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四煌の顕現者  作者: 天御夜 釉
第5章 夏休み
131/374

第131話 「デート 2」

2016.03.19 1話め

更新が遅れてしまい申し訳ありません。

「お父様たちが、新しい【Neシリーズ】を作るんだーって仰っておりました」


 ということで、古都音とともについたのは【終夜よすがらグループ】本社となりにある【顕装】専門店、「アーク」である。

 たしか何で、こういう名前になったんだっけ? 忘れたけれど、それ相応の理由があったらしい。


 本社となりあってかなり広いが、それでも足りないほど敷き詰められている。

 剣や斧と言った、基本的なものでも数百種類陳列されており、中にはオーダーメイドを承っているコーナーもあれば、使い心地を試すためのコーナーもある。

 さすが超大企業、と評価せざるを得ない規模に、何度か来ていながらも俺は圧倒された。


「新しいの? 今は、【始焉】で俺は十分なんだけれど?」

「結局、【始焉】は基本形に少しのギミックを加えた程度のスペックしか無い……と、お父様が。神牙家の当主様や、月姫詠家の当主様も協力するらしいです」


 ミソラさんとザイラさんが協力するって?

 俺は少々嫌な予感すらして、鸚鵡おうむのように言葉を返す。一体何を考えているのだろう?


 ……まあ、ミソラさんはなんか新しい物を開発して、それを試したいんだろうな。

 月姫詠家の当主様は……よく分からない。「月姫詠デザイン」が協力すると聞いて、何かはそういう関係のものなんだろうなと漠然と、予想することしかできなかった。


「みんな、ゼクス君に期待してらっしゃるのですね。ちょっと嫉妬してしまいそう」

「……それはちょっと、やめて欲しいかな」


 いたずら好きな小悪魔っぽく笑う古都音に対し、俺は首を振って答えた。

 俺は知っている。当主たちは何も言わないが、「協力するからそちらもしろ」と無言の圧力をかけて来ているのだろう。

 今のところは、俺は復讐対象が蒼穹城家・刀眞家だから利害が一致するわけだ。


 だから彼等も援助をするのだろう。


「わかっていますよ。けれど、神牙家や月姫詠家がそうだったとしても、終夜家はゼクス君を思ってやっていますからね?」

「……おう、ありがと」


 少々、やっぱり有り難いんだなぁと。


 ……そんな話をしていると、店員が1人近づいてきた。年齢を見て予想するに、俺たちとそう変わらない。ということは正社員ではなくアルバイトだろう。

 性別は男……だと思う。だとお思うと考えたのは、それが中性的な顔をしているからだ。

 スバルに顔がよく似ている……。よく見れば、神牙スバルその人だった。


「なにやってんの、スバル」

「たまにこうやって遊びに来てるんだよ……。正しくは自分から手伝いに来ているわけなんだけれども。……ということでイラッシャイマセー。今日はデートですか?」


 その言葉に、おちゃらけたような雰囲気が感じ取れず、俺は若干引き気味に頷く。

 スバルも【八顕】の次代候補だから、そういうことには敏感なんだろう。

 俺だって、【三劔】の八龍家……その次期候補である。

 注目される理由は十分にあると、いうことだ。


「パーティ以来だな」

「うん。……あの決闘は、やっぱりゼクスさんスゲー! って思いました」


 あの決闘は……なんというか、相手が舐め腐っていたというか、流石に弱すぎると言うか。

 榊兄弟が完全敗北して、一家は颯の監視の中で八龍家・神牙家・鈴音家・善機寺家に対し地面に頭を擦り付けて謝罪した。

 それだけで俺は、十分に満足している。


「たしか、スバルって楓ちゃんに一目惚れしたんだっけ?」


 話の話題を変えるために、俺が言った言葉。

 それに対して、スバルはあからさまに動揺する。


「あ、はい」

「あー、やっぱり?」

「あ、そです、はい」


 カマをかけるつもりだったのだが、やっぱりそうらしい。

 颯から話は聞いていたんだけれども、やっぱりこうなるのか。


 【八顕】同士の婚姻ってOKだったっけ? なんか、風習的にアウトだった気がするんだけれどまあ良いや。


「おすすめの【顕装】を教えてくれよ」

「あ、了解っす」


 そうして、俺はスバルに案内してもらうことになった。



---



「こんなところにデートに行くぅ? 普通」

「……したことがないからわからない」

「うん、私も一緒。だってそんな機会ないもの」


 ……俺は、月姫詠つきよみと変装して「アーク」へ入る。

 ここに来るのは初めてだ。何時も東雲の方に言ったことがあるが、こちらのほうがやはり品揃えは良い。

 しかも、ココ一帯全てが【終夜グループ】の【顕装】になるのか。


 多い。……多すぎる。

 確か、【終夜グループ】の開発した、生産終了のモデルも合わせてカタログを作ってみたところ、六法全書並の厚さになったと聞いたことがある。

 つまりは、こういうことなのだろう。


 ちなみに、月姫詠の服装はというと。

 ……説明が面倒だ。なーんで終夜先輩と真逆? 露出狂か何か?

 絶対、ゼクスが見ていい顔はしないだろうな。


「ここにあるものすら、全てではないのか」

「結構古いものもあるのよね。他のお店には比較的に新しいものが多いのだけれど、ここなら20年物のものもあるのよねー、欲しい」


 欲しい、とか言っているのだけれど。

 ……やっぱり、麻痺しかけた【八顕】の金銭感覚だとしても、高い。


「……ねえ、見てないでゼクス君の偵察でしょう?」

「あー、そうだったな」


 ……何で、俺はこんな事になっているのかね。

改めて、更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした。


次回の更新は多分今日です。

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