いない妹
「○○〜、お風呂沸かして頂戴」
「はいよ〜」
母に頼まれ、俺は自分の部屋から出て風呂場へ向かった。風呂場へ行く途中、弟のおもちゃがいっぱいある子ども部屋がある。その子ども部屋をチラッと覗いて見ると、弟と妹が仲良く遊んでるのが見えた。俺は弟とは14歳も歳が離れているので、俺よりやっぱ歳の近い妹とよく遊んでいるように思う。何か俺だけ仲間はずれにされているような切ない気持ちになりつつ、風呂を沸かしに行った。
部屋に戻り、PCを起動させて時間を潰していると、母から夕飯が出来たから部屋から出てきなさいと呼び出しをもらった。
部屋から出てリビングへ行くと4人分の食事が用意されていた。しかし、1人分はラップをされている所を見ると父はまだ帰ってきていないらしい。まだ箸を上手く使えない弟は母が手伝ってようやく食べれている。そんな母は妹には一切の手伝いはしない。不器用に箸でご飯を食べている所を見ていると不憫に思い、スプーンで食べさせてやった。何か母は妹の事嫌いなのかな? と思ってしまう程酷い扱いだ。
食事を終えると、母は弟とじゃれあっている。見ると、妹は1人でそこら辺をウロウロしていた。仕方ないから遊んでやろうと思って声をかけてみる。
「はな〜、何してんの?」
俺が話しかけると、ビクッとはなの身体が震え、子ども部屋の方へ歩いて行ってしまった。え、俺嫌われてんの!?軽くショックを受けた俺は渋々と自分の部屋に戻り、またPCを弄っていた。
次の日の朝、母が班長の仕事があるやら何か言っていたが、あまりの眠たさにはいはいと流していた。とりあえず昼には帰るから、はなと弟の面倒を見てほしいということだけは伝わった。
母が出掛けていったあと、顔を洗って眠気を吹き飛ばし、強烈な寝癖を直したあと子ども部屋の方へ行った。子ども部屋に入ると、弟はアニメの○ムと○ェリーを見ていた。あー懐かしいと思いつつ、これなら弟の方は心配ないなと安心した。はなの方へ目を向けるとどこを見ているか分からないが、遠い目をしていた。
「はな、どこ見てるの?」
俺が、話しかけるとはなは俺の顔をじっと見た。あ、また避けられるかも....と思ったけどはなは満面の笑みを浮かべ、俺に抱きついてきた。俺も昨日の反応と一転してこの表情なので嬉しくなってはなとじゃれあった。しばらくするとはなが突然走り出した。俺はおっ、鬼ごっこか?と思ってはなを追いかける。はなは寝室のベッドの中に潜りこみ、それを見た俺は逃がさないように上から覆いかぶさるような形ではなを捕まえた。
「捕まえたー!!」
ベッドからははなの感触があった。が、何かおかしい。全くはなが動かない。俺は急いで
掛け布団を引き剥がすと、泡を吹いて白目になっているはながいた。
「おい、おいはな!!」
動揺で俺ははなを揺すってみるが反応がない。心臓も動いていない。ヤバイ、はなを殺してしまった。胸が痛くなるのと不安で押しつぶされそうになった。とりあえず何とかしようと考え、思考停止に近い状態でありながらも周りに何かないかと探していると、ふと窓から山が見えた。そうだ、山に捨てよう。このままにしておくのはマズイ。急いで大きなバックにはなの死体を入れ、俺は山に登った。
車も人も通らない山の中で俺は必死に穴を掘った。涙が流れ、はなごめんよ....こんなはずじゃあ....と言い訳がましく言葉が漏れた。
はなを埋めて終わると昼のサイレンが鳴った。家に帰るのが怖くなった。はながいないなんてどう考えてもおかしいと思われるに決まってる....。でも帰らないともっと疑われそう....。そう思い俺は家に帰った。
予想通り母は帰ってきていた。そして第一声に
「弟1人にしたら駄目でしょ!?」
そう怒鳴られた。はなのことも聞かれるとビビり。う、うんと曖昧な返事になってしまった。しかし、予想とは違って母はそれ以上は追求してこなかった。
まだ気付いていないのか?そう思っていたがダメだ、もう昼食だ。その時にバレる....。
母から昼食が出来たから出てきてと呼ばれた。身体が震え、中々部屋から出られない....。また母から
「○○〜、聞こえてるー?」
いつもまで部屋に籠っていても事実は変えられないと決心し、俺は部屋から出てリビングへ向かった。そして、ある違和感に気付いた。
昨日置かれていたはずの場所に妹の昼食は用意されていなかった。
「母さん? あの、はなの分は?」
気になって自分からその話題を切り出してしまった。俺の言葉に母さんはえっと首を傾げた。
「貴方は何を言っているの?」
学生の頃、自分が見た夢を小説にしてみました。なのでオチなしと非常にモヤモヤとした内容となってしまいましたね。
この夢を見たあと、少量ですが、涙も流してしまい(笑)本当に妹を....って感情が出ちゃいました。妹いないのですが、とても不思議な体験だったのでこの体験を他の人にも伝えられたらなーと思い書いてみました。
文章のおかしい所が多々あったと思いますが、ここまで付き合って頂きありがとうございます。
次はファンタジー書くぞ〜!!