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第三話 脱出
どうやって全身からへそビームを出せるか考えていると天才的なことを思いついた。
俺を縛るのを鎖だとしよう。
俺の考えは、こうだ。
鎖から脱出するんじゃなくて、鎖を壊せばいいんじゃないのか?
そんなことばかり考えていると、俺の中の本能(?)が目覚めたかのようにどうすればそれができるか「感覚的に」理解させられた。
感覚が無理やり自分の中に挿入されるのは耐えられないほど気持ちが悪かった。
内臓が捻りちぎられそうで、吐きたいのにお腹の中に何もないから吐けない。
でもなかなか消えない。
そんな拷問を乗り越える頃には、俺は自我を手放し、運命に身を委ねていた。
そして自分を縛る何かを殺し、手探りで闇の中を進んだ。
何も考えられずに進んでいると、いつのまにか壁のようなものにぶつかった。
いや、ぶつからずに固くて柔らかいそれに包み込まれ、身体中に幕が張ったかのような感覚を覚えた。
そのぬちゃぁっとした鉄臭い闇から、俺は地にずるっと生まれ堕ちた。