113話 本体
大変長らくお待たせしました。(-人-)
数分前、別のキューブでバラン・キュリノス・ラトュールル・ヌー・リュッシュが驚いた表情をしていた。
5人の視線の先は、煌びやかな紫色の宝石に手を触れている、ラムム姿だった。
そして紫色の宝石の中にエルフ王が、閉じ込められていたのだった。
「一瞬で!」
「エルフ王を!」
「封印した!」
バラン・ヌー・リュッシュが驚いていた。
「妖精姫さすがやなぁ〜。」
「……ラムム。」
キュリノスとラトュールルも驚いていた。
「ソー・アメジスト。」
ラムムの手が紫色の宝石から離れると、宝石は砕け散り中にいたエルフ王の分身も姿を消した。
それと同時にキューブの壁も消えた。
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「行くぞ、紅魔黒!」
ルキフェルが声を上げると、紅魔黒はエルフ王を睨みつけながら一瞬で距離を詰めると、右手から黒い刀の先端が現れ突き刺そうとした。
「硬化魔法を融合済みだ、この程度の刃はわしには届かないな。」
エルフ王が右手の平を伸ばし、剣先を受け止めようとした。
剣先が手の平に当たり欠けた。
左手を伸ばしたルキフェルが声を上げた。
「グラビティ・エンチャントー!!」
エルフ王の右手が吹き飛んだ。
「ほー。だが、分裂魔法で…!」
エルフ王の右肩から、右手が生えようとしていた。
「その前に切り刻む!紅魔黒!剣刃モード!」
紅魔黒の体がルキフェルの左手に吸い込まれると、赤い刃が二本伸びた、黒剣に姿を変えた。
ルキフェルが剣を大きく振ると、剣から伸びた赤い二本の刃が、カーブを描きエルフ王の左右から襲いかかった。
「アイシロワクル!!」
エルフ王は地面を強く踏みしめると、左右を守るように地面から氷の柱が現れた。
「アレイユ!」
エルフ王の背後に回っていたリュンヌが声を上げた。
「おー!!秋刃!」
アレイユは剣先をエルフ王に向けた。
「雷炎!」
リュンヌも刀先をエルフ王に向けた。
「貫けーー!!!紅魔黒!」
黒剣から伸びた赤い二本の刃が、エルフ王の左右から貫き身体を貫通した。
背後から雷撃、正面から炎撃がエルフ王を追い打ちした。
「やったか?」
リュンヌが呟いた。
エルフ王の真上を飛ぶ、ルキフェルが声を上げた。
「リュンヌ邪魔だ!天重紅!!」
何度も剣を貫いた。数十本の赤い残像がゆっくり消えた。
『分裂しきれん…。』
砂埃が収まるとエルフ王が消えており、アレイユ達を囲っていたキューブも消えていた。
「やったぜ!」
アレイユが声を上げた。
「バラン兄!!」
外に出ると、バラン・キュリノス・ラトュールル・ラムム・ヌー・リュッシュのキューブのチームが待っていた。
「おー良かった。残りは二つだな。」
バランが優しい声で話したが、その表情は曇っていた。
「残り一つだぜ!」
その聞き覚えのある声にバランが振り返ると、チタがキューブが壊れると同時に、勢い良く飛び出してきた。
「アルス隊長とアンレクテル爺さんのお陰で、なんとか倒せたぜ!」
「良かった。チタ・フォリネ・アルス隊長。魔族の3人とも無事で…。」
バランが話終わる時、表情が固まった。
「バラン君も気付いたか…。」
曇った表情のアルスが呟いた。
「どうしたんだ!2人とも!」
アレイユが不思議そうに声を上げた。
「キューブはあと一つ、ここにいるメンバーの3つのキューブは分裂魔法の分身だったって事だ!アレイユ。」
リュンヌが話した。
「早く加勢に行かないと!」
キャンディスがキューブに触れようと、右手を伸ばした。
パシッ!ルキフェルがキャンディスの右手首を掴んだ。
「待て!キューブに触れるのは危険だ!それに中のメンバーを、残りのメンバーを思い出せ!負けるはずが無い!!」
「中のメンバー…。あっ!!」
「サタン様が負ける分けねぇ!」
「で、結局あの中に誰がいるんだ?フォリネ。」
チタがフォリネに尋ねた。
「騎士団長・猫剣王さん・ウルフード隊長・シュヴァードさん・ブリズクイーン様・サタンさんがあのキューブの中にいるのよ!」
フォリネが話した。
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