リテイカ崖 朝日撮影
歩きつづけて小さな崖「リテイカ崖」の前にやってきた。
世界の夜は薄くなりはじめて、夜明けは近かった。
俺はカメラを構えて数歩下がったり数本前に出たり。
とにかく模索。
そしてとうとう陽が昇ると、シャッターを押した。
ガシャンと音がして持ち手内に仕込まれたフィルムが撮影機内にセットされて「景色」が焼き付いた魔法石に電気が流れて、フィルム全体に画像が焼き付けられる。
そして写真出口からその名の通り写真が出てくる。
「おっ! 初心者にしてはいい感じ! いい感じ!」
「ほー、よく撮れてる。高そうだな」
「へへっ! テメェで作りゃタダよ!」
「シャムくんカメラの構造とかわかるの? 大丈夫? そのカメラ」
ナタリーがナンちゃんを撫でながらそんな事を言う。
「俺のことナメすぎ。12歳の頃にいろんな機械の構造とかは頭の中に突っ込んでるから」
「万象圧縮記憶法使ってんの?」
「違うよ~。俺がち天才やからそんなダサい技能使わなくても良いんだわ」
「これほんとか? なんか怪しいな」
「ほんとスけど。わら。え、なんすか。俺のこと疑うんスか。いいのかなー、俺このパーティのリーダーなんだけど」
ナンちゃんが「モォ」と鳴いて尻尾を手に変化させると、俺の背嚢の中にあった「機械構造図鑑」「生活に役立つ」を出した。
こらーっ!
「やっぱり」
「でも少し安心だわ……アヴィスくんの事信用しない訳じゃないけど全部『暗記』で済まされると少し不安だもの」
ジャネタさんが言う。
確かに~!
「作成師としても……ね」
「胸が痛くなりますよー」
「なんでシャムくんっていつも変な方向でかっこつけてんの」
「ちょっとダサいよ! でもまぁそれがシャムくんだね」
「ダサいだけだぞ。付け上がるな」
ヘルトはちょっと俺が嫌いなのカナ?
でもまぁ確かに作成師が「俺全部暗記してっから」はダメだな。
俺も「こいつちょっと信用していいのか?」と思うもん。
でもおれかっこつけたいし……。
「でもヘルトもあれだろ、掃除する度何かを破壊しなきゃなんないからあれだね。かっこわるいよね。箒とか床とか壊すんだろ? ばきばきーって。ダッセーダッセーダッセーな」
「死ね」
「え?」
「死ね」
そうですか。死んでもいいなら死ぬけど。
俺が死んだらウンコ止まらなくなる呪いとかかけるけど良い?
俺が死んだらお前ウンコ止まらなくなるけど良い?
俺が死んだらヘルトのウンコ「ヘルウンコ」が止まらなくなるんだよね。ヘルトのウンコだから。
ヘルウンコが止まらなくなったら世界は終わりよ。
なんたってヘルトのウンコなんだから。ヘルウンコは。
ヘルウンコは後の世に地獄糞として有名になるかもよ。
ヘルウンコが地獄糞として有名になった世界では、人間は船に乗ってヘルウンコの海ヘルウンコシーを移動するよ。
ヘルウンコシーはヘルウンコシーにヘルウンコシーフィッシュというイカレた魚が棲息しているよ。
ヘルウンコシーフィッシュは食中毒になるから食っちゃ駄目なんだよ。ヘルウンコシーフィッシュはね。
ヘルウンコシーフィッシュはヘルウンコシーの環境に適応しているからめちゃくちゃ汚いんだよ。
ちなみにヘルウンコシーフィッシュは「地獄糞海魚」だよ。
魔獣かな? と腹を掻きそうになるね。
「……地獄糞海魚がよ……」
「なんだその魚は」
「さて、みんな! そろそろ馬車が来る時間帯じゃないか? そろそろ町に下りよう」
「おい、なんだ。さっきの地獄なんちゃら魚とは」
「シャムくん、ボク猛烈にウンコがしてェ」
「え。トイレあったっけ」
「地獄糞海魚ってなんだよ。地獄糞海魚とは。地獄糞海魚を説明しろ。地獄糞海魚について説明しろ。腹に穴開けるぞ」
「少し坂を下がったところにあったよ」
「俺もウンコしよーっと」
「同じ便器でするかい?」
「お前がちキショいやん。兄ちゃんが泣くど」
兄に向ける筈だった性欲を此方に向けているのかか。
そう思うと危ういクソ野郎である。
こいつだけ孤児院に置いて来るべきだったのかもしれない。
でもこいつたぶん思いも寄らない展開で追いついて来るだろうな。
「じゃあ行くかー」
作中に電気を出したの後悔してるゾ~(o⌒∇⌒o)




