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1-C ギルティ確定 武術を行使する!

 このお話は特撮変身ヒーロー物を基本に書いてます。

 一放送目で変身。終盤に殺陣です。

 騎士の一団と別れた旋は、変身した時に見た町にむかって歩きだした。

 十五分ぐらいで町の門に着く。

 大きな門は閉まっていて、横の中くらいの扉からみんな出入している。

 町に入る人の行列ができている。

 旋も列に並ぶ。

「さっきの黒い巨人見た?」

「ああ、なんだろうなアレ」

「怖かったな」

「こっちこなくてよかったな」

 あっちこっちで、噂になっている。


「みんな。アレは魔王だ!この国を滅ぼしにきたんだ!」

 白い服の一団が町から出てきた。一人の男が箱に乗って両手を上げて叫ぶ。

「助かるにはこのアミュレットを買うしかない!」

 男がなんか書いた小さな板を掲げる。

「今なら銀貨五枚、早い者勝ちだ!」


 うわーやっすい詐欺。引っ掛かるバカいるのかと旋が見ていると、結構な人がよっていく。

 あー日本ほどスレてないのか、ワタシも金稼がんと潰れたミカンだしな。いっちょなんか考えるか。

 旋があれこれ考えていると、騒ぎがおこった。


「お願いです。娘の分だけ売ってください」

 女の人がアミュレットを売っていた白い服の男の足にすがりついている。近くで小さな女の子が泣いていた。

「買いたきゃ金もってこい。足りないんだよ!」

 すがりつかれた男が女の人を振り払う。

「どうか、どうか。お願いです」

 女の人の嘆願と女の子の泣き声が大きくなる。

 

 これはいけない。許しちゃいけない。

 騎乗変身英雄に憧れ女性初の主役を目指す、旋の堪忍袋の緒が切れた。

「おい!ちょっとそこの!何であれが魔王って判った?お前魔王見たことあんのか!」

 台の上の男に叫ぶ。

「ああ?黒てでかいんだから魔王に決まっているだろ!」

 男が叫び返す。

「理由そんだけか?お前想像力ないな。神様かも知れないじゃん?」

 旋は男に詰め寄る。

「黒い神様なんかいるか!おい、追い払え」

 アミュレットを売っていた白い服の男が二人、旋によってくる。

「フン!」

 旋は容赦なく二人の股間を蹴り飛ばす。

 女一人に男が二人がかり。正当防衛だ。

 二人の男は手にもっていたアミュレットを落として股間を押さえてピクリともしない。


「は。か弱い女の蹴りも防げ無いアミュレットで、どうやったら魔王から助かるんだ?」

 パンパンと手を叩いて台の上の白い服の男を睨む。


「あんたらも気をつけなきゃダメじゃん。よく考えないと安い詐欺に騙されるよ」

 アミュレットを買っていた人に言って、男にすがりついていた女の人と泣いていた女の子を見る。

「あんなインチキに騙されちゃダメ。お母さんなの?子供に変なの見せるなよ」

 旋は二人の方に歩いていく。

「お嬢さん可愛いね。笑った方がもっと可愛いよ」

 しゃがんで女の子に目線を合わせて、頬の涙を拭う。

 旋がにっこり笑うと、女の子も泣き止んだ。


「商売の邪魔しやっがって、許さねぇ!」

 台から降りて男が叫ぶ。

「はっ。商売?詐欺だろ詐欺」

 旋は素早く親子から離れる。

「客が信じて買えば詐欺じゃねぇ!」

 白い服を脱いで男が旋に駆け寄る。

「信じなきゃ詐欺じゃん!騙した人にちゃんと金返せよ!」

 旋は習っていた空手の構えで迎え撃つ。

「一回貰った金は返すか。騙されるヤツがバカなんだよ」

 興奮した男が、致命的な失言をする。


「今、騙したって言ったな?」

 旋の目が細まる。

 ギルティ確定。武術を行使する。

 旋は覚悟を決めた。

「言ったからどうした!」

 男がナイフを取り出す。

 武器を持った素人は、それを当てる事を第一目標にする。そこそこ慣れたら武器を囮にしてくる。

 旋は習った事をおもいだしながらナイフだけでなく、男全体を見る。

「この野郎!」

 腰だめにナイフを構えて男が走ってくる。武術をかじっていても刺される危険な突進だ。

「フッ」

 男が近づいた瞬間、旋はおもいっきりしゃがんで、男の足を払う。

 旋を見失って、両足を蹴られた男は見事に転ぶ。

 ナイフを持った手を踏みつけて離させると、人のいない方に蹴飛ばす。

 手を押さえてうめく男の顔を蹴飛ばす。

 最初は顔、次に横隔膜だったっけ。

 漫画で覚えた知識で男が動かなくなるまで蹴る。

「さて、残り二人か」

 残った男二人に旋がゆっくり近づいていくと道の向こうから騎士がきた。

「また貴女か。今度はなんです?」

「覚えて無い」

 馬の上から聞いてきたドイルに旋は答えた。

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