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1-B 話が神合わない

 今日は三話投稿です。

 キリのいいとこまで。


 襖を開けて闇と夜の神の部屋を出ると、旋は道の横に立っていた。

 服も粗末なシャツとズボンだ。

 朝早いようで道端の草には夜露が光っている。

 舗装されていない道には細い轍が残っている。


 キョロキョロと辺りを見て、人がいないのを確認すると旋はおもむろにポーズを決める。

「変身!ダークニュイ!」

 旋のお臍の上にあわられた固まりから闇が吹き出す。

 身長40メートルの闇と夜の神像に旋は変身した。

「ええ。ちょっとこっち?バイクに乗る方じゃないの?」

 喋ってみるが「ムーン、ムーン」としか聞こえない。

 視点が高くなったので近くの町が見えた。

 城壁の兵士があわてて詰め所に駆け込んでいく。

 馬にのった人が城にむかって走っていく。

 やっば。大騒ぎじゃん

 ムンと気合いを入れて空に飛び立つ。

 五分たったら闇がほどけて旋は元の道端に立っていた。

 

「ちょっと。変身する方が違うじゃん。どうなってんの?」

 カードを取り出すと真っ黒い電話ボックスが出現した。電話機にカードを入れると自動で闇と夜の神につながる。

『違うって?ダークニュイはワシがまだ闇と夜の神だった頃の姿じゃよ?』

「いや、変身英雄ったらバイク乗る方でしょ。アイテムもベルトっぽいし」

『ああ。そっちか。ワシ巨大化変身英雄の方が好きなんじゃ』

「ダークニュイって小さくならないの?」

『ダークニュイは無理じゃ。他を登録すりゃええ。方法は思い出せるじゃろ』

「仕方ないなぁもう」

『お前さんワシの部屋にいたときと態度違いすぎじゃ』

「猫かぶってたの!丁寧にしなきゃって。神様命の恩人じゃん」

『そうかいありがとう。ワシは今のお前さんも元気があって好きじゃよ』

「好きとか言うな!電話切るよ」

『思春期じゃのう。ボックスから出たら倒れたふりして、何も覚えて無いっていうんじゃぞ』


 旋はなんじゃそりゃと思いながら電話を切る。まあ神様の御告げだしと思いながら轢かれないように、道の端にうつ伏せになる。

 地球でトラックにぶつかって、異世界で馬車に轢かれるのは嫌だ。なんのギャグだ。


 すぐに馬が近づいてくる音がする。

「おい!誰か倒れているぞ!」

 男の声がしてガチャ、ガチャっと足音が聞こえる。

「大丈夫か坊主。怪我はないか?」

 全身金属鎧の騎士が旋を助け起こす。

「誰が坊主じゃ。嘗めとんのか!」

 旋は叫んで立ち上がる。

「し、失礼女性の方でしたか」

 騎士が慌てて謝ってくる。視線が旋の胸に注がれる。

 騎士の仲間も見ていてなんか首を振っている。

「じろじろみんな。ちゃんとある。む・ね・は・あ・る」大事な事だ、二回言う。

「わかります。ええ、ちゃんとあります」

 旋を起こした騎士が言ってくる。

 旋がにらんでいくと騎士達が視線をそらす。


「で、なんの用」

 旋はプリプリしながら騎士に聞く。

「この辺に、魔王が立っていたと通報がありまして。何か見ませんでしたか?」

「覚えて無い」

 旋は神様に言われた通りに答える。

「後、魔王じゃなくて闇と夜の神」

 余計な事も答える。

「何か知っているんですか?」

「覚えて無い」

「でも、今、闇と夜の神っていいましたよね?」

「覚えて無い」

 旋は繰り返す。

「ええ~何で?」

 騎士が困ったように旋を見る。

「覚えて無い」

 結局、そのまま覚えて無いで押しきった。

「じゃあ、私はドイルです。何か思い出したらしらせてください」

 ものすごくあやしい物を見る目で見ながらドイルが最後に言ってくる。

「覚えて無い」

 旋はドイルとその仲間達を見送った。

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