第19話 国外追放【ソンベルト視点 ざまあ】
「ソンベルト男爵、どういうことですか」
「どういうことを言われましても」
「かの国に送り込んだ間者の報告によれば、我が軍に大損害を与えて敗退させたマジックキャスターの正体は、男爵家の長女であったローザだということではないですか」
「あれはいったい何だったんですか。魔法ですか、それとも別の能力ですか」
「あれだけの地震や竜巻を起こし、火炎を操るものなど見たことがありません」
最前線付近に行っていた諸侯が口々に言った。
「それが、私にもかいもく見当がつかないのです」
「何も知らないと、しらを切るつもりですか」
「我が家にいた時のローザには何の力もなく、その兆候すらありませんでした」
「貴殿は、ローザを男爵家から追放したというのは本当なのか」
「はい」
「何故追放した?」
ソンベルトはエドワード王子からの求婚により自分が寝取られ亭主だということが広まるのを恐れたからとは言えなかった。
「敵であるエドワード王子から求婚されたので、敵国と密かに通じているかもしれないと思い追放しました」
「そんな馬鹿な、それはエドワード王子を失脚させるよいチャンスであったろうに。異国のしかも最下位の男爵家と結婚したいなどというのは、メイドと結婚したいというのと同じだ。話を進めれば困るのは向こうだ。絶好の機会だったのに」
「それにローザだ。あの力を我らが手にすれば、全ての国をひざまずかすことができ、我が国は世界の覇者になれた」
「それを貴様は追放しただと!!」
「知らなかったのです。本当に知らなかったのです」
ソンベルトは土下座した。
王の元に執政官が何やら書類を見せて説明をしている。
「それからソンベルト、お前の領地は飢饉で、作物が取れず、税を収められないので待って欲しいということだったよな」
「はい」
「徴兵したけれども、餓死者が多く、あまり兵が集まらないと今回の遠征でも言い訳していたよな」
「その通りでございます」
「ところがこの報告書では、お前の領地のエレドランドに接している側は、水が豊富にあり、穀物は実り、この世界中が苦しんでいる大干ばつにあって豊かにしているということだぞ。嘘をついていたのか」
「そ、そんな馬鹿な」
つい数ヶ月前に視察に行った時はそんなではなかった。
いったい何が起きているのだとソンベルトは思った。
「それに、その地域には強力な騎士団がいるということでではないか。そしてその騎士団は誰一人今回の戦争に参加していないという」
「どういうことだ?」
騎士団に追われて命からがら逃げたてきたのはつい最近のことだった。どいうことなのか自分の方が知りたかった。
「お前、屋敷ではただの男爵のくせに、使用人には『陛下』と呼ばせているそうだな」
それだけは心当たりがあった。
「まさか、エレドランド国と通じてこの国を売ろうとしているのでないだろうな」
「とんでもない!」
「反逆罪や国家転覆の罪は死刑だぞ」
「違います」
「ローザや自分の領地のことも把握できないで、好き勝手をやられているとしたら、お前はとんでもない暗愚だ。とても領主にしておけないし、男爵の爵位も剥奪しないとならない。一方、お前が賢い人間だったとすれば裏でこの国をエレドランドに売り渡そうとしていたとんでもない悪党ということになる。さてどちらかな」
国王に睨まれた。
ソンベルトは、今言われたことのショックと恐怖で失禁してしまった。
「汚いな」
ブタダール公爵が眉をひそめた。
「この者をむち打ち30回の刑に処した上で、領地と爵位を剥奪し、国外追放にしろ」
ソンベルトは絶望のあまり言葉も出なかった。
「この場で処刑されなかっただけ、ありがたく思え」
ソンベルトは警護官にかかえられて、むち打ち刑の公開処刑場へと引きずられて行った。
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