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快活な写真部  作者: SaiHei
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プロローグ

俺は根元武夫(ねもとたけお)

写真をとるのが大っ嫌いな高校一年生だ。


今年の春、晴れて高校生デビューを果たした俺は、新入生の楽しみの1つ、部活選びで迷っていた。

これからの高校生活を捧げる大事な選択だ。選択ミスで三年間を棒にふる何てことになったら堪ったもんじゃない。

これだけは慎重に選ぼうと心に決めていた。

ところが、呆気なく決断の時は来た。

俺がいつものように居間で悩んでいると、急に後ろから声がした。

「写真部はどうだ?」

振り向くと父さんだった。何でも、父さんは高校、大学と写真部だったらしく、それはそれは楽しかったのだとか。

そこからは速かった。父さんの幾多の思い出話に耳を傾けるうちに、これ以上聞くのがめんどくさくなり、つい口に出てしまった。

「わかったわかった。もう俺写真部に決めるわー」

まあそんなわけで次の日の放課後、早速写真部の部室へと向かった。

「こんちわーっす。入部したいんですけど...ってあれ!?」

ドアを開けて入ったはいいが、部員が誰も居ない。

そして正面の黒板を見ると、そこには赤チョークでこう書かれていた。

(ただいま留守中!ご用のかたはこちらまで!090-○○○○-○○○○ 部長)

まじかーー。もうこれ連絡しなくて良いよな、うん、帰ろ...。

その時、後ろから声がした。

「おっ? キミ入部希望?」

振り替えると、長い髪を後ろで1つに束ねた白衣のお姉さんがいた。

「えーと...はい、一応そうですけど..どなたですか?」

「私はこの学校で養護教諭をやってる水谷雫(みずたにしずく)。写真部の顧問をやってるんだー。」

あー。先生か、この人。

「あの、水谷センセー? 他の部員は?」

一応聞いておく。

「黒板に書いてあるでしょう? 電話してみたら?」

と言い残し、センセーは廊下に出ていってしまった。

言われるがままに携帯を取りだし電話して見ると、すぐについさっき聞いたような声がした。

『もしもし?部長の水谷センセーだよー』

なぬぃーー!?

電話が切れ、すぐにセンセーが入ってくる。

「と、言うわけだ、キミ」

いやいやいやいやいや、どうなってんだ、オイ!?

「改めて自己紹介しよう。写真部の顧問兼部長の水谷雫だよ。今のところ部員数は二人! 私とキミだ!」

終わった。もう高校生活台無しに違いない。俺の青春を返せぇーーーーー!!!!!!

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