第2話:満月の夜に・・・
「ただいま!!」
脱出用具を買い終えた俺は家に帰ることにした。あまり深く考えすぎると遅くなって親が心配するし、荷物が増えそうだからだ。あとは、今月のお小遣いがピンチなのだ。今度バイトしようかな・・・。
「おかえりー。遅かったわね。」
「ああ、ちょっと買い出しに行っててな。悪い悪い。」
「まったく、遅くなるなら電話ぐらいしなさいよ。」
「ごめんごめん。」
母さんに怒られてしまった。連絡すんの忘れてたわ。理由は言えないけど。
「まぁーいいわ、それより早く着替えてらっしゃい。ご飯もうそろそろだから。」
「今日の夕飯は何?」
「カレーよ。」
おお、やったね!!さっきからスパイシーな香りがすると思ったら。やはりカレーか。
「それより、あんたさぁー」
「ん?どうした?」
何か、母さんが睨んできた。なんでしょう?
「何買ったのよそれ!?」
ああ、これのことか。はて、なんて言おうか?
「えっと・・・、明日美術で工作があってな、それで用具を買ってきたんだ。」
「ふーん。今時そんなこともやるのね。一体何の役に立つやら?」
「ソウデスネ、ハハハ。」
なんとかごまかせた。最後は完全に棒読みだったけどばれてない。
心の中でグッジョブポーズをした俺は、とりあえず夕飯を食べた。
「ご馳走さまでした。」
「容器はそこに置いていて、取りに行くから。あ、あと、風呂に入りなさい。」
「ほーい」
まずはひっとぷろ浴びますか。
数分後、風呂から出た俺は早速作業に取りかかった。
「まずは、ロープを柔らかくなるまで伸ばして、そのあとに色付けだな。」
買ったばかりのロープは硬いのが多い、だから伸びやすいように柔らかくする必要がある。
「なかなか、硬いな。」
ちょっと高級なロープを買ったから、想像以上だ。だが、しかし諦めるわけにはいかん。
30分後なんとか柔らかくなってきた。
「よし、こんなもんだろ。で次は・・・色付けだな。」
あたり一面に新聞紙をひき、スプレーの色がつかないようにした。後はシンナーの臭いを嗅がないようにマスクとゴーグルをして、準備完了。
「より、いくぞ!!」
サァーーー
ロープはみるみるうちに白色になっていく。元が白っぽかったけど念のためだ。ちなみに今使ってんのは校舎を塗る際に使った。ペンキの色と同じである。これは悪友友孝からの情報だ。何にも、あのペンキを塗った人と知り合いだったらしい。
数分後、ようやく塗り上げた。だが、工夫はそれだけじゃない。
「仕上げに、ちょこっと誇りをまぶせば・・・完成だ!!」
そう、ペンキは時間が経てば風などにより、誇りがつくことがある、たがらわざとほこりをまぶした。ちなみにほこりは学校のグラウンドからいただきました。
「ふぅー、これでこれはよしと、次は・・・」
時間を見てみると、もう深夜の2時だった。
「寝るか。明日もあるし。」
覗き作戦まで後1日あるし、しかも明日は午前授業だけだ。なんと運がいい!!
「その前に、このロープを干すか。」
俺は、外に出てロープを吊るして干していた。
すると、空を見上げると
「すげーな、満月ってこんなに美しかったけ?」
今まで、なんとも思ってもなかったが今回は一段とうつくしい。まるですいよされるようだ。
「そういやー、冷蔵庫にジュースとお菓子が余ってたような・・・」
とりあえず、階段を降りて、冷蔵庫に向かう。
「えーと、苦汁生活・・・違う。毒舌ペッパーは苦いからやだな。うーん」
冷蔵庫を荒らしてるが一向にもいいのが無い。
「仕方ない、買いに行くか。確か、この辺の近くにコンビニがあったはず。」
なので家を出た。家出じゃないぜ?ちょっとお使いさ。
「それにしても、夏だけど夜は寒いなー。」
上着持って来ればよかった。と思ってるとコンビニに着いた。
「ええっと、GGレモンかそれともこっちの期間限定のグレープーナか迷うな。」
悩むこと数分
「よし、グレープーナにするか、お菓子は・・・ポテチでいいか。」
味は迷った挙句、のり塩にした。
「これで、オッケーかな?」
レジに向かおうとしたその時、1冊の本がある目に入った。
「これは、今絶賛人気中のアイドル萌香ちゃんのビキニ水着集!!しかも袋とじ付き!!」
やはり、健全な高校生。その方向のものを見つけるのは早い。
「これは、買うしかない!!」
買い物カゴに突っ込んで急いで、レジへ。
「お会計1536円でございます。」
また痛い出費!!だけど仕方ない。
俺は、さっそうとコンビニから出た。
「ふふ〜♪」
歌いながら歩いていると。途中で気ずいた。
誰かにつけられてると。
「足音からして1人か、地面から足が離れるのには男性にしては遅い。女か?」
俺は、警戒しながら歩いていると、途中の曲がり角で追跡者か、左へ曲がった。
どうやら違ったようだ。単に帰宅途中だったようだ。
「ふぅー」
俺は、警戒態勢を解除して歩き出した。そして、家に着いた。
階段を上がり、屋根に登って、満月を見ながらジュースとポテチを食っていた。完全におっさんだな。
「しかし、本当に綺麗だ。」
彼はつぶやいていた。
「これからも、こんな生活が送れたらな・・・」
そして、存分に楽しんだ俺は寝ることにした。
これから起こることを予想してなかったのは言うまでもない。
said?
「やっぱり」
少女は先ほどの追跡で確信を得た。
彼が、普通の人間じゃないことに。
「とりあえず、お嬢様に報告をしなければ。」
少女は口笛を吹くと、一匹の黒猫がやってきた。
「お願い、伝えてね。」
「ニャー!!」
少女は黒猫に手紙を渡し、届けるように命令する。
「お嬢様の悲願がこれで・・・」
少女は満月に手をかざした。
「今宵、我らの悲願が絶対交戦があらんことを。」
二話目です!!ストーリはまだ動きませんが
次回は覗き作戦の緊急会議が開かれます。果たしてその内容とは?