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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

親友

作者: クロウト

小説自体は少し前から書いてはいましたが、投稿は今回が初めて僕が初めて書いた処女作ですので、劣る点はありますがよかったらご覧下さい。

僕の前には何時もあいつがいた

あいつと僕はいわゆる“親友”って言うやつだ

でも

どんなに勉強をがんばってもあいつが学年1位で僕は補修

どんなに部活をがんばってもあいつはレギュラーで僕は雑用

クラスではあいつの周りにはいつも人がいて

僕は廊下を歩いているだけで避けられる

結局何時だってそうだった。あいつがトップで僕が最下位、

それなのにあいつは親友でいてくれた。

僕はとても良い親友を持ったと思うが、

反面、あいつといるととてつもない劣等感を感じる。

結局僕はどうあがいてもあいつには勝てない。

あいつが悠々と人生を歩んでいるのに対し

僕は地べたを這いずるようにかんじている。


あの時からだと思う。

あいつに対しての見方が変わったのは、



ある時、僕は1人の女の子を好きになった。

それをあいつに相談したら仲を取り持ってくれると言った。

僕は高鳴る気持ちを押さえその日は早めに家に帰った、

翌日思いを伝えるべく彼女の家に行くと、

あいつと一緒にいるのを見た。



抱き合って、キスをしている2人を



この時からだ



あいつに対して、



初めて「殺意」を感じたのは


あいつはクラスの優等生で後輩からは憧れの先輩と言われている。

自分は落ちこぼれで皆から避けられる存在だ。

きっと誰も同情もしないだろう。

逆に2人の邪魔者扱いされるだろう。

恐らくこのクラスに僕の味方なんていないのだろう。


こんな環境だからもう絶望すらしなくなっている、あの光景を見た時にどれだけあいつが優れた人間でいかに僕が劣った人間かを見せ付けられている様だった。

その時僕はあいつに殺意の他に「僕」という人間を恨んだ。確かにあいつは努力家で何だって怠らずにやってきた。それは自分で言うのもなんだが僕だってそうしてきたつもりだ。だが何故かあいつだけが賞賛を浴び、僕は貶されてきた。何故あいつだけ皆から親しまれ、僕が当たり前のようにバカにされ踏み躙られたのか。何故あいつの様な完璧で非の打ち所の無い人間がいて、僕の様なダメ人間がいるのだろうか。


だが、1番僕にとって不可解なのが何故あいつが僕と親しくしようとするのか。

あいつはクラスの大体の人間があいつと親しい、今までに彼女だって何人もいただろう、ただ単に僕と親しくすることによって誰かの賞賛を浴びたいが為の偽善的な行為ならば、それはそれで僕は良い、僕がきっぱり断ればよいだけのことだ。


問題はあいつが良心によって僕と友人になろうとしているのであれば、僕が彼女のことを好んでいたのを知っていたのに、何であのようなことになったのか。


それがまったく僕にはわからない。それとも僕のような劣等生を陥れるのを楽しんでいるのだろうか、自分が優れた人間であることを示したかったのだろうか、それとも僕が勝手に友人と思っていただけであいつにとっては周りにいるただの人とおなじなのだろうか、僕が何か悪いことをしたのだろうか、だとしたらあまりにも不平等だ。逆になぜあいつがあんなにも完璧な人間なのかも疑問だ。恐らくあいつがいることで皆の僕に対しての虐めに拍車がかかっているのだろう。


僕は友人が少ない点から見ると良き親友をもったと見えるが、僕の心情ではあいつさえいなかったら僕はこんな惨めで辛く悔しい思いをしなくてすんだのだ。そうだ、あいつを消せばいいんだ、あいつがいなくなれば僕はこの苦しみから逃れることはできないがこうでもしないと僕の心は晴れない。あいつだけではない、今まで僕の事を人間以下の扱いをした奴ら、それを他人事のように見て見ぬふりをしてきた奴ら、あいつに関わった人間すべてこの世から抹殺してやる。


そして彼女もだ。彼女も殺せば僕だけのものになる、まずはあいつと彼女からだ。あの二人だけは絶対に消えてもらう


翌日、僕は今から二人を殺しに行く。

あの忌々しい光景が今も脳裏に焼きついている彼女の家の前にいる。今更遠慮はいらないだろう、僕はドアを蹴破り家に進入にし、彼女の部屋に向かう。片手に鉈を持ち彼女の部屋を見つけた。そしてドアを開いた。するとそこにいたのはベッドで裸で毛布に包まり唖然とした表情で僕を見る2人だった。僕はそれを見てあの時と同じ感覚を感じた。


あいつは僕から彼女の全てを奪っていく、彼女への思い、心、純潔さえも。二人は怯えたような顔で僕を見ている。あいつは必死に僕に説得しようと呼びかけるがはっきり言って言い訳にしか聞こえない。

僕が好きになる前から付き合っていたとか彼女から告白されたとか。

だが僕にはそれさえも憎悪心を大きくするだけだ。僕はこれ以上二人の声を聞いていたくないが、最後に何故あいつが僕に親しくするのか聞くと、あいつは口を閉ざした。僕は苛立ちながら鉈を握り締め彼に詰め寄る。

そして同じ質問を投げつける。するとあいつが小さな声でつぶやいた。


「お前には利用価値がある。お前を使って自分との格差をクラスの連中に見せ付けるためにお前が必要だった」


これを聞いた途端、僕は笑いが止まらなかった、やっぱりそうかと、あいつは僕を利用していただけなのだと。だがあいつの命を僕が今握っている。それを感じるだけでも胸の鼓動は速まる。そして僕は笑いながら鉈をあいつに向けて振り落とす。

だがその瞬間、僕の背中に衝撃が走る。そして背中から熱を感じ、足元には夥しい量の血溜まりができていた。ようやく僕は何が起こったのか把握できた。


彼女が僕の背中に包丁を突き刺している。彼女は翻弄しながらあいつの元へ行き僕を突き飛ばした。僕は突き飛ばされ床に倒れる。この時ほど自分という人間を恨んだことは無い、最後の最後まで上手くいかないのだ、

だが、また僕は笑いがこみ上げてきた。意識が薄れる中彼女に向けて最初で最後の言葉を発する。


「これで君は“殺人者“だよ」


この言葉に彼女は一生縛られるだろう。彼女から一生僕が消えることは無いだろう。


これが唯一、あいつから奪ったもの。



如何だったでしょうか?

処女作ですので至らぬ点があったかもしれませんが、

読んで下さっさ読者の皆様ありがとうございました。

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