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第四段階

ぽんぽん覚醒して行きましょ~

 ばちこーん! と古い民家に激突してヘルトは泊まった。


「こ、此処は……」

「おいっ、見ろ! 地下に続く階段があるぞ!」


 民家の傍らには馬車がある。

 ふむ、3人をさらった馬車に類似していて……地下への階段……。


「なるほど! おい! ヘルト! ここアジトだよ!」

「そうらしいな。さてどうするか……」

「突撃するんだよ!」

「お前は能力も使えんのにか?」

「うっ、それは……」


 そうだ。

 俺はエリクサーを浴びて〈クラフト〉を使えない。

 つまり、〈等価〉や〈拒絶〉も使えないという事だ。


「ポリスメン、あなたの能力は?」

「〈鑑定〉です」

「……そうか。ふむ、おい警官。一度こいつを鑑定しろ」

「何故ですか」

「こいつにはエリクサーの『睡眠誘発』が発揮されなかった。こいつだけ何かが違う。もしかしたらエリクサーの効果時間も短くなっているかもしれない」

「そっ、そうか! 頼みます!」

「出来れば書いて見せてほしい」

「わかりました……! いきますよ」


 警官さんが親指と人差し指で輪を作ると、その中に小さな魔法陣が形成された。

 そして、それを地面に枝で書いていく。


 ────────────────

 シャム・アヴィス  15歳

 ライク:クラフト

 第二段階:拒絶

 第三段階:等価

 戦闘力:9,900

 状態異常:能力使用不能(あと3時間)

 ────────────────


「あと3時間……!」


 ヘルトの読み通り、だいぶ短い。

 粗悪なエリクサーだったのかもしれないが。

 それでもこれは朗報だった。


「ポリスメン! 手錠の鍵は持ってませんか」

「えっと、えっと、私は、あっ、何処かに落とした」

「落としたなら仕方がない!」


 削るイメージをしよう。


 あと3時間! 耐えてくれ、3人! ナンちゃん!



 ◆



 目を覚ますと、粗悪な檻の中だった。周りには馬車の中にいた人たちの姿があり、ジャネタさんやナタリーさんの姿もある。みんなはぽつぽつと目を覚ましていた。


「ふっふっふっふっ……」


 男の姿がある。男は鞭を持っていて、醜い顔を歪ませていた。

 おそらく、さらわれたのだろう。

 みんな「ここから出して!」と叫んでいた。


「おーおー! 元気だなぁ、穴共がよォ!」


 男の手下だろうか、チンピラが檻を蹴った。


「出してやるよ! 騒がなくてもな! でもよ! その時はあんたらは人間じゃなくて奴隷でよ! 出すっつっても中にだけどな! ギャハハハハ!」

「下衆め」


 ナタリーさんが冷めた目で言った。


「あぁァ!? なんつったテメェ」

「まぁまぁ、いいじゃないか。まだ自分の立場がわかっていないんだ。彼女はね。いいかい? 青髪のお嬢さん。君はね、奴隷になるんだ。君は美しいから、きっといろいろな人のおちんちんを見るだろうね。慣れておくかい?」

「冗談じゃない」


 チンピラの腕が伸びて、ナタリーさんの髪を掴み、格子に頭を叩き付けた。ナタリーさんは小さく唸った。


「慣れろ!」

「乱暴をするものではないよ。いろいろな事に慣れてもらう事になるんだ。壊されてはたまったものじゃないよ。まずは、そうだなあ。掃除。処理。糞尿を人前で出せるかい?」

「まかせたまえ。糞尿ならすぐに出る」

「頼もしい! なら、まずは掃除からだなァ」


 と、言うところで。


 天井から何かが現れる。


「オッハー!」

「なにっ!?」


 チンピラが振り向くと、その顔面に拳がたきつけられ、壁にぶつかると、壁に赤が拡がった。


 ばきり、という音がふたつ鳴った。

 よかった、よかった……よかった!


「シャムくん!」

「やっ。寝覚はどうだい? お嬢さん」

「俺もいるのにな」


 ヘルトが外れた鎖部分の長い手錠を振り回し、男の手下達をぼこぼこにしていく。


「な、なんだテメェら!」

「おうおうおう! 耳の穴に詰まった糞と小便その他諸々かっぽじってよーく聞け! 男の根性、裸一貫、この身に背負って生まれ出でるは天の所業! 無情の魂鎖に繋がれ燻らん! 生まれはアヴィス、育てはマーカス! 〝標の一団〟その大将! シャム・アヴィスくんたァ俺のことよ!」

「シャム・アヴィスだァ~ッ!? 聞いたことねェなァ~!」

「なら憶えてくれよ」

「断る!」


 男が鞭を振るうと、その鞭は擦り抜けて壁を打ち砕く。〈等価〉の能力を使ったんだ!

 シャムくんは男の股間にいつもとは違う銃で弾丸を撃ち込むと、拳を引き絞った。ばきり、という音とともにシャムくんの腕が青く染まっていく。

 よく見れば、額に「目」のような模様が浮かび上がっていた。それを見て、ジャネタさんが「やっぱり」と小さく呟いていた。


「いくよ!」

「まっ、待て!」

「待ったらなんかくれんの? でも俺はあんたからのプレゼントはいりませーん。要らないからさ」


 ばきり、と顔の皮膚がじわじわと青に染まっていく。


「死んでくれよ、人類」


 その時「アニキ!」という声とともに、爆弾が飛んできた。シャムくんはそれを背中から生えた腕で掴むと、鉄屑と弾丸を作り出した。


「第四段階かな。これは……」

「〈等価〉を使っても、性格が変わってない! いまどんな状態で、どんな能力だい!?」


 ナタリーさんが叫ぶ。


「わからないっす」


 そうしているところに、警官が現れる。


「人さらいの戦闘力がいきなり下がった!」

「敵対者の攻撃能力の低下か」

「じゃあこうしよう。〈不平等〉。いや、ここは格好よく〈不平等(イクオリティ)〉かな」

「知らねェ話してんじゃねェよォ!」

「そうか」


 男が殴りかかると、そこにヘルトが現れて、その顔面を殴った。男は抵抗する間もなく気絶した。


「ふむ。弱すぎるな」

「所詮はエリクサー頼みだもん。ナンちゃん、鍵になって」


 てこてこ現れたナンちゃんが尻尾を檻の鍵に変えると、私たちを解放した。みんな喜んでいた。


「ん? お前肌青くね」

「マジ? ナンちゃん鏡になって」

「モォ」

「うわっ、ほんとだ! 能力解除!」


 青い肌は褐色のいつもの肌に戻る。


「なんだったんだあの青肌」

「お前実は神なんじゃないか」

「そんな訳ねーよ。なんの神だよ」


 シャムくんはヘルトの言葉に半笑いでそう返した。


「いや」


 ジャネタさんが言う。


「心当たりがあるんだ」


 すこしだけ、深刻そうな顔で。




イクオリティ 平等の意

マイクラのイージーモードのパクリです。

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