表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セリアンスロピィ・ファンタジー  作者: 癒雨助
新世界征服戦争〜4章〜決戦
125/131

115話 クロアナ

「なんか、暑い(あちー)な!」

 サタン達とエルフ王が、激しい闘いを繰り広げている箱の外で、チタが戦闘服を摘みパタパタと扇いでいた。



 フォリネが右手に水の玉を作り出し、チタの顔にぶつけた。

「そうか?…なら、水風船。」


 バシャッ!チタは首を振り水を振り落とした。

「何すんだよー!」


「ふふっ」



「いやでも少し暑いよ、というか箱の方から魔力の熱気が溢れているね。皆さん警戒を!」

 アルスが話した。


「りょーかい!アルス隊長!」

「ボス了解!」

 アレイユとリュンヌとキャンディスが返事をした。



「アルス隊長了解しました。そして皆様遅くなりました。」



『この声は!』



「フォリス!!」

 チタが振り向くと、フォリスが微笑んでいた。

 チタはフォリスに飛びつき抱きしめると、フォリスが何かを話そうとした。


 その瞬間後ろから歓声が上がり掻き消された。

 フォリスの後ろには、援軍を呼びに行ったノワール・ブラン・ルミエルの三人が空を飛んでおり、その下に各国の王や、騎士団の手練れ達が並んでいた。



「マーズ兄様、油断しないように。」

 ジュピテールが話した。


「昨日のエルフ族の親玉だろ?油断するかよ!」

 マーズが声を上げた。


「あれはお互いの可愛い部下達に、助けられましたな…。」

 ジュピテールが呟くと、フォリスとカールが顔を見合わせた。



 コスモス王国では昨日の夜に、ガーベラ山脈での闘いの時に見逃していたエルフ族の隊長が、宣戦布告の時にキュリノスと来て、捕まっているジュールを助けるために、コスモス王国で小さな戦いがあったのだ。



「色々あったみたいですね、父様。」


「バランもな。」



「シュヴァードは何処なの?」

 ムーシュがバランに尋ねた。


「あのキューブの中で、猫剣王さんとランクスさんと、ブリズクイーンさんとウルフードと、サタンさん共に、エルフ王と闘ってます。」



『今回の戦争を仕掛けて、世界を…全種族を敵に回したエルフ王と、たった6人で…!?』

「そ…そうですか。」

 ムーシュは不安気に呟いた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『凄まじい光と魔力に、とっさに目を瞑ってしまったが……生きてる…。』

 シュヴァードがゆっくり目を開くと、九角形の紫色の障壁がシュヴァード達を覆うように、囲まれていた。



「大丈夫かぁ?すぐに奴の追撃が来るぞ。」

 サタンが声を上げた。

 シュヴァード、ブリズクイーン、ウルフードはすぐに立ち上がった。

 猫剣王は周りを見渡すと、声を荒げた。


「ランクス!ランクスはどこだ!?」



「すまんのー、彼の死体を庇うのは、間に合わんかったぁ……。」


「……そうか。」



「わしの宇宙魔法をこうも防がれるとは、それにこの中に四天王魔法使いは、誰もいないというのに。

 仕方がない、1週間に1回しか使えぬとっておりを、見せてやろうか!」

 エルフ王がそう話すと、両手で地面を突き声を上げた。


黒空無クロアナ!」


 すると、ウルフードの足元が真っ黒になり、一瞬でウルフードを吸い込んだ。

 真っ黒な魔力は瞬く間に広がっていき、ブリズクイーンを吸い込み、シュヴァードの足に触れようとした。


「飛べ!」

『サタンさん!』


 シュヴァードはサタンの声を聞き、とっさにジャンプすると間一髪、魔力を逃れた。

 そしてシュヴァードの足元に、紫色の魔力の足場が出来ていた。


 足場に触れると、ビキッ!とヒビが入り足場が崩れ魔力に飲まれ、踏み損なったシュヴァードもそのまま魔力に飲み込まれた。



「甘かったな、黒空無クロアナからは逃れられない。魔界の王であってもな!」

 エルフ王が両腕を上げると、真っ黒な魔力はサタンを捕らえるように、動き出した。

 サタンは紫色の魔力で防いで、凌ぎ続けようとした。


『我慢比べ……魔力の絶対量が圧倒的に負けてるのー、さて残された者の為に、少しは爪痕を残しておこうか。』

 サタンは両手を合わせると、目を瞑り大量の魔力を解き放った。


将覇魔王陣ショウハマオウジン!!」



 サタンは大量の魔力を解き放つと、共にエルフ王の真っ黒な魔力に飲み込まれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ