げつけた。
短剣が水玉の範囲に入る前に、追いつき掴むとまた距離を取った。
『あぶねー、音速投切も効かないじゃん。』
チタが考えてると正面から水の塊が3つ飛んできた。
「水浮打船。」
チタは間一髪身体を反らして避けた。
水の塊はそのまま闘技場の壁に当たると、壁を凹ませた。
「あっぶねー、このままじゃやばいな…今からスピーディーに行くか、半獣化!」
チタは半獣化して細いしっぽに獣耳と牙が生えて、体に黒い斑点模様が現れ、チーターに似た姿になった。
チタは二本の短剣を後ろで構えて、走りながら勢いをつけて、短剣を思いっきり前に振った。
「音速夢双・風神!」
勢い良く振られた短剣から竜巻が発生して、その竜巻は2mほどの風神へと形作った。
「ヘキサシールド!」
フォリネは声を上げ自分の前に、六角形の青色で透明な障壁を作った。
風神は水玉を消し飛ばし、シールドをも吹き飛ばしと周囲に溶け込む様に消滅した。
その瞬間、二本の短剣がフォリネの顔の横を通り過ぎた。
『しまった…。』
思わずフォリネは後ろに1歩下がってしまった。
「音速投切!」
チタはフォリネの背後に飛んでいった二本の短剣を掴み、思いっきり切りかかった。
「うわあぁーーぁあ!!」
ポタポタと血が垂れた。
会場中が驚き沈黙した。
チタの短剣を握る両手から、血が垂れていた。
「変化魔法か……。」
チタは血を舐めながら呟いた。
「今のは危なかったわ、なかなかやるようになったわねチタ。」
フォリネは切られる瞬間に半獣化してキツネになり、変化魔法を使い黒色の薄く硬い甲羅を持つ、亀になっていた。
「変化解除。」
フォリネが呟くと甲羅が無くなり、獣耳と太いしっぽが現れた。
チタが距離を詰めて切りかかろうとした。
「水玉包囲網。」
雨粒ほどの小さな水の玉が、フォリネの半径3mほどを囲んだ。
『またこれかよ。』
チタは一旦距離を取った。
「チタすまないが終わりにさせてもらう。
子狐の切ない雫。」
七匹の子狐達がフォリネから現れて、チタに向かって走って行った。
チタは距離を取って逃げるも囲まれて、子狐達はしっぽの水の玉をを大きくした。
七匹の子狐の水の玉が合体して、巨大な1つの水の大玉となりチタを飲み込むと、空中に浮かび上がった。




