本当は…
今日は土曜日で学校が休み。
俺は今、市立の図書館にいる。
最近の新聞記事を漁っているところだ。
結が言うには、二週間前に自殺したと言っていた。
もしそうならば地元の新聞にでも取り上げられていてもいいはずだ。
若者の自殺は目立つ故に記事になりやすい。
俺は丁度、二週間前の新聞記事を手に取る。
パラパラとページを捲っていくがそれらしい記事はまるでない。
更にそれよりも前の新聞記事を手に取って読み始める。
数分読んでちょうど、スポーツ欄に差し掛かる直前にその記事はあった。見出しのタイトルは
「女子高生自殺未遂」
という余りにも無感情に書かれたものだった。
「…未遂?」
確かに自殺ではなく未遂と書かれていた。
それに疑問を抱きつつも読み始める。
記事にはこう書かれていた。
『隣町の公立A高校に通う女子校生が町内の自宅であるアパートで昨夜、浴槽で手首を切り自殺をしようとしたが隣の部屋に住む女子大生がこれを発見。
救急車で運ばれた女子高生は早期発見により、一命を取り留めたが意識不明の重体。
自殺原因は親による虐待と思われるが警察は女子高生が意識を取り戻ししだい詳細についてを調べる方針である。
』と書かれ文章の隣に名前が明記されていた。『公立A高校三年生…』
「…白凪ユイ」
その名前を見て脱力した。
名前が違う。
彼女は平崎結であり、記事の女子高生は白凪ユイである。
似ても似つかぬ名前だ。
もう一度記事に目を移すと顔写真が載っていることに気付いた。
文章に気を取られていたのか全く気が付かなかった。顔写真を見る。
「……え?」
驚愕した。
顔写真は予想もできない顔が映っていた。
動悸が速くなり、息苦しくなる。顔写真には。
「…結…さん」
そこには間違う訳がない。平崎結の顔がそこにあった。
「…なんで」
名前が違うのに彼女の顔がある。
頭の中で考えるよりも体が動いていた。
新聞をその場に投げだし、思い切り駆けた。公園に向かって俺は走った。
今回は割と短めです。 更には二人の触れ合いがありません。 次回からは佳境に入ると思いますので頑張ります。