エピローグ「その願いは、風に乗って……」
――ふと、空を見上げる。
深く澄んだ蒼い空。
そして、棚引く白い雲。
遠くの方から歓声と誰かの歌声が風に乗って響いてくる。
一陣の柔らかな風に、淡く白い花びらが舞う。
……この異世界に立つ誰もが願ったことで、実現した平和な世界。
誰もが笑い合い、信じ合える希望に満ち溢れた世界。
幾多もの絶望を持ち寄って、かき集めた結果……真っ白な未来と希望が生まれた。
……平和とは人々の心に宿るもの。
望めば、いつだって手に届くもの。
俺は、それを皆に気付かせただけ……大したことなんかやっちゃいない。
ここから先の未来は、誰にも解らないのだけど。
きっと、そう悪いものにはならないと……俺は信じている。
願わくば、こんな時間がいつまでも……続きますように。
そっと目を閉じると、俺はささやかな祈りを捧げる。
もしかしたらいるのかも知れない……本当の神様に。
「ありがとう」
呟いた言葉は風に乗って……遠くへ……。
――Fin――
『とある勇者だったおっさんの後日談』
去年の大晦日から始めたこの小説。
紆余曲折を経て、ここまで書ききりました。
最終話、そしてエピローグ、如何でしたか?
読者たる貴方の心の片隅にでも残って、何かの折に思い出すような事があれば、作者冥利に尽きます。
心が折れそうな時に、評価を入れてくれた名も知らぬ貴方。
ブクマという形で、応援してくれた二〇〇人以上に及ぶ読者の皆様。
そして、エター化一歩手前のところに、エールを送ってふたたび書く力をくれた作家仲間の皆様。
この場を借りて、感謝をさせていただきます。
MITTの次回作をお楽しみに!
それと、もしここまで完読いただけたのであれば、
投げ銭代わりって事で、ブクマか評価、感想なりでも、残していってください。
なろう作家ってのはそう言うのを糧に生きてますんで、いやマジで結構切実に