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多分君だ

 ハーリー・デロークはすぐに捕らえられ、警察に引き渡された。ハーリー・デロークは「拳銃所持法違反!」と言ったが、シャム・アヴィスが「この国にそんなもんはねぇ!」と叫んだ。加えて懐から「拳銃所持許可証」を出し、ハーリー・デロークの主張を


「良い事した気分だぜ」


 シャム・アヴィスはそう言うと、銀の髪を風に靡かせながら乳白色のギターを奏でた。不思議な雰囲気のある人だった。


「実際俺達がした事と言えばババア取り押さえたくらいだけど」

「チャーシュー作ってるみたいな」

「露悪的な罵倒は俺あんまり好きじゃないな」

「ごめんね」

「あんたは大丈夫かい? 治癒ポーション飲みな」


 シャム・アヴィスが此方を向く。


「あっ……うん。大丈夫。えっと、助けてくれてありがとう」

「それは俺からも言わなくちゃ。庇ってくれてありがとう」

「これは〈アドベンチャー〉を発動していれば誰も怪我なんぞしていなかったのに何故か発動しなかったという負い目があるがそれを隠して何とか謝罪から逃げている情けない少年の顔だね。今時珍しくもないけど見ておいた方がいいね」


 青髪の女が言う。


「う、ううう、うううううるさい!」


 彼が渡してくれた治癒ポーションを飲みながら、少し曖昧に返事をしていると、黒いオオカミの獣人とチャラチャラした男の子がやってくる。


「大丈夫だった!?」

「あ、シャムさん怪我させてるー」

「パール! アデルモ! 遅かったね! もう終わったよ!」

「ヘルトさんはもう論外として全員脚はやすぎ」

「私は昔から野を駆け回ってたし、海を走ろうと訓練してたからね」

「俺は喧嘩場で脚を鍛えたからな」

「ボクは改造した」


 改造?


「シャムさんがウンコ過ぎるしヘルトさんがちょっとダメ過ぎるあまりわかんなかったけどもしかして〝標の一団〟ってエリート集団なのかな」


 男の子が言う。


「ウンコ過ぎるの意味が分からなすぎ」

「俺が論外って遅すぎるって意味か?」

「そういうの要らないよ」

「勘違いしないで欲しいがお前達にはまだ全力所か10分の1の実力も見せてない」

「ボクは紛れもなくエリートさ! ボクのライク〈障壁〉はエネルギーの波形を自由自在に操ることが出来る能力! これを自由自在に操るためにボクは天才になったんだ! どうだシャムくん、参ったか」

「俺別にあんたと戦ってねっス。あんただけ個性弱いよね。能力の。〈精霊王〉とかヘルトの怪力とかに比べて」

「ボクにだけ敵意が剥き出しすぎる」


 青髪の女が呆れたように言う。シャム・アヴィスは少し間を開けて、小さく笑った。


 そこで、ふと。


 母が小さい頃絵本を読んでいるときに言った言葉を思い出す。




『この先の人生、〝ある男〟が現れた時に──……』




「──あの」

「ん?」

「君は……生まれは?」

「東のビンギス村ス」

「そっか。…………ねえ、私を君のパーティに入れてよ」

「マジすか? いいんですけど、貴女事情とかあるでしょ」

「大丈夫! ウチは放任主義だし」

「各地転々としますよ。旅なんで」

「もちろん!」


 ついて行ってみよう。多分、この子だ。

指先のフェチズム 最近聴いた中で一番好き

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