10話 雄叫び
炎と砂ぼこりが収まると、1人の影だけ見えた。
その影の体の周りに、七角形の透明な赤黒いシールドに囲まれていた。
「はぁー、はぁー、俺様としたことが、まさかここまでの魔法いや連携魔法だったとわな。」
「私とフォリスさんのコンビ魔法を防がれるなんて。」
キャンディスは、魔力を使い尽くしてふらふらになっていた。
倒れかけたキャンディスをリュンヌが受け止めた。
「ルキフェルにも少なからずダメージを与えられたはずだ、キャンディスと副隊長は休んどいてくれ、ここからは俺がやる。」
「だめだよ、リュンヌ君も相当ダメージを蓄積してるはずだよ! しかも1人でなんて…。」
「1人でなんかやらせないぜ!遅くなった!」
アレイユがリュンヌの横に飛んでくる。
「アレイユ!遅いぞ。」
リュンヌが明るい表情を向けた。
「武装ゴブリンに邪魔させない様にやって上げたのに、あーあーお前ら…全滅だな!!」
不気味に笑いながら声を上げて、左手を上から振り下ろした。
「グラビティ!」
リュンヌとアレイユは重力に耐え突っ込んでいく。
「くたばれぇぇーぇえ!」
ルキフェルはさらに重力のパワーを上げた。
リュンヌがフラつき崩れかけた時、アレイユがリュンヌを支えて一緒に突っ込んで行った。
「ちぃっ…。」
ルキフェルは、剣を左手に持ち変えて構えた。
「炎旋!」 アレイユの剣に炎の渦が帯びる。
「迅雷!」 リュンヌの剣に雷が帯びる。
2人はルキフェルに連続で切りかかった。
ルキフェルはなんとか剣で凌ぎ続けた。
そしてルキフェルは一旦距離をとる。
「グラビティエンチャント!」
ルキフェルは手を剣にかざして魔力を送ると、2人に向かって走り出す。
アレイユとリュンヌも走り出した。
「うぉーおー!」
「炎雷旋迅!!」
3人は同時に剣を振り下ろした。