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四煌の顕現者  作者: 天御夜 釉
第5章 夏休み
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第115話 「血筋を継ぐもの」

2016.03.03 一話目

 神牙家でパーティが行われたのは、神牙研究所で計測をしてもらってから2日後のことだった。

 ミソラさんに厳しく言われてから、俺とはやては常に2人で訓練をしている。

 俺は半分習得した【開放】と、その副作用で出来た【被覆】を一旦習得したものとし、新しくもう一つ防御の手段を。


 勿論、颯には殆どを任せ、最終手段としての防御の手段を探している。


 颯はというと、今までの通り【大竜巻】の訓練をしつつ竜巻以外の攻撃方法を模索している。俺は「栄都えいとが使っていた斬撃を応用してはどうか」と言ってみたが、それで何かを得たようだ。


 父さんもその見本として、顕現力を濃縮して射出するっていう方法を教えていたし、近いうちにそれも見られるんじゃないかな。



 ……と、いうわけで。


「パーティーの準備は出来たか? ゼクスよ」

「……うん」


 俺は今、礼服を着ている。八顕学園の制服とそう変わらないけれど、なんというか色が明るい。そしてどうも変な感じがする。


「スマートカジュアルでいいんだよね?」

「おう、成人はだ」


 20歳が成人だから、……どう考えても無理か。八顕学園を始め、【顕現者オーソライザー】に与えられた期間は一貫として7年だ。その途中で成人を迎えることになるけれど……。

 正直、年齢を下げても良いのではないか、と思う。けれど中学卒業まで、【顕現者オーソライザー】とそれを持たない人の、教育上の違いは見受けられない。


 10歳のときに検査、試験が行われて、そこから5年間は高校にどうするかの準備だ。

 15歳になって、やっと始まるといったところだろう。


「一番無難な格好だろう。万が一何かがあっても、そのまま対応できる」

「戦闘できるように作られてるからね……」


 まさか神牙側のパーティでそんなことになるとは思わないけれど。

 だって、参加するのは神牙家、八龍家、蜂統家、善機寺家と【三貴神】の面々だろう?


あとは終夜家と鈴音家もか。……凄いなぁ。結構な人数に成ると思う。


 何か問題でも起こるのかね。それとも、神牙家は分家もくるからッて言うことなのかな?

 




 善機寺一家と合流し、颯が同じ服装をしているのを見て、俺はやっぱりかと頭を抱えた。

 どう考えても、ここに落ち着くわけか。ていうか母さんもそうだったけれど、奏魅さんも着物似合っているよなぁ。


 銀髪と着物って似合うんだなと。認識したところで颯なら袴でよかったんじゃないかと。


「ないわ」

「……どうした、ゼクス」


 本当は他の人がもっとラフな格好で着ていたのなら、着替えをもってこようかと思っていたんだがそんな訳はなかったな。

 一応公的な場所だものな。俺は今まで八龍家に来て、そんな自覚なく殆ど一般もどきの場所で育てられてきたからわかっていないけれど、普通に八龍家って名家なんだよな。


 俺は頭を掻いて、恥ずかしながらと口にだす。


「いや、着替え持ってこなくてよかったと思ってさ」

「大人たちはもっと着飾っているのに……。特に男子は駄目だとさ」


 俺達の隣で、かえでちゃんがくるくると、着飾った着物ではしゃいでいる。


「今日はいっぱい廻るのです」


 何時もはほとんど発さない言葉も、今日は興奮したように頬を上気させてそうしていた。

 ふむ。……ふむ?


 俺はそこに違和感を覚え、颯とおろしさんの方を振り向く。


「なんか、幼くないか?」

「いや、1年前を思い出してもらいたいがそう変わらないだろう? しいて言えば……事情があってな……【颯よりも1歳年下】で【颯の妹】ということに『なっている』」


 事情、というのはその言葉だけでよく分かった。

 多分俺と同等か、ソレよりも酷い状況だったのだろう。いや、俺は物心のついていたほうだからもっと幸いか。

 彼女は、自分が本当は何歳なのかも知らないのだろうな。


 ただ、顕現力が感知されたという原因から年齢を少々釣り上げられているのだろう。


「なるほど」


 俺はこちらをきょとんとした目で見つめる楓ちゃんに視線を合わせて、ぽんぽんと頭に手を乗せた。


「同じ境遇同士、幸せになれたな」

「…………」


 無言でこくこくと。俺の言っていることは理解できているらしい。

 ぱぁっと目を輝かせ、言動こそ幼いものの楓ちゃんは、きちんと理解しているようだった。


「じゃあ冷躯、待た後で」

「はい、先輩」


 そうこうしているうちに、迎えの車が来たらしい。

 颪さんと父さんが一旦の別れを告げ、俺たちは善機寺一家の乗っている車の後ろに乗る。


 そして、俺は今しがた。父さんが一つの胸章をつけているのを目撃した。

 どこかの家紋? のようだ。全く派手さはなく、どこか落ち着きの払った、しかし威厳のあるもの。


 好奇心が頭をよぎり、気がつけば俺は父さんに質問をしていた。


「父さん、その胸章はなんだい?」

「これ? ……これはね」


 父さん――八龍冷躯は、俺の質問に対して神妙な顔つきになる。

 そして、「そろそろ教えてもいいか」と溜息をつくと、俺に教えてくれた。


「俺が御氷家の血筋を正統に継ぐ者だっていう証だよ。八龍家はもともと御氷家だからね」


 御氷家、その名前は知っている。正直、蒼穹城そらしろ家よりも、氷属性の担い手一族としては有名なそれだ。


「えっ」

「俺の代で直系の血筋は途絶えてしまうけれど。……御氷家と八龍家、2つの家の名前はゼクスに継いでもらおうと思っている」


 その言葉に、俺は何も声を発することが出来なかった。

次回は新キャラ多くなるかな、と。


次回更新は今日。


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