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気をつけろ

 落下しながらグリフォンになんとか捕まると、ドナさんが「助かったね」と言った。しかし、シャム・アヴィスさんはなんだかおかしな気を感じているのか「第四段階」と呟いた。


 何かが地下の底できらめいた。

 しわがれた声が響く。


「告」


 何かが飛んで来る。なにが?


「暴れる」


 視界に光が訪れると、すぐ目の前に老人の顔があった。


「〝堕告〟……!」


 シャム・アヴィスさんがぎりり、と小さく叫んだ。目の前に盾が現れ、ばこん、と跳ね返した。


「同現象」


 老人はグリフォンの頭に乗ると、此方に細い剣身の黒い剣を此方に向けてきた。


「シャム・アヴィス。嗚呼、シャム・アヴィス。メイン標的を確認」

「こいつ、ウィルスタンピードの時のジジイか?」


 ヘルトさんが言う。


「〝堕告〟のデコネ……ミリニオ教で一番の強敵だね」


 青髪の女性が言う。


「正しく」


 〝堕告〟のデコネが言う。


「告」


 青髪の女性が手の平を突き出した。

 すると、俺達の全身に薄く青白い光を放つ膜が張られた。


「暴れる」

「ヘルト!」

「承知した」


 ヘルトさんが拳を振るう。

 〝堕告〟のデコネはその拳を避け、腕に剣を刺した。


「ヘルトさん!」

「痛いな」


 ヘルトさんは立ち上がり、剣の刺さった腕を外側に振るい、〝堕告〟のデコネの顔面を打った。


 シャム・アヴィスさんが拳銃を出し、脚に弾丸を撃ち込んだ。そして、ヘルトさんが蹴り飛ばす。


「告」


 すぐ背後から声がする。


「暴れる」


 グリフォンに赤い線がつつり、と入った。


「マズイ」


 シャム・アヴィスさんがつぶやくと、グリフォンが縦に真っ二つになった。


「うわあああああ!」

「ナタリー! 障壁で護れないか!?」

「張れるけど、あと2回しかできない! 魔力を消費しすぎたのでね」

「それはマズイね」


 底が見えた。落下する。背中を強打すると、〝堕告〟のデコネが此方を向いていた。銀色の瞳をしている。


「告」


 そして、視線は俺からシャム・アヴィスさんへ。

 標的はあくまでシャム・アヴィスさんだ……。


「暴れる」

「アヴィスさん!」


 彼は拳銃を〝堕告〟のデコネに向ける。

 彼の手は痙攣していて、上手く定まらない。


「……恐怖と痙攣……!」


 彼は拳銃を落とした。その拳銃の上に、ポーチから出した木材と牛皮を落とす。すると剣が出来上がった。


「戒告」


 地面を踏み締めると、ばきり、という音がして、次に彼の全身が青く染まる。


「暴れ──」

「歳は」


 〝堕告〟のデコネが言うので、シャム・アヴィスさんは目を丸くさせた。そして、ややあって彼は「16歳」と答えた。

 俺と5歳しか離れてないらしい。


「そうか。そうか。……そうか」


 〝堕告〟のデコネが指を鳴らすと、グリフォンが繋がり、蘇った。


「もう辞めよう。引退だ」

「話についていけないが!」


 シャム・アヴィスさんが叫んだ。

 同意……この老人はなにをしたいんだ……?


「お前、なにがしたいんだ! いきなり襲ってきて!」

「言わぬ。ただひとつ、警告する」

「あァ?」

「魔術師ハルカはミリニオ派だ」

「……姉貴が?」

「シヴァの転生者どもよ」


 シヴァ?


「俺もか」

「この奥にある物は1000年継承して行くべし」

「マジで説明能力なさすぎねェ?」


 気がつくと、〝堕告〟のデコネは消えていた。


「おっ、こっちに道あるぞ」

「『この奥』っていうのはこれのことか」

「行ってみよう」

「危なくない?」

「〝堕告〟の発言が気になりすぎるんだよなぁ。せめてそれ解決してからいかねェ?」

「ほら行くよ! シャムくん!」


 シャム・アヴィスさんは「はーい」と言って、俺の背中を押しながら歩いた。グリフォンはいつの間にか消えていた。



 ◆


 CHARACTER 002

 ヘルト

 破壊と再生の神シヴァの転生者。破壊の性質を受け継ぎ、人並み外れた身体能力で悪を討つ。シャム・アヴィスの事は「ジジイの為に怒ってくれたから大好き」と思っている。


 ◆



 1回目  [原初の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 2回目  [打刻の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 3回目  [憧憬の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 4回目  [幻灯の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 5回目  [苛烈の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 6回目  [最果の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 7回目  [俚諺の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 8回目  [変身の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 9回目  [戒告の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 10回目 [秘密の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 11回目 [希望の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 12回目 [克己の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 13回目 [不屈の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 14回目 [偽悪の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 15回目 [駆動の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 16回目 [供物の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 17回目 [業火の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 18回目 [愛憎の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 19回目 [猫蝶の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 20回目 [猿蛛の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 21回目 [犀蝗の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 22回目 [象蟻の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 23回目 [鼠蜂の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 24回目 [兎蛍の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 25回目 [鶉蚕の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 26回目 [鯨蠅の世界] 覚醒年齢17歳 失敗

 27回目 [狼蛾の世界] 覚醒年齢16歳

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