ポヨ
ヤマタノチンコ(チンコが八つある)
10時間揺られてタールミナトの街に帰ってきた。俺は着ぐるみを着て、冒険者ギルドへ向かった。
そうだよ! そうだよ! なんかうっかり忘れてた!
名前名前名前名前名前名前名前!
俺は受付にいたメリイさんに「パーティの名前を変えたい」と叫んだ。そうだよ、パーティ名を変えるチャンス!
「パーティの名前?」
ドナータさんが首を傾げた。
「変更の際は500タータかかりますが……」
「構わないよ。変える変える!」
「へーシャムくんパーティあるんだ。設立1ヶ月前じゃん! 名前が〝標の一団〟……えーっ、いいじゃん! かっこいいじゃん! しるしのいちだん! 〝標の一団〟のままにしようよ! 変える必要ないって!」
「俺が恥ずかしいの! なんかかっこつけてるみたいで」
「君のキャラに合ってるよ」
そんなまるで俺がカッコつけみたいな……。
「どうするんですか」
「変えるに決まってるじゃないですか」
「変えませんよ。〝標の一団〟で決まり」
「あのねドナータさん! はずかしいんだって本当に」
「自信を持て! そして年上の言うことを聞け」
「嫌だ」
「コボルト見せてあげないよ」
いじめられてる。助けて。いじめられてる。
「どうするんですか?」
「変えません! 500タータ返してください」
「もういいですよ。共に恥を歩こう……」
「そんなことよりさ、私の冒険者登録しないと」
「あっ、そうだ」
別に旅について来るくらいなら冒険者登録はしなくても良いけど、登録しておくと冒険者しか入れない所に入れて便利だから登録しておこうね、と場合の中で話し合いを済ませておいたんだ。
「登録する際は偽名も可能ですよ」
「じゃあドナ! シャムくんもドナってよんで」
「ドナドナさん」
「ドナは1回!」
「ドナさん」
「それでよし」
元気な人だ。俺はあれだ。ギルドという場所が嫌いだからとてもグロッキーだ。どうしてこんな所に来なくちゃいけないんですか?
必要だから。
必要ね。必要って言葉嫌いです。年会費くらい嫌い。
「年会費1万8000タータかあ。払えるかな~」
「1回の調査クエストがだいたい報酬50万タータだから調査クエストを1回でもやっときゃ余裕で払えるよ」
「そうなんだ~! もしかしてシャムくん金持ち?」
「違うよ~」
兄が運営している孤児院と学校をしているため金欠。わら。惨めな人生。恥の多い人生。割り切って生きないと。
そうやって登録契約の際のお話を隣で聞いていると、すぐ後ろから「シャムさんじゃん!」と声がした。
「帰ってきたんだ! ちょっとはやくね?」
「アデルモ……元気だね」
「俺はいつも元気なのさ。シャムさんみたいに恥ずかしい生き方してないし」
「どうしてそんなこと言うんだ? 人を傷つけて楽しいか?」
「うん!」
めっちゃカス……!
「んでこの人誰?」
「ドナさん」
「今日から冒険者なんだ。先輩だね。よろしく! よろしく!」
「なんでよろしくを2回言ったの」
アデルモがいるということはクエストから帰ってきたと言うことなのでパールもいるという事になるのだろうか。
「パールさんが会いたがってたよ」
「会わない。絶対に」
「またそんなこと言って。あんたガチで恥ずかしい人だな。いつまでも逃げてばかりで。少しは危機に直面しろ!」
「なんでそんなことを言うのさ。どんな顔をして会えって言うんだ。せめてもっと待ってくれ。わかったから。会うから。せめてもっと待ってくれ。せめてあれだ。俺がめちゃくちゃ立派な人間になるまで待ってくれ」
パールには会いたくない。出来ることなら会いたくない。心の傷が開いてしまうから。初恋の君に好きな人が居たとして、君の美貌じゃ結果なんてどうせわかっているから、失恋の痛みを二度三度繰り返して味わうのなら、会いたくない。
「もう傷つきたくないぽよ~」
ミッドナイトの方で何か書こうかな、いま頭いたいし